家計のバランスシート

『バランスシート』という言葉、
聞かれたことがある方もいると思います。

「貸借対照表」とも言われますが、

企業の財務状況を表す資料の1つで、資産や負債を一覧で対照表示することでその企業の財政状態を明確にするものです。

このバランスシートですが、企業だけでなく個人の家計状況を表すときも使われます。

FPバランスシート
日本FP協会HPより引用

左側に「資産」、右側が「負債」です。

「資産」には、
・預貯金

・株式、投資信託
・債券
・所有する不動産(住宅)

などが含まれます。


一方、「負債」には、
・車のローン

・カードローン
住宅ローン
奨学金の残高

などが含まれます。

そして、

「純資産」=「資産合計」-「負債合計」

となります。

あまり、自分の家のバランスシートや純資産を考えることはないと思いますが、

「純資産が本当の意味での資産」


といえます

例えば、次のAさんとBさんを比べたとき

資産内訳AさんBさん
預貯金等5,000万円600万円
負債8,000万円100万円
純資産‐3,000万円500万円

どちらが良いかは状況にもよるので一概にいえませんが、
バランスシート上では資産5,000万円のAさんより資産600万円のBさんのほうが上、ということになります。

そして、これからのマイホーム購入では、
このようなバランスシートの考え方も必要です。

物件選びが家の純資産に与える影響

家計のバランスシート(純資産)は、
購入する家でも大きく変わります。

1つの例で考えてみます。

【事例】
物件価格:3,800万円
・住宅ローン借入金額:3,500万円
・返済期間:30年
※全期間固定1.1%(元利均等返済)

このときの
「購入時点」「購入から15年後」
バランスシートは以下のようになります。

住宅購入時点のバランスシート

資産(万円)負債(万円)
普通預金50住宅ローン3,500
定期預金200車のローン70
財形貯蓄150奨学金100
株式50
終身保険120
不動産3,800負債合計②3,670
資産合計
4,370純資産
①-②
700

・金融資産(預貯金・株式・保険等):570万円
・不動産(購入した家):3,800万円

資産合計①:4,370万円

一方、負債は、

・住宅ローン:3,500万円
・その他車のローン、奨学金残:170万円

負債合計②:3,670万円

とすると、購入時点の純資産は、

4,370万円-3,670万円=700万円

になります。

購入から15年後のバランスシート

一方、マイホーム購入から15年後の
バランスシートはどうなるか?

15年間の間に、

住宅ローンを返済しながら
車のローンと奨学金を完済。

また、

毎年定期預金10万円、
財形貯蓄24万円の貯蓄

も頑張りました。

その結果、購入から15年後、
家計のバランスシートは次のようになりました。

資産(万円)負債(万円)
普通預金50住宅ローン1,890
定期預金350車のローン0
財形貯蓄510奨学金0
株式100
終身保険120
不動産1,500負債合計②1,890
資産合計
2,630純資産
①-②
740

………………

ん!? 純資産740万円!?

え~~~~?????? って感じですね。

購入から15年…、

・住宅ローンとその他の借入も返済しながら
・貯蓄も頑張った
・株式の評価額も50万から100万円にUP

にもかかわらず…純資産が、

住宅購入時の700万円から740万円と、
ほとんど増えていない!?

車のローンと奨学金の残債はなくなり、
定期預金と財形貯蓄は増えたはずなのに…

なぜ?

資産性(将来の市場価値)
を考えたマイホーム購入

これは表を見てもらえれば一目瞭然ですが、

購入した住宅の市場価値が、
3,800万円から1,500万円に下がった

ことによるものです。

購入時と15年後の、
家の資産価値と住宅ローン残高を比べてみると、

 購入時購入から
15年後
住宅ローン残高3,500万円1,890万円
家の市場価値3,800万円1,500万円

15年間で、
住宅ローン残高は1,610万円減りました。

ただ一方、
家の市場価値も2,300万円減少しています。

つまり、純資産が増えない要因は

住宅ローンの返済(残高の減少)以上に、
住宅の市場価値が減少したため

です。

資産価値が落ちにくい物件の場合

では、今の事例とは違い、資産価値が落ちにくい物件を購入していた場合、
15年後のバランスシートは次のようになったかもしれません。

資産(万円)負債(万円)
普通預金50住宅ローン1,890
定期預金350車のローン0
財形貯蓄510奨学金0
株式100
終身保険120
不動産2,500負債合計②1,890
資産合計
3,630純資産
①-②
1,740
 購入時購入から
15年後
住宅ローン残高3,500万円1,890万円
家の市場価値3,800万円2,500万円
15年間の住宅ローンと市場価値の減少

先程と同様、
住宅ローン残高は、
3,500万円から1,890万円と1,610万円
減っています。

一方、

家の市場価値は、
3,800万円から2,500万円と1,300万円
減少しています。

先程の事例の2,300万円の減少と比べると、

資産価値の減りにくい、
言い換えると、
資産性が維持しやすい物件

といえます。

住宅ローン残高の減少に対して、
資産価値はそれ以上に減っていない

ということです。

この場合の純資産は、

【資産】3,630万円
【負債】1,890万円
【純資産】1,740万円

となり、

純資産は、購入時点(700万円)から1,040万円増えています。

物件選びが将来の純資産に影響

家を買うとき、住宅ローン残高の減り方は予測できる面もあります。
全期間固定であれば、完済時点まで予測可能です。

ただ、一方、家の市場価値を予測することは簡単ではありません。

ですので、購入する物件によって、

住宅ローン残高の減り方以上に資産価値が減る

ということもあります。

その場合、当然、住宅も資産ですので、
市場価値が大きく減少した分純資産も減少し、
家計のバランスシートが悪くなります。

これは、家の産性、純資産という意味では、

物件選びを間違えたということになります。

家の資産価値が問題になるとき

家の資産価値

こういうことは現実に起こってます。

弊社のある神戸市のある地域に住む相談者の方で、

20年前に4,000万円で購入した家を、
お子様の進学の関係で売却せざるを得なくなり、
いざ売りに出すと1,000万円に満たない780万円
でしか売れなかった…というケースもあります。

こういった家を売却する場面では、
家の資産性、資産価値が問われます。

そして、これからの日本の社会状況を考えると、ますます不動産の選別は進み、

資産性を維持しやすいものとそうでないものが分かれる

と考えられます。

ですので、家を買うときに、のちのちの売却などを想定したいということであれば、

家計のバランスシート(純資産)という視点から
物件選びも必要になるのではないでしょうか。

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まとめ

●家計におけるバランシート(純資産)を考える
●物件選びによって将来の家計(純資産)は変わる
●住宅ローン残高の減りと資産価値の減りを考える
●将来の売却等を考える場合、純資産、家の資産性を考えた物件選びが重要

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