変動金利と固定金利の違い

住宅ローンには大きく3つの金利タイプがあります。

  • 変動金利
  • 固定金利期間選択型
  • 全期間固定

変動金利・固定金利を選ぶ人の割合

令和2年度の住宅ローンの利用状況をみると、

金利タイプ
変動金利型63.1%
固定金利期間選択型19.9%
全期間固定金利型4.6%
証券化ローン(フラット)12.4%
令和2年度民間住宅ローンの実態に関する調査(国土交通省)

変動金利が63.1%
・全期間固定が17.0%(フラット含む)


6割以上の方が固定金利ではなく変動金利を選ばれています。

この記事では、変動・固定を決める判断基準についてまとめています。
あなたの住宅ローン選びにきっと役立てて頂けると思います。

住宅ローン変動金利とは

変動金利は、市場金利の動向によって、一般的に半年ごとに適用金利が見直される金利タイプです。

変動金利のメリット

固定金利と比べた場合、金利が低く設定されています。
ですので、契約当初の返済額は少なくなります。

変動金利のデメリット

市場金利が上がると、金利の見直しによって
適用金利が上がる可能性があります。
つまり、完済まで返済額は確定しない金利タイプといえます。

【関連記事】住宅ローン変動金利の仕組み~6割の人が選ぶその理由とリスク~

住宅ローン固定金利とは

固定金利(全期間)は、契約時の金利が完済まで続く金利タイプです。

固定金利のメリット

毎月の返済額が一定で、完済までの総返済額も見通せるので、返済計画が立てやすい。
また、市場金利の動向に左右されない点がメリットといえます。

固定金利のデメリット

変動金利と比べ、設定されている金利が高い
また、市場金利が上昇しない場合、変動より返済額が増える可能性がある。

変動金利・固定金利を決める基準

住宅ローン 変動 固定 どっち

では、変動金利にするか固定金利にするか?
どういった基準で考えるべきなんでしょうか。

以下3つの基準を挙げてみました。

  1. 住宅ローン金利動向の予測
  2. 住宅ローン返済額の違い
  3. とれる金利上昇リスクの違い

住宅ローン金利変動の予測

基準金利の影響をうける変動金利を選ぶかは、
今後の金利動向をどのように考えるかに左右されます。

金利の行方を見通すことは難しく、金利動向に影響する要因は1つではありません。

ただ、一般的に、景気が上向き、物価上昇があれば金利が上昇してもおかしくはありません。

ですので、

○今後、物価・金利上昇すると考える場合
固定金利

○物価上昇は考えにくい
○したとしてもまだまだ先と考える場合
変動金利

を指向する形です。

とはいえ住宅ローン返済は20年、30年続くなか、実際に金利がどのように変動するかは誰にも分かりません。

ですので、住宅ローン金利との付き合い方で判断される方もいらっしゃいます。

住宅ローン金利との付き合い方

住宅ローン返済期間中、

・金利上昇や返済額UPのリスクはとりたくない
・返済額が最後まで分からないのは嫌だ
・経済状況や金利動向について考えたくない


という考え方や性格の方は、
そもそも固定金利を指向される方もいらっしゃいます。

住宅ローン返済額の違い

変動金利と固定金利では、金利が違いますので返済額も違います。
ではどれくらい違うか下記事例で試算しました。

  【事例】
・変動金利:0.475%
・固定金利:1.33%
・返済期間30年
・元利均等返済(ボーナスなし)

 ※変動金利:三菱UFJ・三井住友銀行
 (2021年7月最優遇金利)
 ※固定金利:フラット35
 (融資率9割以下・団信あり)

住宅ローン毎月返済額の差

借入金額
(万円)
変動金利固定金利返済額の差
2,00059,618円67,404円7,786円
3,00089,428円101,106円11,678円
4,000119,237円134,808円15,571円
5,000149,047円168,510円19,463円
借入金額別の毎月返済額の差

借入金額別の変動と固定の毎月の返済額の差このようになります。

ただ、この返済額の違いは、
あくまでも、契約時点での毎月返済額です。
住宅ローン借入からいつまで続くかは分かりません。

そして、この変動金利と固定金利の返済額の差は、
金利が上昇するリスクに対する保険料でもあります。

ですので、変動か固定かを決めるにおいて、
返済額の差が保険料として高いと感じるか、
そうでもないと感じるか、
といったことも1つの基準になり得ます。

住宅ローン総返済額の差

住宅ローンの金利タイプを比べるとき、
毎月の返済額以上に総返済額で考えることが重要です。
上記事例での総返済額の差は以下の通りです。
 ※金額は概算額です

借入金額
(万円)
変動金利固定金利総返済額
の差
2,0002,146
万円
2,426
万円
280万円
3,0003,219
万円
3,639
万円
420万円
4,0004,292
万円
4,853
万円
561万円
5,0005,365
万円
6,066
万円
701万円
借入金額別の総返済額の差

借入金額にもよりますが、総返済額でも差があります。
ただ、この差は返済期間中金利上昇がない前提です。
(繰上げ返済は考慮しておりません)

住宅ローン総返済額を比較する際は、借入時の諸費用や団信特約料も含めての判断が重要です。

住宅ローン返済額シミュレーション

1つの参考ではありますが、金利が上昇した場合

・総返済額にどれくらい影響するか
・固定金利との差はどれくらいになるか

【ケース1】10年後に2%金利上昇
【ケース2】15年後に2%金利上昇


2つのケースで総返済額を比較しました。

【10年後に金利が2%上昇】
借入金額
(万円)
変動金利固定金利総返済額
の差
2,0002,447
万円
2,426
万円
21万円
3,0003,670
万円
3,639
万円
31万円
4,0004,894
万円
4,853
万円
41万円
5,0006,117
万円
6,066
万円
51万円
借入金額別の総返済額の差

変動金利が10年後に2%上昇した場合、
変動金利の方が高くなります。

【15年後に2%上昇した場合】
借入金額
(万円)
変動金利固定金利総返済額
の差
2,0002,313
万円
2,426
万円
280万円
3,0003,470
万円
3,639
万円
420万円
4,0004,627
万円
4,853
万円
561万円
5,0005,784
万円
6,066
万円
701万円
借入金額別の総返済額の差

15年後に2%の金利上昇があった場合でも、変動金利より固定金利の方が総返済額は多くなります。

この場合でいうと、
10年以内に2%程度の金利上昇があってもおかしくない
と考えるのであれば、固定金利や他の選択肢も考えていく形になります。

こういったシミュレーションは、借入金額だけでなく、その時の金利水準、返済期間などによって変わります。
その時の状況に応じたシミュレーションをして確認して下さい。

金利が上昇した場合のリスクの大きさ

変動金利か固定金利かを判断する3つ目の基準は、
金利上昇のリスクをどれくらいとれるかです。

資金がある・返済負担率が低い

  • 金利が上昇した場合、繰上げ返済資金がある
  • 近い将来、まとまった資金ができそう
  • 金利が上昇しても問題なく返済できる
  • 収入に対して借入金額が少ない

金利上昇リスクがよりとれる方

こういった方は、
仮に金利上昇しても問題がない、影響が少ない方ですので変動金利で問題ありません。

資金がない・返済負担率が高い

  • 金利上昇しても繰上げ返済資金はない
  • 金利が上昇すると家計への影響が大きい
  • 収入に対して借入金額が多い

金利上昇リスクをあまりとれない方

こういった方は、
変動金利の金利上昇リスクをしっかりと見極めたうえで判断が必要です。

返済負担率とは、
年収に対して、住宅ローンの年間返済額が占める割合です。

変動金利と固定金利で決められない

変動金利・固定金利のメリット・デメリットを踏まえた上で、それでも決められない場合の選択肢としていくつかあります。

固定期間選択型の商品

借入から一定の期間の金利を固定する商品です。
固定期間終了後は、変動金利になるか、再度固定期間を選択することができます。

ただ、この金利タイプは、
固定する期間によって商品の特徴が変わります
ですので、変動か固定か決められないから選ぶといった単純なものではありません。

【関連記事】住宅ローン10年固定金利の正体!~固定期間終了後はどうなる?~

ミックスローン・ぺアローン

ミックスローンとは、
変動金利、固定金利、期間選択型の金利タイプを、組み合わせて住宅ローンを借入する方法です。

4,000万円の借入金額に対して、
2,000万円を変動金利、残り2,000万円を固定金利
といった形です。

同様に、ぺアローンで借入する場合も同様の効果を得ることができます。

ぺアローンとは、
夫婦など2人で1つの不動産に対して2本の住宅ローンを契約する方法です。

ミックスローンは、住宅ローン契約者1人に対して、ぺアローンは2人という違いがあります。

ぺアローンは2本の契約ですので、一方を変動金利、もう一方を固定金利と分けることができます。

変動と固定それぞれの良いとこどりをするイメージですが、反面、メリットもデメリットも少なくなります。

【関連記事】ミックスローンってどうなの?その効果をシミュレーションしてみた

【関連記事】ペアローンと収入合算(連帯債務と連帯保証)とは?団信や住宅ローン控除での違いは?

まとめ

変動金利と固定金利を考える基準

・金利動向の考え方
・金利との付き合い方
・住宅ローン返済額の違い
・固定金利の保険効果
・金利上昇リスクの大きさ

変動金利と固定金利で決められない場合

・固定期間選択型住宅ローン
・ミックスローン
・ぺアローン

あなたの住宅ローン選びの参考にしてみてください。

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