毎月の更新のタイミングに合わせ、住宅ローンのおすすめランキングを掲載するサイトは少なくありません。
見やすく、人にも伝えやすいランキング形式は、何かと人気があります。
ただ、住宅ローンはなかなか奥が深く、表面上の金利だけで判断できないこともあります。
住宅ローンランキングサイトをみるときに注意すべき点を以下6つ挙げてみました。
住宅ローンランキングサイトの注意点

そもそも金利差が少ない
ランキングにもっとも大きな影響を与えるのは金利水準です。
金利は低いにこしたことはありませんし、数字だとより見やすくなりますので当然です。
ただ、
そもそも今の時代、
金利差がどれくらい意味があるの?
という視点も大切です。
例えば、
2022年4月金利の変動金利を低い順に並べると、
- みずほ銀行:0.375%
- ジャパンネット銀行:0.38%
- auじぶん銀行(キャンペーン):0.389%
- 住信SBIネット銀行(リアル):0.39%
となっています。
金利差を毎月に直すと?
住宅ローンを決めるとき、いくつの商品を検討するかは人それぞれですが、金利水準が低い、この4つの商品を比較した場合、みずほ銀行と住信SBIネット銀行の金利差は、
0.015%。
例えば、3,500万円借入した場合、
毎月の返済額でどれくらいの差かというと、
・みずほ銀行:88,934円/月
・住信SBI(リアル):89,163円/月
その差229円/月。
年間2,748円
差があることは間違いないですが…、
これくらいの金利差だと、
団信や諸費用、利用条件やその他特典、繰上げ返済手数料など、他の部分で判断する方が良い場合も多いのではないでしょうか。
最優遇金利で借りれない場合がある
ランキング形式の金利は、最優遇金利で表示されています。
ただ、住宅ローンで最終的に適用される金利は、市中銀行を中心に審査結果によって変わる金融機関があります。
つまり、借入する人の属性や購入する物件の担保価値などで、最優遇金利より高い金利での借入となってしまう方がいるということです。
一方、例えばauじぶん銀行などは、審査結果で適用金利が変わることなく、借入ができるか否かの判断をします。
前者の場合、ランキングに掲載されている金利が適用されるかは、審査してみないと分からないということです。
auじぶん銀行のように、auの携帯と電気をセットで契約することで適用される金利(au金利優遇割)などもあります。(2022年4月時点)
携帯電話で0.07%、電気で0.03%、合わせて0.1%の金利優遇が受けれますが、月々に直すといくらか?他社携帯や電気と比べてどちらがお得か?という視点が必要です。
自己資金で金利が変わる
審査基準が厳しく借入自体できない
住宅ローンランキングの金利が適用されるために、一定の自己資金が必要という場合があります。
フラット35は、融資率9割以下か超えかで金利は異なりますし、ソニー銀行のように、自己資金10%以上(借入金額が購入物件価格や建築請負金額の90%以内)が必要という金融機関もあります。
つまり、そもそも一定額以上の自己資金の準備が難しい場合、そういった金融機関は対象から外れる場合もあります。
また、住宅ローン審査に融資率という項目があります。
融資率は、
物件価格に対する借入金額の割合をいいます
自己資金が少ないと融資率が高くなり、審査的には不利な方向になりますので、最優遇金利が適用されない、必要資金全部の借入ができない場合もあります。
審査基準が厳しく借入自体難しい
総じて、金利が低いネット銀行は住宅ローン審査が厳しい傾向にあります。
ですので、借入する人の属性によっては、そもそも借入が難しいといったこともあります。
審査項目は、収入や年齢、勤め先、勤続年数、企業規模、完済年齢、物件の担保価値など多岐に渡ります。
もし、審査的な属性があまり高くない場合、そもそも審査基準の厳しいネット銀行等での借入が難しいという場合もあります。
頑張っている地方銀行もある
住宅ローンでは、変動金利、全期間固定、固定機関選択型といった金利タイプがあります。
その中で、すべての金利タイプて強いという金融機関はほとんとありません。
変動は強いが、固定はそうでもないとったことが普通です。
この点、地方銀行の住宅ローンで、特に10年を超える固定金利タイプで団信の内容含め、力を入れ頑張っている金融機関もあります。
ただ、こういった金融機関は、全国対象のランキングにはのってこないことが殆どです。
家を買うときの住宅会社や不動産会社は、提携ローン以外の住宅ローンを積極的に薦めることは多くありません。
ただ、あまり目にしない住宅ローンでも、ベストな場合もあります。
金利より総額で考える必要がある
前述のように、金利差が少ない現状では、金利水準も大切ですが、最終的には諸費用含めた総返済額で考える必要があります。
例えば、借入時点では、返済負担率などの関係で返済期間を35年としても、実際に35年で完済する人ばかりではありません。
・途中繰上げ返済をこつこつ頑張ったり、
・まとまった資金で一括繰上げ完済をしたり、
15年~30年の期間で完済する人、なかには住宅ローン控除(10年や13年)が終了時点で完済という方もいらっしゃいます。
住宅ローン事務手数料型と保証料型
この点、住宅ローン諸費用として、融資事務手数料型と保証料型があります。
両方取扱いのある金融機関では、適用金利も違ったりします。
融資事務手数料は、途中繰上げ完済しても、戻りはありません。
一方、保証料は、繰上げ完済した期間によって、保証料の戻りがあります。
ランキングだけでは、そこまでの判断は難しいですが、返済計画によっては、諸費用を含めた判断がより大切になる場合があります。
返済計画によっては、金利上昇リスクなど踏まえ、金利タイプからしっかりと検討することが必要です。

まとめ
住宅ローン比較、ランキングサイトの注意点
- そもそも金利差が少ない
- 最優遇金利で借りれない場合がある
- 自己資金で金利が変わる
審査基準が厳しく借入自体難しい - 頑張っている地方銀行もある
- 金利より総額で考える必要がある
住宅ローンを比較する際に、ランキング形式でおすすめするサイトを利用するのは悪くないと思います。
ただ、表面上の金利だけで判断、審査をすすめていくと後悔するかもしれません。
よろしければ参考にしてみてください。

