投稿日:2022年8月15日 | 最終更新日:2023年10月7日
マイホーム購入のすすめ方
不動産ポータルサイトをはじめネットで手軽に物件情報を探せることから、物件探しや住宅会社探しを優先される方もいらっしゃいます。
ただ、理想的なマイホーム購入のすすめ方は、住宅ローン借入含めた資金計画を検討した上で、物件探しをしたり、家づくりをスタートさせるという流れです。
STEP1:資金計画
↓
STEP2:物件探し・住宅会社探し
物件探しの前に資金計画と住宅ローンの目途を立てるメリットは次の4つです。
- 予算や資金計画で失敗する可能性が低くなる
- 価格交渉の材料となる
- 必要なときに決断できる
- 住宅ローン選びに失敗しにくい
そして、結果的により安心、お得なマイホーム購入に近づきますので、是非この記事を最後まで読んでいただければと思います。
住宅購入の資金計画とは?
資金計画は、
必要資金に対して、どのように資金を準備するかを決めることです。
例)4,000万円のマンションの購入する場合(諸費用300万円)
【必要資金】
・物件価格:4,000万円
・諸費用:300万円
合計 4,300万円
この必要資金に対して、以下の資金計画の見通しをもちます。
【資金計画】
・自己資金:500万円
・住宅ローン借入:3,800万円
合計4,300万円
そして、住宅ローン借入金額について、返済計画をシミュレーションすることで、毎月の返済額やその他の維持費(固定資産税や管理費、修繕積立金、駐車場代など)を合わせて、無理のない資金計画になっているかを確認します。
もちろん、諸費用含め正確な必要資金が、最初から分かるわけではありません。
中古物件でリフォームにかかる場合もあります。
ただ、新築か中古か?、分譲物件か注文住宅かによって、諸費用や資金の内訳が変わりますが、概算でも目途を立てておくことは大切です。
資金計画と住宅ローンの目途を立てるメリット
- 予算や資金計画で失敗する可能性が低くなる
- 価格交渉の材料となる
- 必要なときに決断できる
- 住宅ローン選びに失敗しにくい
予算や資金計画で失敗する可能性が低くなる
資金計画が明確でない状態で物件探しをすすめた場合、いざ買いたいと思える物件が出た場合、そこから本格的に資金計画を考えることになります。
ただ、住宅ローンを利用して家を買うとき、検討すべきことは少なくありません。
- 頭金もしくは自己資金はいくらにするか?
- 毎月の返済、住居費の負担は問題ないか?
- 住宅ローンはどの金融機関どの商品を利用するか?
- 住宅ローン減税を有効活用できるか?
こういった検討を、
物件が見つかって、
購入申込から売買契約までの短時間で行うと、
失敗する可能性があります。
そもそも予算的に大丈夫か?
そもそも、気に入った物件を前に、予算的に大丈夫かと検討するのは遅いです。
住宅ローン事前審査を通して借入できれば購入できる、返済できると判断してしまうかもしれませんが、のちのち後悔する可能性があります。
借入ができる金額と無理なく返済できる金額は違います
住宅ローン返済や維持費は、長期で続くものです。
収入や求める生活に対して、適正な負担かをしっかり検討する必要があります。
もっとも信頼性の高い予算や資金計画を知るには、住宅購入後のライフプランを作成してシミュレーションすることです。
自己資金の額は間違ってない?
特に自己資金が十分にある方は、マイホーム購入にいくら使うかを検討した方がよいです。
次の2つの視点から検討します。
・住宅ローン減税の活用
・資産運用効果
住宅ローン減税額は、購入物件の種類や年収、返済計画によって変わります。
ですので、最適な利息負担と減税効果が得られる資金計画にするほうがお得です。
また、資産運用を積極的にされる方は、自己資金を使わず借入金額を増やすことも検討すべきです。
現在の住宅ローンの低金利状況は、利息の負担より資産運用で得られるリターンが上回る状況が考えやすい環境といえます。
こういった検討を、物件探しをして気に入った物件が見つかってから本格的に始めるのは遅いといえます。
価格交渉の材料になる
住宅ローン借入含めた資金計画の目途を立てることは、資金的に問題のない買主であることを売主側にアピールすることにもなります。
そして、それは価格交渉や値引き交渉にもプラスに働きます。
購入したい家が見つかって最初にすることは、不動産購入申込を書面で行います。
不動産購入申込
購入希望価格やその他希望条件を売主側伝える正式な意思表示
価格交渉は、不動産購入申込時に行います。
このとき、売主側からしても、住宅ローンの借入含め、資金計画の目途が立っている人、つまり、契約から住宅ローン審査、引渡しまで問題なくすすみそうな希望者に買って欲しいと考えます。
ですので、住宅ローン含め資金計画の目途をたてることで、価格交渉も行いやすくなります。
もちろん、価格交渉は常にできるわけではありませんが、状況に応じて価格交渉、条件交渉をする価値はあります。
また、購入申込をする前提として、住宅ローン事前審査が必要な場合が多くあります。
他の買主の方と競合した場合、事前審査がないため購入申込ができない、結果的に気に入った物件を買えないということもあります。
必要なときに決断できる
家を買うとき、どこかのタイミングで「この家に決める決断」をしますが、その決断の時間があまりないという状況も少なくありません。
特に、他の買主と競合した場合、決断が遅ければ先越されることは珍しくありません。
その点、資金計画の目途が立っていると、お金の面での不安はなくなり物件自体の購入判断に集中しやすく、決断も早くなります。
必要な時にしっかりと決断する意味でも、資金計画の目途をつけることは大切です。
住宅ローン選びに失敗しにくい
住宅ローン含めた資金計画を立てることで、住宅ローン選びにも失敗しにくくなります。
住宅ローン特約に記載する商品・借入金額
家が見つかり、購入申込で売主さんと合意すると売買契約の手続きにすすんでいきます。
基本的には、不動産購入申込から1週間前後で契約日を設定することが多いです。
そして住宅ローンを利用する場合、売買契約書に「住宅ローン特約」を入れます。
住宅ローン特約
簡単に言うと、
住宅ローンの本審査の承認がおりなかった場合に、売買契約自体を白紙に戻すことができる契約上の
取り決め
つまり、住宅ローン借入ができない場合、買主の方は、売買代金の支払いという契約上の義務をはたせず、債務不履行責任(損害賠償責任)を負うことになります。
住宅ローン特約は、住宅ローン承認に向けて動いたにも関わらず、住宅ローンの借入ができなかった場合に、債務不履行責任から買主の方を保護するための制度です。
この住宅ローン特約を入れる際に、どの金融機関の住宅ローンを利用するか、借入金額はいくらかを売買契約書に明記します。
ですので、住宅ローンの検討含め資金計画を事前に立てることで、余裕を持って売買契約にも対応することができます。
住宅ローンの返済シミュレーション
住宅ローンの目途をつけ毎月の返済額のシミュレーションを行っておくことで、金利プランや団信特約など住宅ローン選びも余裕をもってすすめることができます。
また、購入する物件価格や種類が変わった場合でも、維持費つまり固定資産税や火災保険、管理費、修繕積立金、駐車場代などの負担含めたシミュレーションがしやすくなります。
住宅購入後の毎月の返済、維持費の負担が適正かを判断する時間が短くなり、購入判断もしやすくなります。
まとめ
物件探しの前に住宅ローン含めた資金計画を立てるべきメリットを解説してきました。
- 予算や資金計画で失敗する可能性が低くなる
- 価格交渉の材料となる
- 決断すべき時に決断できる
- 住宅ローン選びに失敗しにくい
のちのち後悔しないためにも、よりお得に購入するためにも、まず住宅ローン含めた資金計画を立てることには意味があります。
是非参考にしてみてください。