投稿日:2016年11月28日 | 最終更新日:2024年11月22日
保険の役割
●将来のリスクに対する保障
●不安の解消
マイホーム購入と保険は密接な関係があります。
マイホームに関係する保険として「団体信用生命保険」「火災保険」があります。
住宅購入は、人生の中でも1番といってよい大きな買い物であり資産を持つことですので、その資産を維持するために保険を活用が必要となっています。
この記事では、住宅購入に必要な団信と火災保険について解説します。
団体信用生命保険(団信)
団体信用生命保険
住宅ローン契約者(債務者)が、返済期間中、死亡または高度障害になった場合に、住宅ローン残債が完済される保険
団体信用生命保険(以下「団信」)は、フラット35のように任意のものを除き、ほとんどの金融機関では加入が必須であり、適用金利は団信込みの設定になっています。
そのため、健康状態によっては団信に加入できず住宅ローンが利用できないこともありますし、保険契約のための条件が緩和された団信でないと入れないという方もいます。
団信の意味
団信は、住宅ローン返済義務を負う債務者に万一のことがあった場合に、住宅ローンという大きな負債を残された家族に負わせることのないように加入するものです。
ですので、基本的には加入すべき保険ですし、義務があるものです。
一般団信と団信特約
ただ、団信には、死亡や高度障害を保障する一般団信以外に、がんやその他の病気を保障する特約をつけることができます(団信特約)
・がん
・3大疾病
・7大疾病
・入院保障
・就業不能保障 など
金融機関によって、さまざまな団信特約があります。
団信特約の必要性と選択基準
団信特約は、上乗せ金利なしの商品もありますが、保障内容に応じて金利上乗せ、別途支払いといった保険料がかかります。
ですので、団信特約に加入するか否か費用対効果含めしっかり判断しなければなりません。
その判断をする基準として3つ挙げさせて頂きます。
・保険料はいくらか?
・給付基準
・保険金額
団信保険料について
団信特約保険料が金利に上乗せされる場合、多くの商品は途中で団信特約部分を解約することができません。
通常、保険は年齢やライフステージに合わせて定期的に見直すべきものです。
ですので、住宅ローン完済までの保険料はいくらになるのかという視点が大切です。
給付基準について
これは団信特約に限らず保険全般に言えることですが、保険商品はことさらリスクが発生した場合ばかり強調されますが、
・そのリスクがどれくらいの確率で発生するのか
・発生した場合に保険以外で対応できないのか
団信特約も表面上、保障範囲が広く見える商品でも、給付基準、つまりどういった場合に保険金が支払われるかという条件はしっかりと判断する必要があります。
それによって住宅ローン選びそのものが変わる場合があります。
保険金額について
一般団信も団信特約も、保険金額は住宅ローン借入残高を基準に決まる保障内容が多いです。
それは言い換えると、住宅ローン返済に伴って保険金額も少なくなるということです。
ですので、1つめの保険料に対して、どれくらいの保障が得られるのか、費用対効果をしっかりと見極めることが大切です。
火災保険・地震保険
火災保険は、住宅ローンを利用される方は皆さん入られますし、家という資産を守る意味でも入った方がよいものです。
また、火災保険加入が前提となりますが、地震保険もあります。
2020年度の火災保険加入者に対する地震保険の付帯率は、68.3%です。
損害保険料率算出機構
また、世帯に対する地震保険の加入率は、33.9%となっています。
火災保険の選びのすすめ方
では、火災保険に加入するとして、どういった基準で選べばよいのでしょうか。
まず最初に、購入した家、立地、家族構成などに合わせて、次の3つを最適にすることです。
1,補償対象
建物と家財、あるいは両方、火災保険の対象とするものは何か
2,補償内容
火災以外の風災や水災などどういったリスクに対して補償を求めるか
3,保険金額
建物、家財それぞれどこまで保険金額を設定するか
当然ですが、補償の対象、補償内容、保険金額が多ければ多いほど保険料は高くなります。
ですので、必要な補償を必要な金額かけることが大切です。
火災保険の補償や保険金額を決める基準
では、補償内容や保険金額はどのように決めるべきでしょうか?
その判断基準は数多くありますが、ここでは次の4つを挙げさせて頂きます。
1、ハザードマップ
2,戸建てかマンションか(所在階含め)
3,周辺環境
4,家族構成
ハザードマップ
ハザードマップ
津波や高潮、洪水、土砂災害など、その地域や立地による災害リスクを表わすもの
ハザードマップで各災害に対するリスクを判断しながら、補償内容や保険金額を決める必要があります。
ハザードマップは不動産取引における重要事項説明事項でもあります。
契約前にしっかりとその内容を理解する必要があります。
戸建てかマンションか
戸建てとマンションでは、所有形態が異なります。
通常、戸建ては、土地建物について専有するものですが、
マンションの場合、専有部分と共用部分に分かれます。
そして、共有部分については、管理組合が火災保険に加入しますので、購入者は専有部分について火災保険に加入することになります。
そういった保障範囲の違いや建物の構造、防犯性、所在階の違いによって、補償内容や保険金額を判断していく必要があります。
周辺環境
一戸建ての場合、特に周辺環境によって火災保険の選び方も変わる可能性があります。
一言で火災保険といっても、その補償内容はさまざまです。
・物体の落下
・衝突
・盗難
・破損・汚損(不足かつ突発的な事故)
など、家の周辺の建物や防犯性、交通量、隣接する敷地の状況などで補償内容が変わる可能性があります。
家族構成
家族構成や子どもの数、年齢によって補償内容や保険金額が変わります。
一般的には、家族が多いほど家財の保険金額は高くなる傾向ですし、子供の年齢によって必要な補償も変わってきます。
火災保険の保険料と注意点
ここまで、火災保険の補償内容や保険金額を最適にする選び方についてまとめましたが、最後に、数ある火災保険から保険料の違いを比較しながら決めます。
ただここで2つ注意点を挙げさせて頂きます。
・費用対効果
・給付金の出やすさ
費用対効果
火災保険料の支払い方法は、年払いや一括支払いとあります。
現在(2021年11月)時点では、最長10年一括契約が可能ですが、2022年から5年払いになる見通しです。
長期契約の方が保険料は割安になりますが、補償内容を決める際にも費用対効果も含め考えて頂きたいと思います。
というのは、補償内容によっては、つけても保険料があまり変わらない補償もあります。長期契約をする場合はなおさらです。
そういった場合は、万一の場合は出費が大きそうな火災保険については、補償をつけといた方がよいという判断になることもあります。
給付金の出やすさ
火災保険が必要となるときは、災害や事故によって被害が出た場合です。
そのうえで、火災保険が保険の対象となると認める必要があります。
明らかに火災保険の対象と分かる場合もありますが、判断が微妙な場合、認められる被害箇所に契約者と保険会社で認識の違いがでる場合もあります。
なかなか判断が難しいところではありますが、保険給付の手続きが迅速、もしくは保険給付の実績が多いという会社はあります。
契約者にとって最も重要なのは、保険の対象となる災害や事故が発生した場合に、しっかりと対象箇所について保険金額が給付されることです。
なかなか難しいですが、保険料だけでなく、そういった視点も含め火災保険商品を決めることも必要です。
まとめ
団体信用生命保険は、住宅ローン返済に対する保険
火災保険は、家という資産を維持するための保険
ただ、一般的に保険は加入すればするほど損をする商品でもあります。
ですので、保険を選ぶ際には、
・その保障は本当に必要か?
・保険が使えるのはどういった場合か(発生確率)?
・保険以外に代替できるものはないか?
ということをよく検討しないと、
無駄な保険料を支払うことになりかねません。
是非参考にしてみてください。