これからの都市計画「市街化区域」から「居住誘導地域」

日本では都市化を促進する地域とそうでない地域を、都市計画法という法律で定めています。

  • 市街化を優先的かつ計画的に図る区域を「市街化区域」
  • 市街化を抑制する地域を「市街化調整区域」

で区別しており、住宅が建てられるのは、基本的に市街化区域だけです。

この都市計画法という法律ができたのは、昭和43年なので今から47年前です。

なぜこんなことを話すかというと、これから、私たちが家を建てる場所、住む場所について、
市街化区域という指定だけでなく、異なる区域の指定がなされるかもしれないからです。

以前、「空き家問題とそのリスク、住宅購入時に考えるべきこと」

でも書きましたが、国は「コンパクトシティ」という取組をすすめています。

「コンパクトシティ」とは、簡単に言うと、今後、日本が人口減・高齢化社会が進展する中、
行政コスト削減のため住宅や生活拠点を集約化していこうという試みです。

それによって、道路や下水道、公共住宅、港湾、空港など、いわゆる社会資本の維持管理費や更新費用、新設費などの行政コストを抑制・削減しようとするものです。

 

各自治体における立地適正化計画

そういったなかで、都市再生特別措置法という法律が一部改正され(平成26年8月施行)各自治体で「立地適正化計画」が動いています。

「立地適正化計画」とは、行政(自治体)が住民や民間の事業者等の意見を聞きながら、
医療や福祉施設、商業施設や住居などがまとまって立地し、高齢者をはじめとする住民が
公共交通によりこれらの施設にアクセスできるよう都市全体の構造を見直そうとする取組です。

大阪府箕面市などは、積極的にこの計画を進めています。

立地適正化計画では、これまでの市街化区域内に、

「居住誘導区域」と「それ以外の区域」に指定される区域

が指定されます。


「居住誘導区域」とは、
居住を誘導し人口密度を維持するエリアとして設定される区域です。

箕面市の計画でいうとこのような感じです。

※箕面市HP:立地適正化計画(素案)より引用

 

さらに、「居住誘導区域」の中に「都市機能誘導区域」という区域が設定され、
病院や学校、大型ショッピングセンターなど住民の福祉や生活利便性を図るための施設が設定されるという計画になっています。

都市機能誘導区域

 

※箕面市HP:立地適正化計画(素案)より引用

平成27年12月末時点で、立地適正化計画の作成を具体的に取り組む自治体は日本全国220あります(国交省)

兵庫県でいうと、神戸市、西宮市、尼崎市、姫路市などです。

生活利便性にも資産価値にも関係してくる

なにが言いたいのかというと、住宅を購入する場所を決めるにあたって…

・交通機関・生活の利便性や安全性
・それまでに住み慣れている場所の近辺
・自分の親や家族が近くいる場所
・自然が多い、景色や景観がいい場所

など、いろいろな考え方やご家族の事情があると思います。

ただ、こういった立地適正化計画が進んで、
「居住誘導区域」や「都市機能誘導区域」が指定されるということは、将来的にその街の生活利便性に大きな影響を与えます。

また、今後人口が減社していく社会の中で、自治体が人口密度を維持していく区域を指定する、ということは不動産の資産価値にも大きく影響するでしょう。

住宅を購入して、15年、20年後にその家を売りたい、貸したいと考えたときに、その場所に新たに住む人はいない…という状況もありえます。

そうなると、その住宅の資産価値はほとんどないということを意味します。

現在の都市計画法が出来て50年近く、その間、戦後高度成長期からバブル崩壊を経験し、その後、日本の人口減・高齢化社会という社会状況に大きく変わったことを考えると、
現在の都市計画も変わらなければならないのもある意味当然かもしれません。

住宅を購入するとき、仲介会社や住宅会社の担当者の方は、役所や法務局などでその土地・場所に適用される法律や自治体の条例など、
物件の情報を確認しているはずです。

ただ、近い将来…「居住誘導区域」や「都市機能誘導区域」などの情報についても確認することが必要かもしれません。

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