・マイホームの頭金や資金はいくら必要?
・いくらあった方がいいの?
と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
この記事では、頭金や自己資金が少ない、あるいは0の場合の買い方や注意点についてお伝えします。
以下、
必要資金:4,300万円
(内訳)
・物件価格:4,000万円
・諸費用:300万円
という事例で考えてみます。
自己資金と頭金の違い
まず前提として、頭金と自己資金の違いを説明します。
・頭金:物件価格-住宅ローン借入金額
・自己資金:頭金+諸費用
です。
上記の例で住宅ローンを3,500万円借りる場合、
頭金:4,000万円‐3,500万円=500万円
自己資金:500万円(頭金)+諸費用300万円=800万円
となります。
諸費用だけ自己資金で準備する場合
仮に、上記の例で諸費用300万円を自己資金で準備する場合、
・自己資金:300万円
・住宅ローン借入金額:4,000万円
という資金計画になります。
この場合、頭金は0円ですが、住宅ローン借入ができれば問題なく購入することはできます。
諸費用も借入する場合
また、物件価格以外に諸費用(300万円)も借入したい場合はどうなるでしょうか。
家を買うときの諸費用
諸費用と言ってもいろいろあります。
注文住宅などで建築する場合ではなく購入する場合の一般的な諸費用は以下の通りです。
- 固定資産税清算金
- 管理費等清算金(マンション)
- 住宅ローン事務手数料、保証料
- 登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
- 仲介手数料
- 印紙代(売買契約、住宅ローン契約)
- 火災保険料
- 建物診断費用
- 耐震基準適合証明(フラット利用時)
また、諸費用も大きな意味でいうと、引渡し後の
- リフォーム費
- ハウスクリーニング
- 鍵交換費用
- 引越し代
- 家具等の購入費
などもあります。
【関連記事】
▶家を買うときの諸費用とは?住宅購入の流れと必要な費用まとめ
諸費用の借入はどこまでできる?
では、諸費用も借入したい場合、どこまで借りられるのでしょうか。
借入可能な諸費用や借入できる上限金額などは金融機関によって違いがあります。
その点、住宅ローンの諸費用(事務手数料や保証料)や登記費用、仲介手数料、印紙代、火災保険料などは諸費用として認められる金融機関は多いです。
一方、固定資産税や管理費等の清算金、引越し費用などは諸費用として認められない場合もあります。
また、借入できても、物件価格の5%や10%までや300万円、500万円といった上限がある金融機関もあります。

頭金0もしくは諸費用含め借入する場合の注意点

このように頭金や諸費用が準備できなくても、家を買うことはできますが、注意点もあります。
手付金は必要
通常、不動産購入では売買契約時に手付金が必要となります。
手付金は、不動産という高額な商品を契約から引渡しまで一定の時間をかけて行う不動産取引の安定性を担保するものです。
手付金は、最終的には売買金額に充当され、実質的に売買代金の一部前払いとなり、売買契約時に必要となります。
ですので、準備できる資金が少ない場合、手付金の額や調達方法など不動産会社と相談しながら決めていく必要があります。
【関連記事】
▶不動産売買における手付金とは?相場や頭金との違い、注意点まとめ
住宅ローン審査が厳しくなる
住宅ローン審査の項目はいろいろあります。
その1つに「融資率」があります。
融資率とは、
物件価格に対して住宅ローン借入金額の占める割合です。
事例の4,000万円の物件価格でいうと、
・借入金額3,600万円⇒融資率90%
・借入金額4,000万円⇒融資率100%
・借入金額4,200万円⇒融資率105%
このとき、当然、
融資率が高いほど審査は厳しくなります。
審査基準の厳しさは金融機関によって異なりますが、特にネット銀行は市中銀行より厳しい傾向にあります。
ですので、
自己資金が少ないことで
利用したい金融機関が利用できない
という場合もあります。
住宅ローンの金利が上がる
また、融資率が高い場合、住宅ローンの適用金利が高くなる場合があります。
金融機関によって、審査内容に応じて適用金利が変わる金融機関と適用金利は同じで借入可否だけを判断する金融機関があります。
前者の場合、借入はできても、
融資率の高さから最優遇金利ではない
場合もあります。
フラット35などは、融資率が9割を超えるか否かで適用金利が0.26%異なります(令和4年7月時点)
オーバーローンの状態が続く
先程の事例で、
市場価値4,000万円の家を購入し、物件価格以外の諸費用なども借入れた場合、不動産の価値以上の借入をすることになります。
物件価格4,000万円に対し、4,200万円の借入をした場合などです。
金融機関によって不動産の評価(担保価値)は異なりますが、この場合、
不動産の価値以上の住宅ローン残高がある、
いわゆるオーバーローンの状態
になります。
そして、購入後に返済を続けていく中で、オーバーローンの状況が続くと、のちのちの生活にも影響する可能性があります。
将来の売却や住み替えに影響する可能性
購入から20年後、もし家を売却したい、もしくは住み替えたいとなった時、その時点の住宅ローン残高が売却価格を上回る場合、売却するには不足分の自己資金が必要となります。
諸費用やリフォーム費用まで借入をして家を買う場合、こういった状況になりやすい資金計画ともいえます。
もちろん、不動産価格が上昇する場合もありますので、必ずしもそうなるわけではありません。
ただ、反対に変動金利の金利上昇があると、こういった状況になりやすくなります。
現在の低金利下ではイメージしにくいかもしれませんが、売却や住み替えまで想定して購入したいという方は、資金計画以外にも、
- 購入価格が適正か?高すぎないか?
- 購入する不動産の資産性
(資産価値の維持しやすさ)
に注意が必要です。

まとめ
ここまで頭金、自己資金が少ない、0といった場合の注意点についてまとめてきました。
- 手付金は必要
- 住宅ローン審査が厳しくなる
(住宅ローン選びが制限される) - 住宅ローン金利が上がる
- 将来の売却や住み替えに影響
こういった点に注意は必要ですが、購入後も無理なく生活できることが大切です。
希望する家は買えたが、生活が苦しい、やりたいことができない、必要な貯蓄や趣味にお金が回せないなどのないように資金計画をしっかり準備してください。

