中古マンションの価格や価値を左右する要素

家(不動産)の購入の難しさの1つに、1つ1つ違う個別性の高い商品であることが挙げられます。

それが中古住宅となると、建物の状態含め、1つ1つの違いますので、新築以上に物件の評価に違いが出やすくなります。

この記事では、

●中古マンションの価格や価値に影響する条件
●その中で、特に販売価格や将来の資産性に影響を与えやすい条件

についてまとめました。

中古マンションを選ぶ際の参考にして頂ければと思います。

マンションの敷地権には、所有権以外に賃借権や地上権、定期借地権などがあり、価格や評価は大きく異なります。
この記事では、マンションの敷地権が所有権という前提とさせて頂きます。

中古マンションの価格に影響する17の要素

中古マンションを評価する17の条件を以下挙げてみました。

①購入する町、地域

不動産は、地域やその街の影響を受けます。
どの街に購入するかは、不動産を評価する1つの基準である「流動性」に影響します。

流動性とは、簡単に言うと、

・その地域で不動産の売買に参加する人がどれくらいいるか?
・将来どれくらい増えるか、また減るか?


といった指標です。

また、地域性でいうと用途地域の違いもあります。

大きく分けると住居系、商業系、工業系と分けられますが、用途地域によって、現在の住環境だけでなく、将来建てられる可能性のある建物を予測することもできます。

用途地域とは、
建てられる建物の用途や大きさによって13地域に分かれています。
地域ごとに住環境の維持、商業活動、工業活動の利便性をどこまで促進するかなど異なります。

②立地条件(≒交通、生活利便性)

交通利便性については、

・最寄り駅がどういった駅か?
・特急、急行などの停車駅か?
・ターミナル駅か?

最寄り駅からの時間

などです。

買い物利便性については、買い物施設の数、大型商業施設、商店街などの充実度が挙げられます。

さらに、保育園や幼稚園の数、病院や公共施設の充実度が挙げられます。

③周辺環境

周辺環境を左右するものとして、住環境としての落ち着き、公園や自然の多さ、治安の良さ、嫌悪施設(ごみ処理、下水処理、火葬場、高圧線など)の有無などが挙げられます。

前述の用途地域によっても、周辺環境は大きく変わります。
例えば、第1種低層住居専用地域のマンションでは、低層かつ建てられる用途も限定されていますので、落ち着いた住環境を維持しやすい反面、生活利便性は低くなるといった場所もあります。

④ハザードマップ

ハザードマップは、国や自治体で想定される水害や土砂災害などのリスクをあらわした地図です。

不動産取引においては、2020年8月から重要事項説明でハザードマップ上での物件所在地の説明が義務付けられています。

⑤専有面積

当然ですが、専有面積の広さに比例して物件価格は変わります。

ただ、マンションの場合、価格だけでなく、管理費や修繕積立金、固定資産税などの維持費も専有面積に比例します。

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⑥間取り

マンションの間取りは、1K~4LDKなどいろいろですが、地域によって需要が異なります。

また、例えば同じ3LDKでも、田の字型、センターインなど、それぞれ特徴ががあります。

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⑦築年数

築年数は、マンション選びの大きな条件です。

将来の住環境を考えて、築年数が浅い物件が求められる傾向ですが、同時に、築年数による耐震性の違い(旧耐震か新耐震か)もあります。

また、地震だけでなく、耐震偽装問題などをきっかけに建築基準法の改正などもあり、いつ建てられたマンションかは住宅性能や安全性にも影響を与える条件です。

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⑧眺望

マンション購入を検討される方で、眺望を気にされる方は少なくありません。

ただ、眺望と言っても、マンションの立地やバルコニーの方向、所在階、周辺建物のなどで得られる眺望は異なります。

ですので、「高層階=眺望が良い」とはならないのですが、価格面においては、所在階だけで判断されている物件もあります。

⑨住戸の配置

その物件がマンション内のどういった場所に位置するかは、住環境に大きく影響します。

所在階については、3階を基準としてそれより高層か低層かで評価される傾向ですし、最上階か否かで価格面への影響は大きくなる傾向です。

また、角部屋か中住戸かの違いもあります。
それに合わせて、主要開口部の向き、基本的に南向きから東→西→北といった順で評価される傾向です。

主要開口部が2か所ある間取りなどはプラス要素に働きやすくなります。

⑩住環境の良好さ

  • 日当たり
  • 通風し
  • 騒音
  • 振動

など、住環境を左右する大きな条件です。

⑪総戸数

総戸数は、どこまで気にするか人それぞれですが、総戸数が極端に少ないと、管理組合の運営面や将来の維持管理費の負担は大きくなります。

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⑫共用施設の充実度

比較的、総戸数の多い大規模マンションで充実していることが多い共用部分です。

  • ラウンジやパーティルーム
  • キッズルームや敷地内公園
  • 宅配ボックス
  • 24時間ゴミステーション
  • 防災用備蓄庫

などいろいろとありますが、一方で共用施設が充実している分、管理費などへの影響もあります。

⑬管理状況

マンションは良好な住環境を維持する意味でも、資産価値という意味でも管理状況は非常に重要です。

管理組合がうまく機能しているか否で、

  • 長期修繕計画
  • 修繕積立金のストック状況
  • 管理費や修繕積立金の滞納
  • 敷地内の保守、点検
  • 修繕履歴

といったところに違いが出ます。

⑭管理人の管理形態

多くの管理組合が共用部の管理を管理会社に委託し、管理人を配置しています。
その管理人の形態には、常駐、日勤、巡回があります。

⑮設備や仕様、内装のグレード

部屋のフローリングやキッチン設備など内装の仕様や設備の違いです。

もともと、グレードの高い仕様のマンションもありますが、新築分譲時に、床材や建具の仕様をグレードの高いものに変更していたり、食洗機や食器棚をオプションで追加しているという物件もあります。

⑯室内の状態

室内の状態を確認する際、

  • 居住中か空家か?
  • どれくらいの期間空き家か?
  • リフォーム済みか否か?
  • 売主が個人が業者か?

によって、室内の状態や価格面への影響も違います。

⑰マンションブランド・施工会社

新築分譲時のデベロッパーや施工会社です。
三井、住友、野村など大手デベロッパーから、また、施工会社でも、大林組や清水建設、竹中工務店など大手含めさまざまです。

また、タワーマンション(一般的に20階を超えるマンション)などで使われる免震あるいは制震構造などの施工技術ならびに大手ブランドに安心感や価値を感じる方もいらっしゃいます。

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中古マンションの価格に影響するもの

では、これまで見てきた17の中古マンションの条件のうち、特に売出価格に影響しやすいものはどれなんでしょうか?

中古マンションの価格の決まり方

中古マンションの売出価格は、不動産業者の査定に基づき、売主さんと相談して決定されます。(個人売主の中古マンション

業者売主の再販物件は、仕入れた物件価格に営業経費や利益をのせて販売されるため、個人売主の中古マンションとは価格の決まり方に差があります。


そして、中古マンションの査定では、取引事例法という近隣もしくは同一マンション内での取引事例と比較しながら価格を決めるケースが多いです。

この査定において、価格に反映されやすい条件は以下のものです。

  • ①購入する街・地域
  • ②立地条件
  • ⑤専有面積
  • ⑦築年数
  • ⑧眺望(≒所在階として)
  • ⑨住戸の配置
  • ⑩住環境の良好さ
  • ⑯室内の状態

不動産は1つ1つ違いますので、これ以外の条件でも価格に影響を与えることは当然あります。
ですので、一般的に、売出価格を決める際の査定で考慮されやすい条件としてお考え下さい。

この中でも、①②⑤⑦という条件で8割位は決まっていると考えられます。

ただ、逆に言うと、これ以外の条件は、価格に反映されない場合も多々あるということです。
例えば、新築時のマンションデベロッパーやこだわった仕様や設備などは中古マンション購入時の価格にはあまり影響しないといえます。

また、管理状況は非常に重要な条件ですが、管理状況の良し悪しは価格には表れにくいといえます。

中古マンションの資産性に影響するもの

マイホームを購入する際、永住志向か将来の売却などを想定するかで、その物件に求める資産性は変わってきます。

では、将来の資産性に影響しやすい条件はどういったものが考えられるでしょうか。

  • ①購入する街・地域
  • ②立地条件
  • ④ハザードマップ
  • ⑤専有面積
  • ⑥間取り
  • ⑪総戸数
  • ⑬管理状況

①地域や②立地、④災害リスク

将来の資産性という意味では、ますます進む人口減社会、行政コストとの関係から、購入する地域や立地条件がより重要になります。

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また、それに加えて、現在一戸建てほどハザードマップ(災害リスク)の評価はされていないマンションですが、今後、評価基準として重要になると考えられます。

ハザードマップは節目で更新されていくものです。
ですので、今現在浸水エリア外あっても、将来含まれることもあるという視点も必要かもしれません。

⑤専有面積・⑥間取り

専有面積と間取りはセットで考える必要があると思いますが、将来その地域の住居ニーズに合致しない専有面積や間取りは、資産価値は維持しにくくなります。

また、一定の需要がある中で、特に希少性が高い物件は資産性が高く維持される可能性もあります。

⑪総戸数・⑬管理状況

管理状況が悪く、必要な修繕費用がストックされていない、管理費や修繕積立金の滞納が多いマンションは、買い手がつきにくく、売れにくいマンションとなっていきます。

また、総戸数は、前述の通り、管理組合の運営負担や管理費、修繕積立金の負担に直結するものです。
総戸数が極端に少ないと、将来の維持費が高くなり売りにくい、貸しにくいマンションとなる可能性があります。

加えて、注意すべきは、管理組合を構成する住民層です。
管理組合の高齢化はこれからも進んでいきます。ですので、購入時点での管理組合の年齢層などもできれば確認したいところです。

さらに、投資用のマンションの戸数の割合が高いマンションなども、管理組合の運営面でマイナスに働く可能性は高くなります。

まとめ

ここまで中古マンションの条件、またその中で価格や将来の資産価値に特に影響が大きいと考えられる条件をまとめました。

不動産は1つ1つ違いますので、当てはまらないケースや例外の物件もあります。

大切なのは、自分が家を買う目的や優先順位をしっかりと把握した上で、1つ1つの条件をチェックすることです。

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