投稿日:2019年2月13日 | 最終更新日:2023年6月10日
関西の住みたい街
家を買うときに「どの街に買うか」は重要です。これからの人口減少、空き家時代、「どんな家を買うか」以上に大切かもしれません。
下表は、例年スーモ(リクルート)さんが実施している「住みたい街ランキング」(2018年)です。
※ 関西(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県)に居住している20歳~49歳を対象に実施した住みたい街(駅)のアンケートです。
阪急神戸線の西宮北口が1位ですが、ここ数年定着してきた感があります。
点数をみても、2位以下を大きく引き離しており、住みたい場所の人気を不動にしている感じですね。
この記事では、阪急西宮北口駅を例に、家を買う場所について考えてみました。
西宮北口、阪急沿線、阪神間で家の購入を検討されている方は、参考にして頂ければと思います。
資産性について
ただ、住みたい街といっても賃貸ではなく購入するとなると、将来の売却のしやすさ含め、資産性が気になります。
西宮北口の中古マンション価格
年 | ㎡単価(万円/㎡) |
---|---|
2018 | 50.1 |
2017 | 47.2 |
2016 | 51.2 |
2015 | 45.2 |
2014 | 48.0 |
2013 | 45.2 |
2012 | 36.9 |
2011 | 38.4 |
2010 | 38.0 |
2009 | 36.1 |
ウチノカチさんのデータを引用させて頂いております
上記表は、過去10年間の阪急西宮北口の中古マンション相場価格の推移をあらわしたものです。
10年前の2009年時点と比較して上昇率は、
27.9%
となっています。
阪急神戸線、阪急沿線と比較すると下表のとおりです。
阪急西宮北口 | 阪急神戸線 | 阪急沿線 |
---|---|---|
27.9% | 14.2% | 11.9% |
価格相場は駅ごとに違いはあります。
ただ、上昇率という点で見ても、
西宮北口駅は、阪急神戸線、阪急沿線と比較しても2倍以上の高い上昇率
となっています。
新築分譲時より高い
先日あるお客様の西宮北口の駅近くの物件探しをさせて頂きました。
築4年の中古マンションですが、売出価格が新築分譲時の価格(4,800万円)より500万円ほど高い設定になっていました。
確かに立地はいいのですが、価格設定はどうなの?と思い、取引相場を入念に確認しました。
が、ほぼ相場通りの価格で強気の価格設定というわけではありませんでした。
新築プレミアム
新築マンションの分譲時の価格には、分譲会社の広告宣伝費や利益などが販売価格にのっています。(新築プレミアム)
ですので、本来の物件の価値以上に販売価格が高く設定されています。
ですので、立地や場所によっては、購入から1~2年で、
新築購入時の価格より1~2割ダウン
ということも珍しくありません。
先程の物件は、新築時から4年経って、なお500万円高いので、やはり、西宮北口は資産価値が落ちにくい街といえます。
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西宮北口の土地価格
下のグラフは、兵庫県ならびに西宮市の土地の価格(地価公示価格)の推移をグラフにしたものです。
2008年のリーマンショックで2009年~2011年当りは一旦地価が下がりますが、それ以降はわずかながら上昇傾向がみてとれます。
地価(坪単価)の上昇率
2005年 | 2018年 | 上昇率 (%) | |
---|---|---|---|
兵庫県全体 | 471,643 | 507,147 | 7.5 |
西宮市全体 | 683,812 | 866,247 | 26% |
阪急岡本駅 | 1,106,116 | 1,537,851 | 39% |
阪急 西宮北口駅 | 773,002 | 1,173,253 | 51.7 |
これをみると、地価ベースでみると
西宮北口の上昇率は他の地域と比べても突出
しています。
西宮北口と同じ特急停車駅で、住みたい街ランキング8位の阪急岡本駅と比べても、土地の価格自体は西宮北口より高いです。
ただ、上昇率という点では西宮北口が高くなっています。
ここまで見て、
西宮北口の不動産の資産性は高い
といえます。
西宮北口の資産性が高い理由
不動産の資産性を左右する要素はいくつかあります。
- 交通利便性
- 生活利便性
- 立地・周辺環境
- 安全性
- ハザードマップ
- 維持管理面 など
西宮北口の生活利便性
もともと阪神間でも西宮七園と呼ばれる地域は(甲東園・甲子園・甲陽園・苦楽園・香櫨園・甲風園・昭和園)、西宮市の中でも人気がありました。
阪急西宮北口で言うと、駅付近に甲風園、昭和園があります。
また、西宮北口周辺は、1995年の阪神大震災で被害が大きく、それをきっかけに、木造建物の密集地であった駅の北東エリアは再開発がすすめられ、現在のアクタ西宮など商業施設が建設されました。
そして、2008年11月には阪急西宮球場跡地に、西宮ガーデンズ開業し、周辺に大規模マンションも建てられ一気に駅前が変わった感があります。
駅周辺は、大規模商業施設、スーパー、市役所、郵便局などに加え、兵庫県立芸術センターなどもあり、生活利便性は高い地域です。
また、西宮市が文教住宅都市を目指すなか、駅周辺は大学や予備校、学習塾なども集まっており、教育環境が整っているエリアです。
2016年には、公立小学校不足として、「高木北小学校」が開校しています。
転勤族の住みたい街としても人気があり、コテコテの関西風ではないところも魅力になっているとも言われます。
西宮北口の交通利便性
それに加え、西宮北口は
(1)阪急電車の特急停車駅
(2)大阪と神戸の中間地点で両都市へアクセスしやすい
(3)阪急宝塚線で宝塚方面へのアクセスも容易
ということで東西南北方面、交通利便性は非常に高いです。
所要時間も、
(1)梅田:12分(特急)
(2)神戸三宮:14分(特急)
(3)阪急宝塚:14分(普通)
大阪と神戸の中間に位置し、こういった交通利便性の高さに加え、住環境として落ち着き、治安も良いことが人気の理由でもあり、人の流入を呼んでいると考えられます。
まとめ
今後ますます進む資産価値の2極化
今後ますます本格化する人口減少社会で、
長い視点でみれば、
住む場所の2極化
が進むと考えられます。
もう少し具体的にいうと、
- 人口が増加、維持する地域と減少する地域
- 税収が増加する地域と減少する地域
- 行政サービスが充実した地域とそうでない地域
などの違いが現われると考えています。
長期的には、自治体の財政やインフラ維持の行政コスト、生活利便性を考えると、そうならざるを得ないのではないかと思います。
その中で、
西宮北口は、阪神間、関西圏で考えても
良い地域で選ばれる
でしょう。
2025年にむけてJR西宮駅南西地区の市街地再開発事業も計画されています。※西宮市HP
JR西宮駅周辺で人が集まりやすくなれば、阪急西宮北口とJR西宮との間で相乗効果も期待できるかもしれません。
家を買う場所の大切さ
ただ、家を買う場所を決めるとき、どこに住むかを決めるときにいろいろ考えます。
- 職場へのアクセス
- 子どもの学校区
- 親世帯のとの距離やアクセス
- 住み慣れた街が良い
- 防災上・防犯上の観点
など…
どれも大切なことです。
ただ、家は住環境であると同時に資産です。
家を資産として考える場合、
将来の街の姿も想像しながら決める
ことも大切です。