投稿日:2015年12月17日 | 最終更新日:2023年6月15日
京都で7億円~マンションが即日完売
京都の7億円を超える新築マンションが販売され即日完売されたことがちょっとした話題になりました。
過去西日本で販売された新築マンションで一最も高いそうです。
「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」という物件です
マンションの立地
このマンションですが、
- 鴨川のほとり
- 大文字を正面に望める
- 京都御所の東
という好立地です。
京都市の鴨川河川敷に面する物件は、実に2001年以来11年ぶりの分譲だそうで、第1期分譲戸数26戸の平均倍率は1.69倍だったそうです。
マンションは戸建て以上に立地が重要と言われますが、この物件の場合、希少価値も加わって7億でも売れる物件は売れるんですね。
物件の設備・仕様
このマンションの設備や仕様をホームページで見ると、
- 間取り287㎡(3LDK)
- 外壁はオーダーメイドタイル
- 24時間有人管理・セキュリティ対応
- コンシェルジュ(英語可)
- 5,000㎡超えの敷地内は小径や内庭だけでなくラウンジなど
- エントランスにしだれ桜を配置
- 車寄せ(ロータリー)のエントランス
といった高級感あふれる仕様です。
概算で㎡単価は250万円/㎡くらいになります。
一般的な専有面積75㎡のマンションでも、
1億8,000万円くらいになりますね。
即日完売もさることながら、
この7億円を超える価格設定は、どのように決まるんでしょうか?
3,000万円のマンションでも7億のマンションでも価格が決まる根拠はあります。
ただ、これくらいになると、特に一般の方は、
5億でも9億でも良く分からない
といったことが本当ではないでしょうか?
新築マンションの販売価格の決まりかた
一般的に、新築マンションの販売価格は、
マンション販売価格 |
---|
土地仕入れ |
建築費用 |
モデルルーム費用 |
広告費用 |
販売にかかる人件費 |
利益 |
こういったものの積み重ねで決まります。
新築プレミアム
つまり、新築マンションの場合、広告宣伝費や販売人件費、モデルルーム費用、利益などが上乗せされて販売価格が決まっているため、実際の物件が持つ市場価値よりも高くなっています。
ですので、新築の場合、これはマンションに限らずですが、
購入した段階で市場価値としては1~2割下がる
と言われます。
これを新築プレミアムなどといいます。
7億のマンションだと、1割下がると7,000万円…恐ろしいです。
物件価格と希少性・ブランド力
このマンションの土地の仕入れコストや建築費用などもかなり高そうです。
ただ、思うに…7億円を超える価格設定ができる理由の1つは…
物件の希少性とブランド力
が大きく影響していると思います。
地域のブランド力
ブランド総合研究所が、47都道府県および1000市町村について、認知度や魅力度、地域イメージ、居住意欲、訪問目的、観光意欲度など、100を超える項目について調査を実施しランキングしています。
「地域ブランド調査2016」でいうと、
順位 | 都道府県 |
1位 | 北海道 |
2位 | 京都府 |
7位 | 大阪府 |
16位 | 兵庫県 |
順位 | 市区町村 |
1位 | 函館市 |
2位 | 京都市 |
9位 | 神戸市 |
34位 | 大阪市 |
いまさらですが「京都」ブランドは全国区ですし、グロバールにブランド化されている都市です。
このマンションは、その京都の中でも、
- 京都御所と鴨川の間に位置し、
- 鴨川に面し、
- 大文字送り火を正面に見れる
という好立地を考えると、
この場所が持つ希少性とブランド価値が販売価格に大きく影響していると考えられます。
購入する人も、そういった希少性、ブランド価値に対してお金を払うのだと思います。
洋服や車で、商品の性能や機能だけでなくブランド価値にお金を払う感じですね。
不動産の希少性とブランド
では、一般的に家を買う場合、このブランド価値にどこまでお金を出すか?
学校区や駅直結マンション
京都の例までの「ブランド力」ではなくても、
地域によって、「学校区」がブランド化している地域もあります。
また、駅ビルや商業施設と直通あるいは一体化して、
マンションそのものがその場所のシンボル的なブランド価値を持つ物件もあります。
マンションデベロッパーや施工会社のブランド
また、マンションを分譲するデベロッパー(会社)についても、
- プラウド(野村不動産)
- パークホームズ(三井不動産)
- ジオ(阪急不動産)
- ブランズ(東急不動産)
など、デベロッパーや物件名称でブランドが確立されています。
さらに、マンションの場合、施工会社の技術力や安全性等信用含めたブランド価値が評価されることがあります。
特に、高層タワーマンションとなると、耐震・制震マンションの施工実績や技術力が評価される場合もあります。
鹿島建設、竹中工務店、大林組、清水建設など大手ゼネコン施工に価値を感じる人もいます。
新築マンション購入で後悔しないために
ただ、こういった希少性やブランドに、それに見合う価値があるかはしっかりと考える必要があります。
未完成で契約するときは特に注意
希少性やブランド価値は、マンションの専有面積や築年数、断熱性能、耐震等級などのように客観的に比較することはできません。
ですが、
- 人気の○○小学校校区
- 多くの教育施設が集まる文教地区
- アカデミックな教育環境
- ○○川の近く、自然環境も豊富な…
- ○○建設施工
など、新築マンション販売会社は、物件のブランド性を意識した広告や販売活動をします。
販売物件のHPでは、イメージ画像や動画、現地写真等で、その場所での優雅な暮らし!?が演出されています。
ただ、新築マンションの場合、完成前、モデルルームだけで購入判断することも珍しくありません。
販売価格は高め!?
希少性が高い、ブランド化された地域の物件は、販売価格も高めに設定されています。
売主も強気です。
特に、新築の場合、利益率や原価といった購入者から分からないところで価格設定がされています。
購入する物件の希少性やブランド性に必要性や価値を感じるのであれば、そこに通常より高い費用をかけても意味はあります。
ブランド性≒安心感(信頼性)
と考える人も少なくないでしょう。
ただ、家を購入するとき、それでなくても新しい生活への期待感や高揚感で聞き心地の良い言葉やイメージに反応しがちです。
そういった状況で、本当に必要性や価値を感じないにも関わらず、何となく良さそう、ステータス感が得られるといった理由だけで判断することは避けた方が良いです。
あとあと何でこんな高いマンション買ったの?
と後悔するかもしれません。
ちなみにマンション傾斜問題、データ偽装マンションの中にも、最大手のマンションデベロッパーもあります。