高すぎる、日本の教育費

昨年12月、文部科学省が2031年年度に国立大学の学費を93万円に値上げするという試算を出しました。

国立大学の現在の学費が54万円(標準額)から39万円UPし、現在の1.7倍にもなります。

国立大学の運営費交付金を財務省が削減する方針を示し、それを賄うため、大幅な授業料の値上げが必要とのことですが…

そのとき私立大学の学費がどうなっているか分かりませんが、いずれにしても、子どもの大学進学にかかる費用が増えるのは間違いなさそうです。

これまでも大学授業料のインフレ率はすごいです。(下図)物価上昇をはるかに上回るものです。

大学 教育費 

(総務省小売統計調査:小売物価統計調査)

日本政策金融公庫や文部科学省の調査結果からおよそ1人当たり大学生活でかかる生活費(概算)は、


◇国公立大学

  • 約500万円(自宅生)
  • 約800万円(自宅外)

◇私立大学(文系)

  • 約640万円(自宅生)
  • 約920万円(自宅外)

となってます。※授業料など学費以外に通学費、娯楽費など含む

理系や医学部など選択する学部によっては、これ以上のお金がかかりますし、大学院への進学や留学など進路によっても変わります。

そして、こういった教育費用について、マイホームを購入される方にも無関係ではありません。

人生の3大資金と言われる、

・住宅資金
・教育資金
・老後資金

住宅購入の資金計画・返済計画含めしっかりと立てないとその後の教育資金、老後資金に大きく影響します。

子どもが1人でも大変ですが、2人、3人となると家計への影響は相当なものがあります。

教育費を準備する方法

これだけかかる教育費をどうするのか?

選択肢は2つです。「貯める」か「借りる」しかありません。

借りる場合は、奨学金や教育ローンを活用するなどの選択肢があります。

給付型の奨学金が利用できる人は別ですが、殆どの方は貸与型の奨学金を利用します。その場合、利息付き、利息なしありますが、就職すれば返済が始まります。

ただ、今、大学を卒業しても就職でうまくいかず、非正規雇用社員含め、収入が低く、奨学金の返済自体が厳しい人も増えています。

そういった状況もあるなか、年収によって奨学金の返済額が変わる「所得連動返還型奨学金」の導入なども検討されているようです。

所得連動返還型奨学金制度は、奨学生(返還者)の所得に応じて返還月額が決まる仕組みにより、無理なく返還ができるよう設けられた制度です。この制度を実現するために導入された返還方式(奨学金の返し方)を「所得連動返還方式」とよびます(これに対して、これまでの借りた奨学金の総額によって返還月額が決まる返還方式は「定額返還方式」とよびます。)

※独立行政法人 日本学生支援機構HPより抜粋

相談に来られた方のキャッシュフロー表を作成させて頂く中で、ご自身の奨学金の返済が40歳を過ぎても続く方もいらっしゃいます。

 

学資保険で教育資金を準備

一方、奨学金の活用を前提とせず、教育資金を「貯める」方法として、一般的に利用されているのが学資保険です。

学資保険の加入率は、小学生以下のお子様のいる家庭では62%、加入予定者も含めると70%くらいというデータもあります。

特に、最近の定期預金などの低金利の状況を見ると、こつこつと定期預金で積立てるより学資保険などを活用しようと考えられる方も多いと思います。

この学資保険という商品を選択する最も大きな基準が「解約返戻率」つまり「支払った保険料に対する給付総額の割合」です。

当然、解約返戻率は高ければ高いほうが良いのですが、

・保険料の払込期間や支払方法
・保障内容(保険料払込免除特約の有無、医療特約の有無など)

なども商品選択の基準になります。

そして、住宅ローンを返済しながら、学資保険で子供の学費を準備する方も多いです。

ただ、住宅ローンを返済しながら、一方で学資保険で積立する…よりも、結果的にはお得…という場合があります。

 

学資保険と住宅ローン繰上返済を比較してみた

それは、学資保険の積立分を住宅ローンの繰上げ返済に回すという方法です。

学資保険で積み立てた場合

例えば、解約返戻率110%の学資保険商品で18年間で300万円を貯めるとします。
※保険料払込期間は10年とします

この場合、支払う保険料の総額は、約272万7,000円なります。※22,720円/月の支払いとなります。

272万円7,000円の保険料払込みに対して、300万円の給付を受けられるということは、18年間で、273,000円が増えた(返戻率110%)ことになります。

※所得税の生命保険料控除等は考慮しません

 

住宅ローンの繰上げ返済にあてた場合

では、学資保険の積立て保険料を住宅ローンの繰上げ返済にあてた場合どうなるでしょうか?

・住宅ローン借入金額3,000万円(借入期間30年)
・35年全期間固定(金利1.48%)

この住宅ローンの借入に対して、当初10年間、1年に1回、1年分の保険料分(22,720×12ヶ月分=272,640円)を繰上返済するとした場合、

繰上返済をすると、当初の利息負担も少なくなりますが、この場合の利息軽減額は、

 ・返済額軽減型(繰上返済で毎月の返済額を減らす):約521,000
 ・期間短縮型(繰上返済で返済期間を短くする):約1097,000

となります。期間短縮型では、返済期間が3年間短縮します。

このように経済的な効果だけを考えると、学資保険で積立てるより、その保険料分を住宅ローンの繰上げ返済に回したほうがお得になる場合があるということです。

「積立をして貯蓄を増やす」より「負債(住宅ローン)を減らす」ほうが、経済的なメリットは大きいということです。

ただ、借入金額や契約金利などによって利息軽減額が変わるので、シミュレーションが必要です。

そうは言うものの、子どもの進学時の資金はどうするの?と思われると思います。

その通りです。

金銭的にいくらメリットがあっても、本来の目的である教育費が支払えないということでは困ります。

ですので、住宅ローンの繰上げ返済に回しながらも、お子様の必要な時期に必要な貯蓄が確保できていることが前提となります。

ただ、教育費の準備といっても、必ずしも「学資保険」がお得というわけではないということです。

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