投稿日:2016年2月14日 | 最終更新日:2023年10月28日

購入派と賃貸派

やっぱりマイホーム欲しいよね~

いや~、マイホーム買うっていっても、
何千万円も住宅ローン払うんでしょ?
賃貸でよくない?

だけど今、住宅ローンの金利も低いし、
住宅ローン減税など税金も優遇されてるみたいだよ。
毎月の家賃払い続けるよりよくない!?

だけど、固定資産税など維持費もいるし、
のちのちリフォーム費用とかも必要でしょ?

でも人生長いしな~。
ずっと家賃払うのもどうなの…

家を買ったとしても、そこにずーと住めるか分からないんじゃない!?

自分の家だったら、売ったり、貸したりもできるんじゃない!?

でも空き家も増えてるみたいだし…、
ほんとに売れるの?

マイホーム購入派と賃貸派の話は尽きません…

これからの人生…マイホームを持つべきか? 持たざるべきか?

迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、この記事では3つの視点で購入と賃貸を比較しました。

  • お金(住宅コスト)
  • 住環境
  • 人生設計・移動の自由度

賃貸vs購入(住宅コストの違い)

家を買う場合のコストってどんなものがあるの?

持ち家のコストは大きく3つです。

1,物件価格
2,諸費用
3,維持費


注文住宅であれば、物件価格は土地代と建築費用となります。

家を買うときの諸費用ってどんなものがあるの?

分譲住宅や中古住宅を購入する場合であれば、

・印紙代
・登記費用
・仲介手数料
・住宅ローン諸費用
・火災保険料(一括)
・購入時のリフォーム費
・不動産取得税


などがあります。

注文住宅であれば、上記以外に建築確認申請の費用や検査料、つなぎ融資の手数料や利息、地鎮祭などの祭事費用などが諸費用としてかかる場合があります。

じゃあ、家を買ったあとの維持費ってどんなものがあるの?

維持費は、一戸建てかマンションかで異なります。

・住宅ローン返済
・固定資産税
・火災保険料(更新)
・メンテナンス・リフォーム費用


マンションであれば、

・管理費
・修繕積立金
・駐車場代(車保有)


などが必要となります。

一戸建ては、管理費や修繕積立金は不要ですが、屋根や外壁、給排水管などのメンテナンス費用は、計画的に準備する必要があります。

やっぱり、家を買うときも、買ったあともお金がかかりそう…。

じゃあ、賃貸に住み続ける場合、住宅コストってどんなものが必要?

賃貸の住宅コストとしては、

・家賃・管理費
・更新料


また、途中住み替えるとなると、

・引越し費用
・敷金・礼金(関東)

 保証金(関西)
・仲介手数料
・火災保険料
・鍵の交換費用


などが初期費用でかかります。

賃貸でも、結婚や子どもの誕生、成長、独立などで住み替えが必要になるよな…

で、結局、持ち家と賃貸だと住宅コストはどれくらい違うの?

地域によって、購入資金の相場、家賃相場が異なりますので一概に比較することは難しいです。

ただ、一例として、
・家賃10万円
・住宅ローン返済10万円/月として、
35歳~85歳までの50年間の住宅コスト
一戸建て購入、マンション購入、賃貸で比較してみました。

事例

【年齢】35歳(4人家族)
【年収】650万円

賃貸の場合
【家賃】10万円/月(35~70歳)
    6万円/月(71歳~85歳)
    ※引越し1回想定

同じ家賃程度の住宅ローン返済で設定。

持ち家の場合
【物件価格】3,500万円
【住宅ローン】3,200万円(頭金300万円)
  ※返済期間:30年(65歳で完済想定)
  ※金利:1%想定(元利均等返済)

35歳購入から85歳までの住宅コスト

一戸建て購入とマンション購入、賃貸の場合それぞれの住宅コストは次の通りです。

中古戸建て購入の場合

  • 頭金:300万円
  • 購入時諸費用:240万円
  • 住宅ローン総返済額:3700万円(概算)
  • 住宅ローン控除:▲200万円
  • 固定資産税:500万円(10万円/年×50年)
  • 火災保険:125万円(50年分)
  • メンテナンス・リフォーム:780万円
50年間の住宅コスト
5,445万円

※火災保険料は25万円/10年平均で試算

中古マンション購入の場合

  • 頭金:300万円
  • 購入時諸費用:240万円
  • 住宅ローン総返済額:3700万円(概算)
  • 住宅ローン控除:▲200万円
  • 管理費:616万円
  • 修繕積立金:909万円
  • 固定資産税:500万円(10万円/年×50年)
  • 火災保険:75万円(50年分)
  • メンテナンス・リフォーム:300万円
50年間の住宅コスト
6,440万円

※管理費(/月):専有面積75㎡×137円/㎡
※修繕積立金(/月:専有面積75㎡×202円/㎡
※火災保険料は15万円/10年でそれぞれ試算

賃貸の住宅コスト

  • 家賃①(35~70歳):4,200万円
  • 家賃②(71~85歳):1,080万円
  • 更新料:0円
  • 住み替え・引越しにかかる費用:100万円

※家賃の変動、更新料はなしとしました
※賃貸の火災保険料は考慮しませんでした

50年間の住宅コスト
5,380万円
住宅コスト
購入(一戸建て)5,485万円
購入(マンション)6,480万円
賃貸5,380万円
50年間の住宅コスト比較

この事例の場合、
一戸建て購入と賃貸の住宅コストがほぼ同じになりました。

マンション購入の場合、
1,000万円程住宅コストは高くなりました。

家賃と住宅ローンの大きな違いとして、住宅ローン返済には団体信用生命保険料(団信)が含まれている点が挙げられます。
団信は、万一の場合に住宅ローンを完済するための保険ですが、今では、金利上乗せなしで「がん団信」がつくなど特約付団信もあります。

住宅ローン返済には賃貸にはない大きな保証が含まれていると言えます。

持ち家の資産価値

やっぱり持ち家の方がお金かかりそう…

住宅コストで見た場合、そのように見えるかもしれません。
ただ、お金で比較する場合これだけではありません。

持ち家と賃貸の一番大きな違いは何でしょうか?

なんだろう?

それは、「資産」かどうかの違いです。

持ち家には、住環境という利用価値以外に資産価値があります。

資産価値は、家を

・売却したり、
・賃貸して家賃収入を得たり
・担保にしてお金を借りたり


といった場面で経済的価値として表れます。

家を売ることも考えて買った方がいいってこと?

売却など購入した不動産の出口が何年で訪れるかは、1人1人違います。
終の棲家として考える方もいるでしょう。

ただ、もし購入から30年後、家を売却する場合、売却収入は住宅コストに大きく影響します。

さっきの住宅コストの比較だけでなく、

売却した際の売却収入や
賃貸したときの家賃収入

も含めて比較、考える必要があるということかな…

そうです。
もちろん、物件によって資産価値は異なります。
なかには、資産どころか負債となる家もあるでしょう。

ただ、今は家を資産として考え、投資的な発想で購入する人も少なくありません。
将来の売却まで視野に入れて家を買う場合、それは家計のバランシートにも住宅コストにも反映されるます。

賃貸vs購入(住環境の違い)

次に、持ち家か賃貸かを「住環境の違い」についても考えてみたいと思います。

賃貸と持ち家だとそんなに住環境って違うもの?

一概には言えませんが、

・広さや住みやすさ
・住宅性能(断熱や換気など)
・設備や仕様
・セキュリティー


といった面で、一般的に賃貸より購入の方が高くなります。

やはり、マンションでも分譲用に作られた物件と投資のための賃貸用の物件では、当然設備や仕様は異なります。

また、住環境を使用する自由度という点でも、賃貸より持ち家が当然高くなります。

持ち家の場合、リフォームやリノベーションもできますし、ペットなども飼うことができます。

一戸建てであれば、自由に増改築や建て替えまで可能ですし、事務所や作業場などの用途で利用することもできます。

使用の自由度という点では、マンションは、管理組合の管理規約などで制限されます。

うちも住宅購入を考えたるきっかけで、

・子どもが成長して手狭になったこと
・もっといい環境で子育てしたい
・隣の住戸など気を使いたくない


っていうのもあるよね。

住環境の良さや自由度といった価値は、住宅コストのように数字に分かるものではありませんが、人生における住宅資金の使い方を考えた場合、大きな判断要素となります。

賃貸vs購入(人生設計・移動の自由度の違い)

最後に、持ち家と賃貸を人生設計や移動の自由度から考えてみたいと思います。

賃貸だと引越ししようと思えばいつでもできるし、仕事や環境の変化にも対応しやすそうだけど、持ち家はどうなの?

そうですね。
購入の場合、資産を持つことでもありますので、それを維持するための負担や制約もあります。

特に、住宅ローン返済中は、

・売却したい
・住み替えたい
・家を貸したい


となっても制約やクリアしないといけない問題があります。

住宅ローン返済中に、住み替えや売りたいとなった場合、どういった問題があるの?

住宅ローン返済中の家を売るためには「売却収入で住宅ローンを完済できるか」という問題があります。

つまり、家を売る時点で、住宅ローン残高より売却収入が多ければ問題なく売却できます。
逆に、売却収入で住宅ローンを完済できなければ、資金を準備する必要があったり、売却できないことも起こり得ます。

ということは、家の資産価値も関係してくるんだね。

そうです。
購入した家の資産性が高い、つまり資産価値が落ちにくい物件であれば、売却もしやすいですし、売却収入もそれだけ多くなります

つまり、持ち家の場合の人生設計や移動の自由度は、購入する物件の資産性にも左右されるということです。

住宅コストだけでなく、家の資産性って大事だね。

まとめ

購入か賃貸かを3つの視点で比較しました。

コスト面での違いもありますが、住環境や移動の自由度など、お金では見えない価値もあります。

長い人生において、住環境に何を求めるか、どれくらいお金をかけるか、1人1人正解も変わると思います。

参考にして頂ければと思います。

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