日本の空き家問題

ここ最近、空き家問題について新聞やニュース等でも取り上げられることも増え、聞かれたことがある方もいらっしゃると思います。

この空き家問題ですが…これから住宅を購入する人にも無縁ではありません。

 

空き家率

 

この表は、過去の空き家戸数、空き家率の推移と将来予測です。
※総務省の土地統計調査による実績値
※野村総合研究所予測

 

2013年時点13.5%だった空き家率が、20年後の2033年には、30.2%という予測です。

予測通りにいくと、18年後には実に3件に1件が空き家という状況になるということです。

ん~、地域差はあるとしても、3件に1件人が住んでいない…かなりさびしい感じですね。

 

日本の空き家がこれからも増える理由

ただ、残念ながら今後も空き家は増えると見込まれています。

理由は以下のとおりです。

 

人口減少・世帯数減少

既に人口減少は始まっており、世帯数についても2019年にピークを迎え、徐々に減少する見込みです。

※国立社会保障・人口問題研究所

 

介護施設や高齢者施設の利用

現在持家やマンションを所有されている方でも、高齢になり、自力で生活することが困難になった場合や高齢での1人暮らしの不安を考え介護施設や高齢者向けの住宅へ転居することによる空き家増。

 

固定資産税の優遇・解体費用の負担

現在、建物がある土地は、建物のない土地(更地)に比べ、固定資産税が最大1/6まで優遇される税制上の特例があります。

ですので、建物を取り壊すことができてもそのまま放置する人もいます。

また、同時に建物の取壊しのための解体費用がネックとなって放置されていることもあります。

こういう物件は、不動産市場で流通しにくいということもあります。

 

日本人の新築指向・中古物件の評価が低い

新築住宅を優遇する税制の影響もありますが、予算的に問題なければ、新築住宅に住みたいという日本人の新築指向は根強くあります。

新築のマンションや戸建て住宅も相変わらず作られ続けています。

また、日本の中古住宅の評価基準は、欧米などと比べると十分に確立されておらず、本来なら十分に住める住宅でも、中古住宅自体が市場に流通しにくいという日本の不動産・住宅業界の現状があります。

全住宅流通量の中古住宅の流通シェアを欧米と比較すると、

  • アメリカ77.6%
  • イギリス88.8%
  • フランス66.4%

に対して、日本は36.7%にとどまります。 (国交省2012年)

このような現状に対し、国も

  • 『空き家対策特別措置法』
  • 『既存住宅流通活性化等事業』

などの法律や予算を組んで対策を打とうとしています。

ただ、地域性もありますので一概には言えませんが、今後、空き家が増えていくのは間違いないと思われます。

空き家についてのリスクとは?

では、こういった空き家の問題がある中、これからマイホームを購入しようとする際どのようなことを考えるべきなんでしょうか?

空き家に関係するリスクは、大きく2つに分けられると思います。

空き家を所有することになるリスク
空き家の多い地域にマイホームを所有するリスク

 

空き家を所有することになるリスク

自分が空き家を所有することになる要因として考えられるのは、

(1)購入後、転勤・異動などで他へ引越し
(2)購入した住宅を所有したまま住み替え
(3)親所有の住宅を相続したが住まない
(4)親と同居することになり、親が住んでいた住宅が空き家になる※これは親が空き家を所有するケースですが…
(5)別荘やセカンドハウスとして購入したが、その後使用していない

など挙げられます。

そして、空き家を所有すると以下のような弊害が考えられます。

 

1、固定資産税の負担

土地建物を所有する限り、住まなくても固定資産税はかかります。

マンションであれば、固定資産税以外にも管理費や修繕積立金がかかります。

そして、一戸建ての場合、空き家の状態によっては、
「空き家対策特別措置法」という法律により「特定空き家等」に指定されると、

「助言・指導」⇒「勧告」⇒「改善命令」⇒「強制処分」

という段階を踏んで、市町村から空き家に対する対策を求められます。

そして、「勧告」を受けた段階で、建物がある土地に適用されている固定資産税の
特例対象から除外されます。(2015年12月時点)

つまり、その時点で固定資産財額が跳ね上がるということです。

また、強制処分までいくと撤去費用等が必要になります。

 

2、建物の所有者責任が発生する可能性がある

空き家の問題として、空き家に対する不法侵入や放火等の防犯上の問題、地震や台風による倒壊、老朽化による屋根、外壁の剥離、飛散などの危険性が指摘されています。

また、ごみ等の不法投棄や植栽の整備不良、害虫の増殖など衛生上、景観上も問題とされます。

もちろん、空き家でもしっかりと管理されていればまだ良いのですが、管理が行き届かず、万が一、近隣や通行している人に対して被害を与えた場合などは、空き家の所有者として責任を問われる可能性があります。

こういったリスクに対して、空き家に対する火災保険などもありますが、まだ取扱う保険会社が少なかったり、人が住んでいる物件と比べ保険料が高めになっています。

空き家の多い地域にマイホームを所有するリスク

また、自分の家が空き家になるのではなく、購入した地域の空き家が増えるリスクもあります。

あなたは、自分の隣や裏の住居が空き家だとしたら、どう感じるでしょうか?

・空き巣や窃盗など防犯上の危険性

・隣の住宅から出火した火災により被害を被る危険性

・台風や地震の際、倒壊した建物が自分の敷地や建物に及ぶ危険性、そのまま放置される可能性

こういった危険性について、隣に人が住んでいないと、より高く感じるはずです。

また、そもそも自分の住む地域の空き家が増えると、防犯上、衛生上、美観上の全ての面で街としての魅力がなくなり、その地域に住もうという人は、さらに少なくなるかもしれません。

その結果、その地域の物件の購入者が減り、売却するにしても、賃貸するにしても、買い手、借り手が見つかりにくくなっていくことが考えらます。

つまり、空きやが多い地域に所有する住宅の資産価値が落ちやすくなるということです。

 

空き家問題とコンパクトシティ

空き家問題について、国が対策を考えるもう1つの要因は、行政コストの増大です。

簡単に言うと、空き家が増えた人口密度の小さい地域に対して、道路、下水道、ごみ収集、訪問介護、小中学校、公共交通網、公園など行政サービスを維持するための1人当たりのコストが高くなるということです。

同時に、その自治体の財政状況自体が厳しくなります。

そこで、空き家対策の1つとして、行政サービスを郊外から街中などに集約させようとする、

いわゆる「コンパクトシティ」(集約都市形成支援事業)の取組みを国交省は始めています。

具体的には、市町村が

  • 「住宅を誘導する区域」
  • 「商業施設や福祉・医療施設などを誘導する区域」

をそれぞれ定め、効率よく行政サービスが行き届く街づくりを目指す取組みです。

積極的にコンパクトシティ化に取り組む富山市や青森市のような自治体もあります。

人はどこにでも自由に住む権利があります。

なので、住む場所を指定するということは簡単ではありませんが、

将来的には、住宅地として指定される区域とそうでない区域が分かれるのかもしれません。

そうなると、住宅地として指定されない区域の資産価値は大きく下がるでしょう。

ただ、そうなる前でも、こういった政策を自治体が始めた段階で、
地価や資産価値に影響を与えると考えられます。

空き家リスクを回避するために住宅購入時にできること

では、これから住宅を購入するとき、空き家に関係するこういったリスクを
回避するためにできることは、どういったことでしょうか?

まずは、

  • 住宅購入後のライフプランをよく考えること
  • 将来、売却したり、賃貸したりしやすい物件を選ぶこと
  • 空き家率が高い地域、もしくは将来的にその可能性が高い地域での購入を避けること

など考えられます…

これから住宅を購入されるなら…「空き家」にまつわるリスクという視点も考えてみてはどうでしょうか?

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