悩ましい住宅ローン選び

変動金利でいきたいが、将来の金利上昇も気になる…

固定金利でいいと思ってたが、金利上がりそうにないしな…

金利が将来どうなるか?

予測は自由ですが、誰にも分かりません。

住宅ローン選びで悩んだ際、1つの方法として「ミックスローン」があります。

この記事では、ミックスローンのメリット・デメリット、効果についてまとめましたので、住宅ローン選びで悩まれる方の参考にして頂けるはずです。

ミックスローンとは?

住宅ローン商品の金利タイプは、大きく次の3つのわけることができます。

  • 変動金利
  • 固定期間選択型
  • 全期間固定金利

固定期間選択型は、当初何年間かの金利を固定して、固定期間終了後は変動金利になるか、再度期間選択型の商品を選ぶ金利タイプです

ミックスローンは、これらの金利タイプをミックスする住宅ローンです。

例えば、住宅ローン借入金額の3,600万円を、

・変動金利(1,800万円)
・全期間固定(1,800万円)

ミックスローン

・変動金利(2,400万円)
・当初固定期間20年の期間選択型(1,200万円)

ミックスローン

でミックスするなど、金利タイプや借入金額の割り振りを設定することができます。

つまり、ミックスローンは、1人の契約者が金利タイプの違う複数の住宅ローン契約をすることになります。

ミックスローンのメリット・デメリット

このようなミックスローンですが、
メリット・デメリットそれぞれあります。

メリット

金利上昇リスクを軽減できる

ミックスローンを積極的に検討される方の多くは、変動金利の低金利に魅力を感じつつも、金利上昇リスクが不安という方です。

全額変動金利タイプで借入するより、借入金額の一部を固定金利タイプにすることで、金利が上昇した場合のリスクを抑えることができます。

【関連記事】変動金利とは?6割の人が選ぶその理由とリスク

総返済額を抑えることができる!?

多少金利が高くても、返済額が見通せ、金利上昇リスクがない固定金利を選ばれる方もいます。

ただ、そういった方でも変動の低金利が捨てきれない、将来金利は上昇するのか疑問という方もいらっしゃいます。

変動金利1本は嫌だが、変動金利の低金利の恩恵を捨てきれないという方ですね。

そういった方は、全額を固定金利にするのではなく、一部を変動金利にすることで総返済額を抑えることができる可能性があります。

金利がいつ何%上昇するかしないかは分かりませんので、結果的に総返済額が少なく済む可能性があるということになります。

返済方法や団信をそれぞれ選べる

ミックスローンは2本の住宅ローンを契約します。

その際、それぞれの住宅ローン商品で、返済期間や返済方法(元利均等・元金均等)、団信特約の内容などを選択することができます。(金融機関によって取り扱いは異なりますので確認が必要)

それぞれの借入金額に応じて選択肢が増えるという意味ではメリットといえます

デメリット

諸費用が増える

複数の住宅ローン商品を契約することになりますので、

  • 住宅ローン事務手数料
  • 登記費用(抵当権設定)
  • 印紙代

こういった費用が増える可能性があります。
これも金融機関によって取り扱いは異なりますので、確認は必要です。

住宅ローンの選び方が難しくなる

ミックスローンでは、通常は、変動金利と固定金利など違う金利タイプを組み合わせます。

ただ、金融機関によって、力を入れている金利タイプは異なります。

つまり、ある金融機関では変動タイプは低金利だが、固定金利、長期固定金利タイプは、金利が他の商品より高いといったことが多くあります。

ミックスローンにする場合、どちらの金利タイプを優先して金融機関を決めるべきかなどで迷いやすくなります。

各金利タイプのメリットも減る!?

ミックスローンは、変動金利の金利上昇リスクを減らすといったメリットがある反面、変動金利がもつメリット、つまり返済額を抑えることができるという本来のメリットも減ることになります。

ミックスローンは、変動金利を選択しつつ金利上昇リスクも減らすという、いいとこどりをしようする分、ある意味中途半端な返済方法とも言えます。

こういったメリット・デメリットをもつミックスローンですが、利用する価値はあるのか?

1つの事例ではありますが、ミックスローンの効果について、シュミレーションしてみました。

ミックスローンをシミュレーション

ミックスローンの効果を以下の条件でシミュレーションしてみます。

【前提条件】

借入金額:3,600万円
返済期間:30年(元利均等返済)
変動金利:0.5%
全期間固定金利:1.3%
返済方法①:全額変動金利
返済方法②:ミックスローン

  (変動・全期間それぞれ1800万円)
返済方法③:全額全期間固定

金利変動パターンごとの総返済額

【金利変動パターン3つ】

・金利上昇なし
・借入から1
0年後に2%の金利上昇
・借入から15年後に2%の金利上昇

で住宅ローン総返済額を比較した表です。

①全額変動金利 
②ミックスローン 
③全額固定金利

金利変動なし10年後に2%上昇15年後に2%上昇
3,8774,4204,180
4,1134,3844,264
4,3494,3494,349
総返済額(万円)※概算額

それぞれの返済方法で完済時の総返済額は表の通りですが、ミックスローンにする効果について検証してみます。

金利上昇時期を10年後からにしたのは、近い将来に金利が上昇することを想定するのであれば、そもそも変動金利を選ぶ理由があまりなくなってしまうためです。

変動からミックスローンにする効果

10年後に2%金利上昇した場合

①全額変動金利:4,420万円
②ミックスローン:4,384万円

10年後に金利が2%上昇した場合、
総返済額はミックスローンが36万円少なくなります

総返済額は少なくなりますが、30年間で36万円の差なので大きな効果があったとは言えません。

15年後に2%金利上昇した場合

15年後に金利が2%上昇した場合、
総返済額はミックスローンの方が84万円多くなります
ミックスローンした効果は全くなく、むしろマイナス効果になってしまいます。

この事例の場合ですが、変動金利からミックスローンにする効果はあまりなく、むしろ返済額が増える可能性もあると言えます。

全額固定金利からミックスローンにする効果

全期間固定金利1本で借入するより、ミックスローンで変動金利のリスクも一部とりながら、総返済額を減らそうとした場合の効果についてです。

10年後に2%金利上昇した場合

②ミックスローン:4,384万円
③全額固定金利:4,349万円

総返済額は、全期間固定1本の方が35万円少なくなりますので、ミックスローンにした意味はありません。

15年後に2%金利上昇した場合

②ミックスローン:4,264万円
③全額固定金利:4,349万円

総返済額は、全期間固定からミックスローンにすることによって85万円少なくなります。

この事例の場合、10年後の早い時期の金利上昇の場合、ミックスローンにすると逆効果になります。ただ、15年前後以降の金利上昇の場合、ミックスローンにした効果は若干出そうな感じです。

今回のシミュレーション結果

あくまでも1つの条件でのシミュレーション結果ではありますが、

・金利上昇リスクを減らすためにミックスローンにする意味は殆どない。
・総返済額を減らすために、全期間からミックスローンにするという意味では、金利上昇の時期によっては、総返済額を減らすことができる

といった感じになります。

シミュレーションの結果は、金利が上昇する時期、上昇幅、ミックスする割合、返済期間などによって結論は変わります。

ですので、自分の条件に合わせてシミュレーションする必要があります。

ミックスローンと住宅ローン控除

ミックスローンで複数の契約に分かれても、それぞれ要件を満たしていれば、住宅ローン控除は利用できます。

ただ、ミックスローンで繰上げ返済をする場合、どの住宅ローン契約分を返済するかを選ぶことができます。

その際、住宅ローン控除の要件の1つに、返済期間が10年以上というものがあります。

ですので、繰上げ返済によって、一方の契約分の返済期間が10年未満になると住宅ローン控除が利用できなくなりますので注意してください。

まとめ

【ミックスローンのメリット】

  • 金利上昇リスクを減らせる
  • 総返済額を減らせる(可能性がある)
  • それぞれ契約ごとに返済方法や団信を選べる

【ミックスローンのデメリット】

  • 諸費用が増える
  • 住宅ローンの選び方が難しくなる
  • 各金利タイプが持つメリットも減る

ミックスローンを検討する理由、効果は、1人1人借入時の条件によって異なります。
ですので、一律にミックスローンの効果について判断することは難しいです。

ただ、今回のシミュレーションでもお分かりのように、ミックスローンは変動金利や全期間固定金利がもつメリットも減少する方法でもあると言えます。

ですので、本当に効果があるのか、うまく活用できるかしっかりと検討する必要があります。

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