投稿日:2020年6月25日 | 最終更新日:2024年11月21日
神戸市東灘区・灘区の駅
阪神間では、北から、
・阪急神戸線
・JR神戸線
・阪神本線
が並行して走っています。
また、神戸市東灘区においては、
JR住吉駅を起点に六甲ライナー(神戸新交通)が六甲アイランドまでつないでいます。
神戸市東灘区、灘区は、阪神間の中でも、比較的鉄道の利便性が高い住環境として評価されている地域といえます。
神戸市東灘区の鉄道路線と駅
沿線 | 駅 |
---|---|
阪急神戸瀬 | 岡本・御影 |
JR神戸線 | 甲南山手・摂津本山・住吉 |
阪神本線 | 深江・青木・魚崎・御影・石屋川 |
六甲ライナー線 | 住吉・魚崎・南魚崎・アイランド北口 アイランドセンター・マリンパーク |
という駅があります。
東灘区の鉄道駅間
沿線の駅同士の距離がそれほど離れておらず、2沿線以上利用できる場所も少なくなく、交通利便性は高い地域といえます。
ちなみに、沿線間の近隣の駅までの距離は以下の通りです。(80m/分で計算)
JR甲南山手~阪神深江:徒歩14分
阪急岡本~JR摂津本山:徒歩4分
阪急岡本~JR摂津本山:徒歩4分
JR摂津本山~阪神青木:徒歩14分
阪急御影~JR住吉:徒歩18分
JR住吉~阪神御影:徒歩14分
神戸市東灘区の土地(公示地価)推移
直近10年の東灘区の公示地価の上昇率(前年比)の推移を表にしたものです。
(※国土交通省土地総合システム)
所在地 | 岡本 2丁目 | 本山北町 6丁目 |
駅徒歩 | 阪急岡本 5分 | 阪急岡本 3分 |
JR摂津本山 6分 | JR摂津本山 10分 | |
2011 | 0 | 0 |
2012 | 1.1 | 1.1 |
2013 | 2.2 | 1.9 |
2014 | 4.0 | 4.8 |
2015 | 5.2 | 4.6 |
2016 | 2.6 | 2.4 |
2017 | 3.1 | 1.9 |
2018 | 3.7 | 2.1 |
2019 | 1.8 | 1.6 |
2020 | 3.4 | 3.6 |
10年間の上昇率 | 130.5% | 126.6% |
所在地 | 本山南町 5丁目 | 森北町 7丁目 |
駅徒歩 | 阪神青木 5分 | JR甲南山手 16分 |
JR摂津本山 13分 | – | |
2011 | -1.5 | -1.3 |
2012 | 0.4 | -0.7 |
2013 | 1.5 | -0.7 |
2014 | 4.0 | 1.4 |
2015 | 4.9 | 1.3 |
2016 | 2.7 | 0 |
2017 | 2.0 | 0 |
2018 | 2.2 | -0.7 |
2019 | 2.5 | -2.0 |
2020 | 3.1 | -2.0 |
10年間の上昇率 | 125.8% | 97% |
所在地 | 西岡本 5丁目 | 西岡本 7丁目 | 住吉本町 1丁目 |
駅徒歩 | JR住吉 16分 | JR住吉 23分 | JR住吉 3分 |
2011 | 0 | -0.6 | -1.1 |
2012 | 0.9 | -0.6 | -0.6 |
2013 | 1.5 | -1.1 | 0 |
2014 | 4.0 | 0.6 | 2.2 |
2015 | 4.1 | -0.6 | 1.8 |
2016 | 2.2 | -1.2 | 2.1 |
2017 | 2.5 | -1.2 | 3.3 |
2018 | 2.9 | -1.2 | 5.1 |
2019 | 2.3 | -1.0 | 4.9 |
2020 | 2.3 | -1.2 | 6.7 |
10年間の上昇率 | 125.1% | 92.7% | 128.3% |
所在地 | 魚崎南町 7丁目 | 鴨子ヶ原 1丁目 | 御影石町 2丁目 |
駅徒歩 | 阪神魚崎 7分 | 阪急御影 | 阪神石屋川 7分 |
2011 | -1.7 | -0.5 | -0.9 |
2012 | 0 | 0.5 | 0.4 |
2013 | 0 | 0.5 | 0.9 |
2014 | 1.3 | 0.9 | 2.6 |
2015 | 0.9 | 0.5 | 2.1 |
2016 | 1.3 | 0.5 | 2.1 |
2017 | 0.9 | 0.5 | 1.7 |
2018 | 0 | 0.5 | 1.2 |
2019 | 0 | 0.9 | 2.4 |
2020 | 0 | 0.9 | 2 |
10年間の上昇率 | 104.5% | 105.8% | 116.0% |
※掲載した地点は、直近10年間の公示地価推移のデータがあるものを選んでいます。
神戸市灘区の鉄道路線
神戸市灘区では、
- 阪急電鉄:六甲・王子公園
- JR西日本:六甲道・摩耶・灘
- 阪神電鉄:新在家・大石・西灘・岩屋
という9つの駅があります。
灘区の鉄道駅間
東灘区同様、沿線の駅同士の距離がそれほど離れていません。
立地によって徒歩10分圏内で2沿線以上利用できる場所もあり、交通利便性は高い地域といえます。
阪急六甲~JR六甲道:徒歩10分
JR六甲道~阪神新在家:徒歩7分
阪急王子公園~JR摩耶:徒歩9分
JR摩耶~阪神西灘:徒歩6分
阪急王子公園~JR灘:徒歩9分
JR灘~阪神岩屋:徒歩4分
神戸市灘区の土地(公示地価)推移
所在地 | 赤坂通 1丁目 | 篠原北町 3丁目 | 曾和町 2丁目 |
駅徒歩 | 阪急六甲 13分 | 阪急六甲 11分 | 阪急六甲 5分 |
2011 | -0.6 | -1.1 | -1.4 |
2012 | -0.4 | -0.3 | 0 |
2013 | 1.2 | 0.6 | 6.0 |
2014 | 3.1 | 2.6 | 3.0 |
2015 | 2.6 | 2.5 | 2.9 |
2016 | 2.9 | 1.6 | 4.2 |
2017 | 2.9 | 1.1 | 3.3 |
2018 | 2.8 | 2.7 | 4.1 |
2019 | 3.0 | 1.3 | 2.8 |
2020 | 2.6 | 1.1 | 2.9 |
10年間の上昇率 | 122.6% | 114.0% | 133.2% |
所在地 | 国玉通 4丁目 | 八幡町 4丁目 | 岩屋中町 2丁目 |
駅徒歩 | 阪急王子公園 11分 | 阪急六甲 3分 | 阪神岩屋 5分 |
– | – | JR灘 12分 | |
2011 | -2.0 | -0.3 | -0.6 |
2012 | 0 | 0.3 | 0 |
2013 | 0.4 | 1.3 | 1.1 |
2014 | 2.0 | 4.5 | 4.0 |
2015 | 2.0 | 4.6 | 4.4 |
2016 | 1.6 | 4.4 | 4.7 |
2017 | 1.5 | 2.8 | 4.5 |
2018 | 1.5 | 4.1 | 4.3 |
2019 | 1.1 | 6.1 | 5.0 |
2020 | 1.1 | 7.2 | 8.7 |
10年間の上昇率 | 111.8% | 141.1% | 143.0% |
所在地 | 深田町 1丁目 | 徳井町 4丁目 | 箕岡通 2丁目 |
駅徒歩 | JR六甲道 5分 | 阪神石屋川 8分 | 阪急御影 8分 |
– | JR六甲道 15分 | – | |
2011 | 0 | -1.7 | -2.0 |
2012 | 0.4 | -1.4 | -0.5 |
2013 | 1.2 | 0.7 | 0.5 |
2014 | 4.4 | 3.2 | 1.5 |
2015 | 4.6 | 3.1 | 1.5 |
2016 | 5.5 | 3.3 | 1.5 |
2017 | 4.8 | 3.2 | 1.0 |
2018 | 4.6 | 4.0 | 1.0 |
2019 | 6.3 | 3.6 | 0 |
2020 | 7.7 | 8.0 | 0 |
10年間の上昇率 | 146.9% | 131.1% | 106.7% |
金融緩和による不動産価格の下支え
2013年に量的・質的金融緩和が開始され、2016年マイナス金利の導入は、不動産の需要を喚起し、不動産価格を下支えしてことがあります。
ですので、土地、マンション価格とも不動産価格は上昇傾向にあり、ここ東灘区や灘区でもその傾向はみて取れます。
こういった前提のもと、上記のデータを見ると、駅からの距離によって、不動産価格の上昇率に差があることが見て取れます。
駅近や2沿線以上利用可能な立地については、不動産取引における需要も高く、価格は上昇傾向にありますが、駅からの距離が離れるとこの金融緩和の状況下でも下落もしくは横ばいという傾向が見て取れます。
摩耶駅開業と地価への影響
神戸市灘区においては、2016年3月にJR摩耶駅が新規に開業しています。
以前、新駅開業に伴う不動産の資産性への影響について記事を書きました。
あれから4年ですが、JR摩耶駅周辺の不動産価格に影響はあったのでしょうか。
公示地価の調査地点で、JR摩耶駅開業の影響を大きく受けそうな地点(灘南通3丁目と灘北通8丁目)の地価推移は以下の通りです。
両地点とも、JR摩耶駅開業によって阪急・JR・阪神と3沿線の利用が可能になった地点です。
所在地 | 灘南通 3丁目 | 灘北通 8丁目 |
駅徒歩 | JR摩耶 3分 | JR摩耶 5分 |
阪神西灘 11分 | 阪急王子公園 6分 | |
2011 | 0 | 0 |
2012 | 1.1 | 0.5 |
2013 | 1.1 | 1.0 |
2014 | 4.6 | 4.4 |
2015 | 6.2 | 4.7 |
2016年3月開業 | 7.2 | 4.9 |
2017 | 7.2 | 5.5 |
2018 | 7.1 | 5.6 |
2019 | 9.8 | 10.7 |
2020 | 4.3 | 7.6 |
10年間の 上昇率 | 160.0% | 154.4% |
確かに、2016年3月にJR摩耶駅が開業し、それ以降の公示地価の上昇率は、それまでの上昇率を上回っている傾向が読み取れます。10年間の上昇率を見ても、他の地点と比べて、大きく上昇しています。
これを見ても、新駅開業は、地価へ少なからず影響していると言ってよいと思います。
前回の記事では、新駅開業の周辺相場に与える効果について、4つの条件を挙げていました。
①交通利便性の飛躍的な向上
②交通利便性の向上+地域ブランドの顕在化
③交通利便性の向上+居住ニーズの顕在化
④交通利便性の向上+駅周辺施設の環境整備
これらの条件が満たされた場合、新駅開業が不動産の価値に与える影響は大きくなるとすれば、まだ駅前の開発もされていないJR摩耶駅は、これからの地域ともいえます。
既に着工しておりますが、JR摩耶駅前に、2021年9月入居開始予定の分譲マンションと病院やスーパーなどの複合施設の開業が予定されています。(JR西日本と三井不動産)
こういった駅前の開発は、当然不動産価格にもプラスとなります。
(先ほどの条件でいうと④に該当する感じでしょうか。)
そのように考えると、JR摩耶駅周辺地域の地価(資産価値)は、今後上昇あるいは維持されやすい地域といえるかもしれません。
まとめ
直近10年間の公示地価の推移をみる限りでは、やはり
・駅からの距離が近い
・2駅利用など交通利便性が高い
地域とそうではない地域との違いを読み取ることができます。
以前は、阪急より北側の山の手が眺望含め人気があり、それと比べると阪神沿線の住宅地はあまり人気はなかったようですが、今は少し状況が違います。
大きな流れとしては、高齢化や人口減社会の中、駅近立地、交通利便性がより重視されるように見受けられます。
コロナによる影響で、都心から田舎への回帰が加速するという話もあります。
ただ、これからの人口減・高齢化社会の中、社会インフラを維持の観点からも、不動産の資産性は、鉄道駅を中心とした交通・生活利便性の高い地域が評価されると考えます。
今回の直近10年の地価推移は、これから10年後、20年後の地価推移の傾向も示していると考えられますし、これは東灘区や灘区以外の地域でも同様だと思います。
住宅を購入するにあたり、将来の住み替えや売却など資産性を重視したいということであれば参考にして頂ければと思います。