マイホームで「衝動買い」!?
人が物を買うに至るまでの心理に
「購買心理の7段階」があります。
(1)注意⇒購入する人の注意を引く
(2)興味⇒商品に興味をもつ
(3)連想⇒実際に使用している姿を連想する
(4)欲望⇒商品を使うことで満たせる欲求
(5)比較⇒他の商品と比較し、お得感を確かめる
(6)確信⇒この商品で間違いないという確信
(7)決断⇒購入を決断
衝動買いの購買プロセス
よく「衝動買いしてしまった~」と後悔することがあります。
「衝動買い」を購買心理のプロセスでいうと、
(3)連想して
(4)要望が生じた
あとの
(5)比較
(6)確信
が不十分のまま……
(7)決断
というプロセスをたどるようです。
その点、マイホームは人生で1度あるかないかの大きな買い物です。
まさか…、衝動買いする人は普通いません。
じっくり「比較」しながら、
これで間違いないと「確信」の上、
「決断」されているはずです。
しかし、住宅といえども、気をつけないと、
結果的に「衝動買い」となる可能性があります。
なぜなら、住宅は
他のどんな商品より「比較」が難しい
商品だからです。
住宅購入で比較が難しい理由
住宅購入で比較が難しい理由は以下のとおりです。
- 個別性が強い商品
- 金融情勢・地域的要素で変わる
- 売主がばらばら
- 買主の収入や家族構成もさまざま
- 長期の視点で考える必要がある
不動産は全部違う

不動産は、
- 土地建物
- 周辺環境
- 築年数・状態
- 性能
など1つ1つ全部違う個別性強い商品です。
ですので、比較する基準があいまいで分かりにくく、物件同士の比較も難しくなります。
相場も分かりにくい
本来の価値よりも高い値段で買ってしまうことを高値つかみといいます。
不動産は高値つかみしやすい商品でもあり、
それによって100万、200万と変わる、
ある意味恐ろしい買い物です。
もちろん、
ある程度相場(取引価格)を知ることはできます。
ただ、実際には、不動産の価格は売主の言い値であり、査定する会社によって違います。
その不動産の適正な価格はいくらか?
それを知ることは、実はプロでも難しかったりします。
金融情勢や地域的要素で変わる
不動産の価格は、経済状況や金利動向の影響を受けます。
また、地域や場所によって物件の相場も価格も違います。
金融緩和もあり低金利状況のもと、不動産価格はここ数年上昇しています。
また、新駅や駅前の再開発などでも不動産の価格は変動します。
売主がばらばら
不動産の売主は、マンションデベロッパー、住宅会社、個人とさまざまです。
業者が売主の新築やリノベーション物件には、
当然価格に販売経費や利益が含まれます。
売主が個人の場合、相場に合わせた査定価格から
売出価格が決まることが多いです。
また、売主が不動産業者か個人かで、
- 住宅ローン減税
- 保証
- 不動産取引で適用される法律
なども違います。
買主の事情もばらばら

売主だけでなく買主の状況もさまざまです。
- 世帯収入
- 家族構成
- 購入時の年齢
- 購入後のライフプラン
こういったことで、
予算や資金計画、選ぶ物件も変わります。
長期の視点で考える必要がある

家は購入して終わりではありません。
購入後、住宅ローン返済も含め、維持管理していく資産です。
- 教育資金や老後資金を踏まえた資金計画
- 長期の視点で考えた住宅ローン、返済計画
で考える必要があります。
マイホーム購入で後悔しないために

マイホームの購入で後悔しないためには、
比較するより自分に合う予算や物件選びである
ことが何よりも重要です。
1,お金のこと
2,物件選び・家づくりのこと
3,ライフプランのこと
これら3つの視点で自分に合うかどうかを検討することで、
この家で間違いないという「確信」が生まれてきます。
家を買うときにまずやるべきこと
そして、家をかうときにまずやすべきことは、
物件を見る前に予算や資金計画を検討すること
です。
不動産は、先の購買心理でいうところの、
(2)興味
(3)連想
(4)欲望
が他の商品以上に強い商品です。
気に入った物件を見て、そこで生活するイメージを連想させる強い力を持っています。
住宅展示場やモデルハウスはそういった力を最大限に利用して営業する場所です。


その家を買う理由、買える根拠探しをする
物件を見て気に入ってから予算や資金計画を検討すると、
『買う』ための理由、『買える』理由を探しがち
になってしまいます。
周りから情報やアドバイスも、
『買える』『買うため』の根拠ばかりに耳を傾けがちになったりします。
住宅以外でもそうですが、
本当にその商品が欲しい、買いたいと思った場合、
そのときの自分の置かれた状況の中から、
多少無理をしてでも、
・買う「理由」や「必要性」
・買える「方法」
を優先して探しがちです。
最終的には、
ちょっと高いかなあと思いながらも、そこからの多少の値引き提案があったりすると、
「よし買おう!!」と決める………
住宅ローン借入可能額と住宅ローン返済可能額は違う
住宅会社や不動産会社で先に物件を見に行くと、住宅ローンの審査をすすめられます。
それ自体は間違いではありません。
ただ、住宅ローンの事前審査で分かるのは、
・金融機関が融資してもよい金額
・住宅会社や不動産会社が販売できる目安
です。
それは、必ずしも無理なく返済できる金額とは限りません。
住宅ローン金利や団信など比較できない
また、物件を決めて資金計画や住宅ローンを考えると、当初考えていた予算より多少高いとなっても、どうやったら住宅ローンを支払っていけるか、
つまり「返済できる方法」を探しがちになります。
その結果、
月々の返済額を落とすために、金利の低い変動金利や固定期間の短い住宅ローンを薦められるままに選んだり、
借入期間が長くなり、完済年齢が高くなったりします。
変動金利を選ぶことが間違っているわけではありません。
ただ、、住宅ローンや返済プランは、
- 金利
- 諸費用(事務手数料や保証料)
- 団信(特約含め)
- 金融機関
色々な商品の中から「比較」しながら、
1人1人の家計にあったものを選ぶべきものです。
とりあえず、返済できそうな毎月の返済額で決めるのは本末転倒です。

まとめ
実際に口コミサイトなど見て頂ければ分かるように、家を買ったあと後悔や失敗を感じている人はいらっしゃいます。
恐らく、100点満点の住宅購入は難しい方がほとんどだと思います。
・決めた予算の範囲で
・物件選び、家づくりを行い
・返済方法を検討する
この中で何かを妥協しなければならないこともあるはずです。
ただ、マイホームは他の商品以上に気に入った物件があると、欲しいと思わせる力があります。
また人は、今のことは考えられても、先のことを考えるのは苦手ですし簡単ではありません。
ですので、マイホーム購入で後悔しないためにも、
家探しや物件選び、住宅展示場に行く前に、
予算や資金計画などお金のことをしっかりと検討してください。
家を衝動買いする人はいませんが、結果的に衝動買いにならないようにしてください。
