投稿日:2015年10月27日 | 最終更新日:2023年10月18日
住宅ローンの相談相手
住宅ローンは、ネット銀行から都市銀行、地方銀行、フラット35などいろいろな選択肢があります。
また、金利は毎月変わる可能性があり、どの商品がいいのか分からないということもあります。
1人で判断するのが難しいと思ったとき、誰に相談するのが一番いいのでしょう?
この記事は、住宅ローンを相談する相手として、それぞれのメリットや注意点も踏まえながら解説します。
●不動産会社・住宅会社の担当者
●銀行・金融機関
●FP(ファイナンシャルプランナー)
不動産・住宅会社の担当
不動産・住宅会社の営業に住宅ローン相談するメリットや注意点は?
メリット
・購入手続きを踏まえながら相談できる
(住宅ローン実務を知っている)
・購入する家のことが分かっている
購入手続きも踏まえながら相談できる
住宅ローンを決めて融資実行に至るまで、不動産取引の中でいくつかの手続きがあります。
- 事前審査
- (売買契約)
- 本審査
- 住宅ローン契約
(金銭消費貸借契約) - 融資実行(引渡し)
売買契約や引渡しといった物件に関する流れと住宅ローン融資の流れは、密接に関連しています。
不動産会社などの担当に住宅ローンする一番のメリットは、こういった手続きの当事者であるということです。
ですので、通常、売買契約上の特約として融資特約を入れます。
特に、引渡しまでの時間があまりないといった場合は、
- 本審査承認がいつまでに必要
- 住宅ローン契約から融資実行までの時間
など、スケジュール調整含め手続きをスムーズに行いやすいと言えます。
また、実務的な面についても
- 事前審査を急ぐ(購入申込)
- 本審査承認のための覚書がいる場合
- 金融機関による審査基準の違い
などの住宅ローンの実務を知っている点は、購入者にとってメリットと言えます。
買う家のことが分かっている
住宅ローン選びは、購入する物件によって変わります。
・新築か中古か?
・分譲か注文か?
・リフォームの借入の有無は?
注文住宅のつなぎ融資や中古住宅のリフォーム費で住宅ローンを利用する場合、商品によって借入の可否や手続が異なります。
また、物件や資金計画によって、
- 住宅ローン減税の上限額
- 適用金利
が変わります。
資金計画は、物件価格以外に諸費用も関係しますので、住宅ローン減税を有効活用する、金利水準にこだわるという意味でも、不動産会社や住宅会社の営業に相談するメリットがあります。
ただ、注意なのは、
その営業マンや担当者が、
住宅ローン減税額や金利の違いまでしっかり提案できるか、もしくは、してもらえるかという点も重要です。
よく分からない、面倒という担当者も少なくないと思います。
不動産会社担当に相談する際の注意点
では、不動産会社や住宅会社に相談する際の注意点はどんなことが考えられるでしょうか。
・提携ローンをすすめられる
・返済額が少なく見える商品をすすめられる
・住宅ローンに詳しくない
提携ローンをすすめられる
不動産会社や住宅会社で提携する金融機関があればその商品を優先的に薦められます。
これはメリットにもデメリットにもなります。
その商品が金利や団信など他より条件が良く、買主のニーズを満たす場合は良いです。
ただ、そうでない場合、提携ローンで決めてしまうと後悔します。
そもそも特定の商品前提であれば、相談相手としてはどうなの?ということはあります。
不動産会社や住宅会社の担当者が提携ローンをすすめる一番のメリットは、手続きなどが楽ということです。
何度も利用していますし、金融機関の担当者も良く知っていると何かと仕事がすすめやすいといえます。
ただ、当然ですが、
提携ローンで決める必要はありません。
新築分譲マンションなどで多くの方が提携ローンを利用していても、他にもっと良い、合う商品があればそれを利用することが問題ありません。
②返済額が少なく見える商品を薦められる
住宅会社も不動産会社も家を買ってもらうことが仕事です。
そのためには
購入者にお金の負担は感じてもらいたくない
と考えるのが普通です。
そこですすめられる住宅ローンや金利タイプは、変動金利を中心とした金利が低い商品になります。
そうすることで、買主は毎月の返済額、負担が少なく見えます。
変動金利を否定する考えは全くありません。
ただ、変動金利や期間選択型の住宅ローンは、金利上昇リスクがあります。
完済までの20年、30年金利が上がらない保証はもちろんありません。
ですので、
・固定金利含めしっかりと住宅ローンを検討したい
・ぺアローンで複数の住宅ローンを契約する
という人は、特に注意が必要かもしれません。
ぺアローンのメリットの1つは、
複数の金利タイプを契約できる点です。
住宅ローンに強くない
不動産会社でも住宅会社でも担当者はいろいろです。
ベテランの方もいれば新人の方、資格を持っている人、いない人など。
そのなかで住宅ローンに強い人もいれば、そうでもない人がいます。
住宅ローンと一言で言っても、実が決めることは多いです。
- 借入金額(住宅ローン控除)
- 金利タイプ
- 返済方法
- 返済期間
- 団信特約
住宅ローンに強くない人だと、数少ない選択肢から、検討すべきことを検討せずに決まっていく可能性がありますので要注意です。
銀行・金融機関に相談
次に、金融機関に相談する場合のメリットと注意点です。
メリット
金融機関に相談するメリットは、自社商品については誰よりも詳しいことです。
また、複数の返済プランの比較、毎月返済額、総返済額の比較など、より詳細にシミュレーションをしてもらいながら判断することができる点です。
注意点
注意点としては、自社商品を積極的に販売しなければならないので、数ある商品を比較することは難しくなります。
ですので、住宅ローンを決める上での情報収集、決めたあとの返済プランや返済方法などの相談としては、積極的に活用すべきです。
ファイナンシャルプランナー(FP)に相談
住宅ローン選びをファイナンシャルプランナーに相談する場合もあります。
メリット
ファイナンシャルプランナーに相談するメリットは2つです。
・特定の商品を薦められない
・ライフプランも同時に相談できる
ファイナンシャルプランナーの場合、特定の商品ではなく、すべての住宅ローンから相談できる点はメリットです。
また、ライフプランや保険などの相談も同時にできる点もメリットです。
住宅ローンでは団信に加入します。
それまでと保険の見直しをした方が良い場合もあります。
注意点
一方、ファイナンシャルプランナーに相談するときの注意点は以下3つです。
・住宅ローンに詳しいとは限らない
・不動産取引や実務、住宅のことが分からない
・保険契約メインの相談
住宅ローンに詳しいとは限らない
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家と言われますが、その範囲は広いです。
- 保険(リスク管理)
- 不動産
- 投資(金融資産運用)
- 税金
- ライフプラン二ング
- 相続・事業承継
ファイナンシャルプランナーだから、家のこと、住宅ローンに関して詳しいとは限りません。
住宅ローンを検討するにも、購入する物件や資金計画、住宅ローン減税など、さまざまなことが関係します。
依頼するファイナンシャルプランナーの相談実績やどこまで相談できるのかという見極めが大切です。
不動産取引や住宅ローン実務に詳しくない
前述の通り、不動産取引の流れと住宅ローン選びから融資実行まで密接に関係します。
住宅ローンを事前に検討する時間がしっかりある場合はまだよいですが、あまり時間がないといった場合は、取引への影響も考える必要が出てきます。
また、審査上、通りやすい金融機関やケースバイケースですすめやすい住宅ローンなどがあります。
こういった点は、普段実務をしていないと分からないことも多いです。
住宅ローン選びは大切です。
審査を通し、確実に融資実行に至らなければ意味がありません。
【相談事例】
神戸市垂水区で新築一戸建てを購入!50代でマンションを売却しての住み替えで、検討事項が多い中、建築・住宅専門のFPに相談しました
保険メインのFPが多い
ファイナンシャルプランナー主な収入源は、「相談料」「保険代理店の手数料」「その他講演料等」です。多くのファイナンシャルプランナーは、生命保険や医療保険、保険を活用した運用商品などの代理店として活動しています。
ですので、住宅ローン相談以上に、保険商品をすすめられる可能性がある点には注意しましょう。
もちろん、保険相談を一緒にできることがメリットになる方もいるかもしれません。
ただ、住宅ローンを利用することは、団体信用生命保険つまり死亡保障や特約含めた医療保険に加入することでもあります。
そのため保険の加入状況によっては、重複する保険金額や保険商品の見直しが必要な場合もあります。
保険メインのファイナンシャルプランナーだと住宅ローン相談の力の入れ方が変わるかもしれません。
住宅ローン相談は誰にすべき?
ここまでみてきたように、住宅ローン相談相手として、
・住宅ローンに詳しい不動産・住宅会社営業
・住宅専門など住宅ローン、不動産取引に強いFP
が良いと考えます。
相談するタイミングや検討する時間によっても変わりますが、不動産取引の手続きや購入する物件、資金計画含め住宅ローンを決めることがもっとも失敗しない方法です。
そういった点も含めて相談できる相手がベストと言えます。
まとめ
不動産・住宅会社営業に相談
【メリット】
・ 買う家のことが分かっている
・ 住宅ローン実務を知っている
【注意点】
・提携ローンをすすめられる
・返済額が少なく見える商品をすすめられる
・住宅ローンに詳しくない
銀行・金融機関に相談
【メリット】
・ 自社商品に詳しい
【注意点】
・自社商品をすすめられる
・他の商品との比較は難しい
ファイナンシャルプランナーに相談
【メリット】
・ 特定の商品を薦められない
・ライフプランも一緒に相談できる
【注意点】
・住宅ローンに詳しいとは限らない
・不動産取引や住宅ローン実務に詳しくない
・保険メインの相談