中古マンション購入の流れ(全体像)

中古マンション購入の流れ(全体)
中古マンション購入流れ

不動産の購入手続きについて、よく分からないという方は多いです。

実際の手続きでは、購入申込、つまり購入物件を決めた以降は思わぬスピードで手続きが進んでいくこともあります。

そして、のちのちの後悔をしないためには、購入物件を決めるまでのステップが特に重要です。

この記事では、手続きの説明と各ステップで購入者として注意すべき点についてまとめてみました。

特に、中古マンションで一番多い個人売主(=業者売主のリフォーム・リノベーション物件ではない)の中古マンション購入の流れを前提とします。

資金計画・購入計画

資金計画について

中古マンションを購入する場合、最初にすべきことは資金計画を決めることです。

資金計画とは、

予算(住宅購入にかける金額)を決めること
返済計画(自己資金、住宅ローン借入)を決めること

といえます。

予算を考える上で、中古マンション購入にかかる費用は、

物件価格以外に諸費用、物件によってリフォーム費用が必要です。

最終的には、資金計画は、

必要資金(物件価格+諸費用+リフォーム費用)
に対する
準備資金(自己資金、住宅ローン借入金額)
として、1円単位まで作成しますが、最初の段階では概算の資金計画を把握しておく必要があります。

諸費用

  • 仲介手数料
  • 住宅ローン事務手数料・保証料
  • 登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
  • 印紙税(売買契約・住宅ローン契約)
  • 火災保険料(一括払いの場合)
  • 管理費・修繕積立金の清算金
  • 固定資産税・都市計画税清算金
  • 不動産取得税

諸費用については、概ね物件価格の6%~10%かかると考えておきましょう。

ただし、資金計画に表れてこない費用、例えば、引っ越しや家具、カーテン、ハウスクリーニングなども頭に入れておく必要があります。

リフォーム費用

リフォーム費用については、その調達方法して、

・現金
・リフォーム一体型ローン
 (住宅ローンと一緒に借入)
・リフォームローン(金利が高い)

があります。

中古マンション購入においては、リフォーム費用を念頭においた資金計画を考える必要があります。

購入計画について

購入計画は、どこにどんなマンションを購入するか決めることです。

物件探しについて、予算がある以上、希望するすべての条件を満たすことは難しい場合も多いです。

ですので、優先する条件をしっかりと決めておく必要があります。

  • 購入する地域
  • 立地
  • 周辺環境
  • 築年数
  • マンションの規模
  • 階数
  • 間取り・専有面積の広さ
  • 共用設備
  • 管理状況
  • 資産性

など何が自分にとって大切か、優先する条件かをしっかりと家族で話し合うことも必要です。

また、築年数を考えるとき、住宅ローン控除の対象となるかどうかは重要です。中古マンションの場合、築年数要件として築25年以内があります。

資金計画・購入計画の注意点

  • 資金計画→購入計画→物件探し
    という順番ですすめる。
    まず決めるべきは「予算」です
  • 予算・購入物件を決めるために、できればライフプランを作成する
    ※特にマンションの場合は、管理費、修繕積立金、駐車場代などの維持費がかかります。長期の視点で予算を判断しないと、返済が厳しい、将来の教育・老後資金が確保できないといったことになりかねません。
  • 資産性(将来の売却など)を重視するのであれば、購入する地域、立地ならびに管理状況は、優先すべき重要な要素になります。
  • マンションの場合でも必ずハザードマップを確認する。

【関連記事】マンションと一戸建ての『差』~住宅購入費用は「線」で考える~

【関連記事】家賃?年収の〇倍?どうやって決める 『マイホーム購入予算』

物件探し・内見

購入物件の予算、物件探しの優先順位が決まれば、実際に物件探し、内見(実際に物件を見に行く)していきます。

不動産ポータルサイトで物件を探す、不動産仲介会社で探す方法はあります。両方を併せてするのが良いでしょう。

また、マンションの場合、一戸建てと異なり実際に住む部屋(専有部分)だけでなく、共用部分や管理状況をしっかり確認することが必要です。

物件探し・内見の注意点

  • 物件探しをする際、希望する(優先する)条件と購入理由をしっかりと担当者に伝える(なんでもかんでもすすめられるということがなくなりますし、条件や購入理由をしっかりと伝えることで、違う角度から提案をもらえることもあります)
  • 管理状況を知るための資料として、「重要事項調査報告書」があります。購入を前向きに検討する際は、仲介会社経由で確認するようにしてください
  • 長期修繕計画、大規模修繕実施時期、修繕積立金の積立状況は必ず確認してください
  • リフォームが必要な場合、リフォームの必要となる金額、その調達方法

【関連記事】マンションは管理が重要!~管理状況を知って購入の意思決定をしよう~

不動産購入申込書の提出

購入申込とは

購入申込は、売主に対して、書面でその物件を購入したいという意思表示を行うことです。

購入価格、引渡し時期などの条件を明示し、この条件で購入したいという意思表示をしますので、価格交渉も購入申込書で行うことになります。

当然ですが、同じタイミングで他の買主から購入申込が入ることもあります。

不動産購入申込書
不動産購入申込(例)

不動産購入申込の注意点

  • 購入申込は売買契約ではないので法的拘束力はありません。
    ただ、購入申込をして売主が承諾すると、売主も不動産会社も契約に向けて動きます。ですので、簡単に撤回すべきではありません。十分に購入の意思が固まってから購入申込をして下さい。 
  • 他の買主の購入申込と重なった場合、基本的には購入申込をした順番です。
    ただ、価格交渉や条件交渉をする場合、誰を優先するかを決めるのは売主です。
  •  購入申込をしても物件情報の公開が止まるとは限りません。買主が住宅ローンを利用する場合、事前審査の承認が出るまで止めない場合もあります。特に価格交渉や条件交渉している場合はそうです。
  • 専門家による建物診断(ホームインスペクション)を希望する場合は、この段階で伝えましょう。
    居住中の物件でも売主さんの同意があれば実施可能です。
    ※個人売主の中古マンションの場合、購入物件に分からなかった欠陥があった場合の責任について(瑕疵担保責任から2020年4月契約不適合責任に法改正)、免責もしくは引渡しから3か月までに制限される契約内容になる場合も多い

住宅ローン事前審査

住宅ローンには、事前審査(仮審査ともいう)と本審査があります。

住宅ローン事前審査は、本審査の前に、収入を証明する書類(源泉徴収)や物件資料、本人確認書類(免許証など)など一定の書類だけで行う審査です。早ければ1~2日、WEBで申込をして当日中に結果が出るサービスもあります。

住宅ローン商品の選択肢は数多くあります。金利タイプや団体信用生命保険の内容など、各金融機関ごとに実行金利も保障内容も異なります。

住宅ローン総返済額や金利上昇リスクなどについて、この段階からしっかりと検討して住宅ローン商品を絞り込んでいく必要があります。

住宅ローン事前審査の注意点

  • 事前審査を申込前に返済中のローンや残高不足による引落不可、返済遅れ等を改めて確認しましょう。
  • 前述の購入申込で価格交渉をする場合、事前審査を通すことで交渉がしやすくなる場合もあります。
  • 不動産会社や住宅会社提携の住宅ローン商品だけで決めない

不動産売買契約

不動産売買は大きな取引ですので、売買契約締結前に必ず書面で重要事項説明をすることが義務づけられています。(宅地建物取引業法35条1項)

重要事項説明書は、取引の対象となる物件や契約内容、条件等、不動産取引における重要な事項を記したものです。買主が重要な事項を理解したうえで、契約にのぞめるための買主保護の制度です。

また、不動産売買契約を行うことで、売主、買主双方にそれぞれに決済・引渡しに向けた法的な責任が生じます。

売買契約時には手付金と不動産会社によって仲介手数料(半金)が必要となります。

不動産売買契約の注意点

  • 重要事項説明、売買契約書の内容を理解するのは、初めて購入される一般の方では大変なことです。
    ですので、売買契約日より前に重要事項説明、契約書を確認し、分からない点を明確にした上で契約にのぞむ方が良いです。
  • 不動産は1つ1つ違います。売買契約書にはその物件、売主に応じたさまざまな特約や特記事項が記されます。

【関連記事】契約書・重要事項説明で要チェック!~住宅ローン特約ってなに?

住宅ローン本審査

売買契約が終わると、買主としてはすみやかに住宅ローン本審査の手続きに進みます。

住宅ローン本審査は、事前審査の情報に加え、物件の担保価値・適法性、健康状態(団信加入可否)、契約者の属性などより多くの項目が審査対象となります。

住宅ローン審査項目
住宅ロローン審査項目

金融機関によって審査基準は異なりますし、各項目を総合的に審査されますが、一般的には事前審査が承認されれば本審査も承認される可能性は高いです。

住宅ローン本審査の注意点

  • 事前審査の申込内容と異なる内容になっていると否決される可能性があります
  • 事前審査後に安心して他の借入、もしくはうっかり残高不足での延滞などがあると否決される可能性があります
  • 候補となる住宅ローン商品が複数ある場合、本審査を2~3つの商品を通すことによって、最終的に一番有利な住宅ローンを契約することができます

住宅ローン契約(金銭消費貸借)

住宅ローン契約(金銭消費貸借契約といいます)は、住宅ローン契約者と金融機関の間で、借入金額や条件について約定する契約をいいます。

また、同時に担保となる不動産に抵当権を設定するための契約も結びます。

住宅ローンで決めること

  • 借入金額
  • 返済年数
  • 金利タイプ
  • 返済方法(元利・元金・ボーナス返済)
  • 団体信用生命保険の内容(特約)
  • 引落口座

など。

住宅ローン契約の注意点

  • 住宅ローン契約以後は、契約条件を変更することはできません。また、金融機関による違いはありますが、契約時点で審査申込内容より審査上厳しくなる条件への変更はできません。
  • ネット銀行の場合、オンライン、書類の郵送、電話を活用して非対面で手続きを行います。必要書類や手続きにかかる時間など慎重にすすめる必要があります。

【関連記事】自分にあう一番お得な住宅ローン商品を決める方法

決済・引渡し

決済・引渡しは、購入代金(残代金)、諸費用などの決済を行うと同時に、鍵渡し、登記手続きを行います。

手続きが無事完了すると、「取引完了確認書」、管理組合、管理会社に対して所有者が変更したことを伝える「区分所有者変更届」を記入します。

決済・引渡しの注意点

  • 引渡し後に補修箇所などの条件がある場合は、不動産会社立ち合いのもと物件の確認をしましょう。

リフォーム

購入後、リフォーム・リノベーションを実施する場合、管理組合への届け出が必要となります。

  • 引渡し時期とリフォームにかかる期間をしっかり計算して無駄な家賃などが発生しないようにする
  • (購入前に確認が必要ですが)使用できる床材、水回りの配置変更の可否など管理規約や図面(設計図書)などで確認が必要です

まとめ

中古マンション購入の流れ

中古マンションを購入するということは、簡潔に言ってしまえば、

  • 住宅購入予算を決める
  • 購入する場所・物件を決める
  • 住宅ローン商品を決める
  • 火災保険を決める
  • リフォームの内容を決める

これらを引渡しに向けて、限られた時間の中で決めていくということです。

不動産取引は一般の方では分かりにくいです。ですので、実際に手続きでは不動産会社や金融機関主導のもと進んでいくのが通常です。

ただ、購入予算、物件選び、住宅ローン・火災保険商品は、購入後の生活に環境的にも経済的にも大きく影響します。

できるだけお得に、のちのち後悔なく中古マンションを購入する手続きとして参考にして頂ければと思います。