購入派と賃貸派

やっぱりマイホーム欲しいよね~

いや~、マイホーム買うっていっても何千万円も住宅ローン払うんでしょ?
賃貸でよくない?

だけど今住宅ローンの金利も低いし、住宅ローン控除など税金も優遇されてるみたいだよ。
毎月の家賃払い続けるよりよくない!?

だけど、固定資産税やのちのちリフォーム費用とかも必要でしょ?

でもこれから人生長いしな~。
ずっと家賃払うのもな~。

家買ったとしても、そこにずーと住めるか分からないんじゃない!?

自分の家だったら、売ったり貸したりもできるんじゃない!?

でも空き家も増えてるみたいだし、ほんとに売れるの?

とマイホーム購入派と賃貸派のお話は尽きません…

これからの人生、

マイホームを
持つべきか?持たざるべきか?

迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、

  • お金(住宅コスト)
  • 住環境
  • 人生設計・移動の自由度

という3つの視点から、
家を買うべきか否かを考えてみました。

購入と賃貸
住宅コストの違い

まず最初に、住宅コストの面で比較しました。

家を買う場合のコストってどんなものがあるの?

持ち家のコストは、大きく分けて次の3つです。

1,物件価格
2,諸費用
3,維持費


注文住宅であれば、土地代と建築費用となります。

家を買うときの諸費用ってどんなものがあるの?

購入する家や買い方によっても変わりますが、

・印紙代
・登記費用
・仲介手数料
・住宅ローン諸費用
・火災保険料(一括)
・購入時のリフォーム費
・不動産取得税

などがあります。

じゃあ、家を買ったあとの維持費ってどんなものがあるの?

維持費は、一戸建てかマンションかでも異なります。

・住宅ローン返済
・固定資産税
・火災保険料(更新)
・メンテナンス・リフォーム費用

また、マンションであれば、

・管理費
・修繕積立金
・駐車場代(車保有)

が必要となります。

一戸建てはマンションと異なり、管理費や修繕積立金は不要です。
一方で、屋根、外壁、給排水管などのメンテナンス費用は計画的に積立てる必要があります。

やっぱり、家を買うとなると、買うときも買ったあともお金がかかりそう…。

では、賃貸の場合の住宅コストってどんなものが必要?

賃貸の住宅コストとしては、

・家賃や管理費
・更新料

また、途中住み替えるとなると、

・引越し費用
・敷金礼金(関東)や保証金(関西)
・仲介手数料
・火災保険料
・鍵の交換費用

などが初期費用でかかります。

賃貸でも、結婚や子どもの誕生、成長、独立などで住み替えが必要な場合もあるよね…

で、結局、持ち家と賃貸だと住宅コストはどちらがかかるの?

地域によって、購入する場合の相場、賃貸する場合の違いもありますので、一概に比較することは難しいです。

ただ、あくまで1つの例ではありますが、
35歳から85歳までの50年間の住宅コスト
一戸建て購入、マンション購入、賃貸で
比較してみました。

事例

【年齢】35歳(4人家族)
【年収】650万円

賃貸の場合
【家賃】10万円/月(35~70歳)
    6万円/月(71歳~85歳)
    ※引越し1回想定

同じ家賃程度の住宅ローン返済で購入するとして設定。

持ち家の場合
【物件価格】3,500万円
【住宅ローン】3,200万円(頭金300万円)
  ※返済期間:35年
   (65歳で繰上げ完済想定)
 ※金利:1%(元利均等返済)

35歳購入から85歳までの住宅コスト

一戸建て購入とマンション購入、賃貸の場合それぞれの住宅コストは次の通りです。

中古戸建て購入の場合

  • 頭金:300万円
  • 購入時諸費用:200万円
  • 住宅ローン総返済額:3780万円(概算)
  • 住宅ローン控除:▲200万円(概算)
  • 固定資産税:500万円(10万円/年×50年)
  • 火災保険:125万円(50年分)
  • メンテナンス・リフォーム:780万円
50年間の住宅コスト
5,485万円

※固定資産税は50年間平均10万円/年で試算
※火災保険料は25万円/10年平均で試算

【関連記事】
戸建て住宅の維持費っていくらかかる?~家を買ってから後悔しないために~

中古マンション購入の場合

  • 頭金:300万円
  • 購入時諸費用:200万円
  • 住宅ローン総返済額:3780万円(概算)
  • 住宅ローン控除:▲200万円(概算)
  • 管理費:616万円
  • 修繕積立金:909万円
  • 固定資産税:500万円(10万円/年×50年)
  • 火災保険:75万円(50年分)
  • メンテナンス・リフォーム:300万円
50年間の住宅コスト
6,480万円

※管理費:専有面積75㎡×137円/㎡
※修繕積立金:専有面積75㎡×202円/㎡
※火災保険料は15万円/10年で試算

【関連記事】
中古マンション購入前に確認~管理費と修繕積立金は適正?相場は?

賃貸の住宅コスト

  • 家賃①(35~70歳):4,200万円
  • 家賃②(71~85歳):1,080万円
  • 更新料:0円
  • 引越しにかかる費用:100万円

※更新料はなしとしました
※賃貸の火災保険料は考慮しませんでした

50年間の住宅コスト(35~85歳)
5,380万円
住宅コスト
購入(一戸建て)5,485万円
購入(マンション)6,480万円
賃貸5,380万円

この事例の場合、
一戸建てを購入と賃貸の住宅コストが、ほぼ同じになりました。

それに対し、マンション購入の場合、
他の2つと比べ1,000万円程住宅コストは高くなりました。

住宅ローン返済には、団体信用生命保険料が含まれています。
これは、万一の場合、住宅ローンを完済するための保険ですが、賃貸にはない大きな保証が含まれています。

持ち家の資産価値

ん~、やっぱり持ち家の方がお金かかりそう…

住宅コストで見た場合、そのように見えるかもしれません。

ただ、コストという意味ではこれだけではありません。

持ち家と賃貸の一番大きな違いは何かわかりますか?

なんだろう?

それは、

「資産」と「資産でない」

という違いです。

持ち家には、住環境という利用価値以外に資産価値があります。

資産価値は、家を

・売却したり、
・賃貸して家賃収入を得たり
・担保にお金を借りたり


といった場面で経済的価値として表れます。

相続財産として評価される場合もあります

出口が購入から何年後に訪れるかは、
1人人のライフプランにもよります。

ただ、先程の例で、もし購入から30年後、家を売却するとなった場合、
売却価格は住宅コストに大きく影響します。

仮に、3,500万円で購入した家が、30年後1,000万円で売れた場合、賃貸との住宅コストの差はそれだけ少なくなります。

例えると、賃貸が掛け捨ての保険、持ち家は貯蓄型の保険といった感じでしょうか。

さっきの住宅コストの比較だけでなく、

売却した際の売却収入や
賃貸したときの家賃収入

として考える必要があるということかな

そうです。
もちろん、物件によって資産価値は異なります。
なかには、資産価値どころか負債となる家もあります。

ただ、購入した家を、売却したり賃貸するといった場合、
それは住宅コストとして考える必要があるということです。

【関連記事】
「資産と負債」、家計のバランスシートからみた住宅購入

不動産購入仲介

購入と賃貸
住環境の違い

次に、持ち家か賃貸かを考える上で、
住環境の違いについても考えてみたいと思います。

賃貸と持ち家だとそんなに住環境って違うもの?

一概には言えませんが、

・広さや住みやすさ
・住宅性能(断熱や換気など)
・設備や仕様
・セキュリティー


といった面で、一般的には、
賃貸より購入の方が高いと思われます。

また、住環境を使用、活用する自由度という点でも、賃貸より持ち家の方が高くなります。

持ち家の場合、リフォームやリノベーション、一戸建てであれば、自由に増改築や建て替えまで可能ですし、住宅以外に事務所や作業場などの用途で利用することもできます。

その点、マンションの場合は、管理組合の管理規約や使用細則などによって制限されます。

うちも住宅購入を考えたるきっかけで、

・子どもが大きくなって手狭になったこと
・もっといい環境で育てたい
・隣の家に気を使いたくない


っていうのもあるよね。

住環境の良さや自由度といった価値は、
住宅コストのように明確に分かるものではありませんが、それも大きな要素ですね。

購入と賃貸
人生設計・移動の自由度

最後に、持ち家と賃貸を比較する視点として、
人生設計や移動の自由度から考えてみたいと思います。

賃貸だと引越しもしようと思えばいつでもできるし、持ち家より自由度は高いよね

そうですね。
購入した場合、資産を持つことになりますので、それを維持するための負担もあります。

特に、住宅ローン返済中は、

・売却したい
・住み替えしたい
・家を貸したい


といった場合にいろいろな制約やクリアしないといけない問題があります。

住宅ローン返済中に、住み替えなどで家を売らないといけないとなった場合、どういった問題があるの?

住宅ローン返済中の家を売るためには、

・売却できるか
・売却価格はいくらか
・住宅ローンを完済できるか


といった問題があります。

家を売る時点で、
住宅ローン残高より売却収入が多ければ問題なく売却できます。
逆に、住宅ローン残高の方が多ければ、自己資金を準備する必要があったり、売却できないことも起こり得ます。

ということは、さっきの家の資産価値も関係してくるということですね。

そうです。
購入した家の資産性が高い、つまり資産価値が落ちにくい物件であれば、売却もしやすいですし、売却収入もそれだけ多くなります。

つまり、持ち家の場合の人生設計や移動の自由度は、
購入する物件の資産性に大きく左右されるということです。

【関連記事】
住宅購入で後悔したくない・決断できない人はライフプランを作成‼


家を買うリスクを知りたい
 ~ライフプランは家を買うときのセカンド・オピニオン~

まとめ

ここまで、購入か賃貸かを3つの視点で比較しました。

コスト面でのメリットデメリットもありますが、住環境や移動の自由度など、お金では見えない価値もあります。

ただ、長い人生において、住環境に何を求めるか、どれくらいお金をかけるかということで、1人1人正解も変わるのではないかと思います。

参考にして頂ければと思います。

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