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家を買うときの諸費用とは
家を買うとき、売買契約、住宅ローン融資、不動産登記、税金の支払いが伴います。
こういった手続きにともなって、土地建物の購入、建築費用以外のさまざまな諸費用が必要となります。
必要な諸費用とタイミングについてまとめましたので、資金計画等にも役立て頂けると思います。
諸費用と頭金の違い
まず、諸費用と頭金の違いをご説明します。
4,000万円中古マンションの諸費用と頭金
一例として、
4,000万円の中古マンションを購入した場合です。
物件価格:4,000万円
諸費用: 300万円
合計: 4,300万円

この必要資金に対して、
住宅購入のための自己資金が500万円準備できるとします。
とすると、残り3,800万円を住宅ローンで借入する必要があります。
頭金とは、
物件価格から住宅ローン借入金額を引いた資金
を指します。
この例でいうと、
4,000万円-3,800万円=200万円
【関連記事】
▶マイホームの頭金とは?頭金の額の平均、相場、自己資金や手付金との違いは?
住宅購入の流れと諸費用
ここからマイホーム購入の一般的な流れに合わせて、必要となる諸費用についてまとめました。
マイホーム購入の流れ
マイホーム購入の一般的な流れ(注文住宅は除く)は、次のように進んでいきます。
1.売買契約
↓
2.住宅ローン契約
(金銭消費貸借契約)
↓
3.引渡し・融資実行
↓
4.引渡し後
1.売買契約時の諸費用
売買契約時に必要な諸費用として、
印紙税と仲介手数料があります。
印紙税
不動産売買契約に伴う印紙税です。
契約金額によって税額は異なります。
ちなみに、
4,000万円の契約金額であれば、
印紙代は本来2万円ですが、軽減税率により1万円となっています
(2021年8月時点)
仲介手数料
中古住宅や土地売買の場合に、
不動産仲介会社に支払う費用です。
一般的に、売買契約時に仲介手数料の半金、残りを引渡し時に支払う会社が多いです。
取引金額4,000万円の場合、
仲介手数料(正規)は、138万6千円(税込)となります。
【関連記事】
▶知っておきたい不動産取引における仲介手数料とは?
2.住宅ローン契約時の諸費用
住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)に伴う、印紙税が必要です
住宅ローン借入金額が3,800万円の場合、
印紙代は2万円です(2021年8月時点)
また、住宅ローン契約にあわせて団体信用生命保険に加入します。
団体信用生命保険は、
住宅ローン契約者が死亡または高度障害になった場合に、残された家族に住宅ローン返済の負担が残らないための保険です。
民間の金融機関では、団体信用生命保険の加入は必須です。
保険料は、住宅ローン金利に含まれる場合が殆どです。
一方、フラット35の場合、
団体信用生命保険の加入は任意です。
ですので、団信ありとなしで適用金利に差があります。
団体信用生命保険の特約(ガン団信や3大疾病、7大疾病等)に加入する場合、多くの場合、特約保険料が必要となります。
特約保険料は、金利上乗せの場合、別途保険料を支払う場合など金融機関によって取り扱いは異なります。
【関連記事】
▶3大疾病・8大疾病!住宅ローン、団体信用生命保険の特約って必要?
3.引渡し・融資実行時の諸費用

家の購入に伴う諸費用の殆どは、
引渡し時(一般的には融資実行と同時)に清算されます。
登記関連費用
登記に関連する費用として、
登録免許税や司法書士報酬が必要となります。
登録免許税
登記は、現在の不動産の権利関係を登記簿に載せることをいいます。
不動産の売買を原因として、その不動産の権利関係が変わったことを証明するもので、その際にかかる税金が登録免許税です。
所有権保存登記、所有権移転登記は、
固定資産税評価額に税率をかけたもの、
抵当権設定登記は、
債権額(住宅ローン借入金額)に税率をかけたもので計算されます。
司法書士報酬
中には自分で登記手続きをするという方もいますが、殆どの場合、登記にかかる一連の事務作業を報酬を払って司法書士に委任します。
司法書士報酬は登録免許税と違い、司法書士によって差が出ます。
住宅ローン関連費用
住宅ローンの諸費用として、
事務手数料、保証料、もしくは融資事務手数料が必要となります。
住宅ローンの諸費用は、
保証料型と融資事務手数料型に分けられます。
(金融機関によって取り扱いは異なります)
保証料型
保証料とは、
住宅ローンの債務者が返済ができなくなった場合に、保証会社が代わりに金融機関に返済するための費用です。
保証料は、2つの支払い方法があります。
- 外枠方式(一括前払い)
- 内枠方式(金利上乗せ)
外枠方式の場合、融資実行時に一括で支払うための資金が必要となります。
一方、内枠方式の場合、金利に上乗せし毎月の返済額の中で返済していくため、準備する諸費用は少なく済みます。
一例として、りそな銀行で3,800万円の借入金額の場合、
・外枠方式の場合、
783,332円(返済期間35年の場合)となります。
・内枠方式の場合、
上乗せ金利は0.2%です。(2021年8月)
融資事務手数料
融資事務手数料とは、
住宅ローンの借入に際して、金融機関に手数料として支払うものです。
融資事務手数料には、2種類あります。
- 定率型
- 定額型
定率型の場合、借入金額に対して一定の利率をかけた手数料を支払います。
多くの金融機関では、2.2%(税込)としています。
りそな銀行で3,800万円の借入金額の場合、
融資事務手数料は、
836,000円(税込)となります。
※借入金額の2.2%(2021年8月)
一方の定額型は、数万円の事務手数料で、
その代わり金利が上乗せされる場合が多いです。
(定額型の融資事務手数料の取り扱いがない金融機関もあります)
・保証料型か融資事務手数料型か
・保証料外枠方式か内枠方式か
・融資事務手数料が定率型か定額型か
家を買う際の準備する住宅ローン諸費用は変わります。
金融機関によって、
・保証料型のみ
・融資事務手数料型のみ
・保証料型と融資事務手数料型両方
と取扱いが異なります。
火災保険料
火災保険料について、
年払い、5年払い、10年一括払いなど保険会社によって支払い方法があります。
今は火災保険の長期契約は10年まで可能ですが、10年分の保険料(地震保険は最長5年)を一括で支払う場合は、まとまったお金が必要となります。
長期一括払いの方が、保険料は割安です。
固定資産税清算金
固定資産税・都市計画税は、
毎年1月1日の所有者に対して課税されます。
ですので、売主が支払った1年分の固定資産税について、
・引渡し日前日まで売主負担
・引渡し日以降を買主負担
として日割り計算で清算します。
これは、マンションの管理費や修繕積立金の清算についても同様です。
修繕積立金基金
新築マンションを購入した場合に、
毎月の修繕積立金とは別に一時金として支払うものです。
また、管理費や修繕積立金の前納分(1か月分)が必要です。
【関連記事】
▶中古マンション購入前に確認~管理費と修繕積立金は適正?相場は?~
適合証明書交付手数料(フラット)
フラット35を利用する場合、購入する建物が一定の技術基準を備えていることが必要です。
その基準をクリアすることを証明するのが適合証明書です。
発行費用については、購入する物件や住宅会社、依頼する会社によって異なります。
その他、住宅ローン代行手数料等
新築マンションや新築戸建てで多いですが、
諸費用明細に、
「住宅ローン代行手数料」
「住宅ローン事務手数料」などの名目で、
33,000円~の費用が計上されている場合があります。
これは住宅ローン契約時の金融機関に支払う事務手数料ではありません。
新築マンションの販売会社や住宅会社に、
住宅ローンの借入手続きを行う手数料として支払う費用です。
ただ、
この費用は当然に支払うべきものではありません。
住宅ローンの選択肢は、販売会社や住宅会社からすすめられる提携ローン以外に数多くあります。
また、代行といっても、実質の借入手続きは金融機関が行うことであり、買主が自身で行うことができるものです。
そういった根拠がよく分からない費用ですので、計上されていても当然に支払うべきものではありません。
4.引渡し後の諸費用
最後に引渡し後にかかる費用についてです。
不動産取得税
不動産を取得した場合にかかる税金で、
取得から6か月~に各都道府県から納税通知書が届きます。
但し、居住用の土地建物についても、軽減の特例がありますので、不動産取得税がかからない場合もあります。(2021年8月)
引越し費用・家具等の購入費用
新居の引越し費用、家具購入費用等が必要です。
新築の場合、テレビアンテナの設置やネット回線の引込なども必要です。
また、カーテンレールや網戸、玄関ポストなどを自分で設置する場合もあります。
中古戸建てやマンションでリフォームなど伴う際は、引渡しから入居までに必要な費用を考える必要もあります。
まとめ
購入する物件や購入時の状況によっても変わりますが、
概ね、諸費用の目安として、
- 新築の場合:購入価格の4~7%
- 中古の場合:購入価格の6~10%
です。
その多くの費用は、引渡し・融資実行時に清算(決済)されます。
住宅ローンの諸費用などは、融資額から差し引いて振り込まれる場合も多いです。
マイホームを購入する際は、
諸費用含めた資金計画をしっかりと立てる必要があります。
参考にしてみてください。
【関連記事】
▶頭金なし住宅ローンで後悔しないための3つのポイント