投稿日:2021年10月19日 | 最終更新日:2023年10月26日
後悔しないマイホーム予算とは?
家を買うとなると、最初に予算を決めると思います。
マイホーム予算で大切なことは、次の2点です。
- 住宅ローン返済の負担が大き過ぎない
- のちのちの教育・老後資金が準備できる
住宅ローン返済の負担感
国土交通省の住宅市場動向調査で「住宅ローンの負担感」について調査したものがあります。
全国 | 非常に 負担感あり | 少し 負担感あり | あまり 負担感なし | まったく 負担感なし |
---|---|---|---|---|
注文住宅 | 7.7% | 57.5% | 28.3% | 5.8% |
分譲戸建て住宅 | 11.6% | 50.5% | 28.8% | 5.6% |
分譲集合住宅 | 4.7% | 46.5% | 36.6% | 8.1% |
中古戸建住宅 | 7.1% | 47.6% | 33.5% | 10.6% |
中古集合住宅 | 6.3% | 48.1% | 34.8% | 9.5% |
●非常に負担感がある
生活必需品を切り詰めるほど厳しい
●少し負担感がある
ぜいたくはできないが何とかやっていける
●あまり負担感はない
ぜいたくを多少がまんしている)
●まったく負担感はない
家計にあまり影響がない
住宅種別によって異なりますが、「非常に負担感がある」「少し負担感がある」割合は、約55%~65%となっています。
老後資金について
また、20代から60代男女(800人)に行った「老後資金に関する調査」では、年齢が高くなるほど理想とする貯蓄額と現実の貯蓄額の差が広がっています。
年代 | 理想の貯蓄額 | 現実の貯蓄額 |
---|---|---|
20代 | 480万円 | 100万円 |
30代 | 1,000万円 | 300万円 |
40代 | 1,000万円 | 350万円 |
50代 | 2,000万円 | 500万円 |
60代 | 3,000万円 | 1,200万円 |
「老後に不安がある」と答えた方が全体の83.6%。
そのうち、「何に不安があるか」という回答で「老後資金」が1位になっています。
1 | 老後資金 | 79.5% |
2 | 健康維持 | 53.1% |
3 | 夫婦関係 | 27.7% |
4 | 社会とのつながり | 22.6% |
5 | 娯楽 | 15.5% |
6 | 交友関係 | 12.6% |
7 | その他 | 0.3% |
マイホーム予算は、購入後の生活、老後資金に大きく影響しますので慎重に判断する必要があります。
そして、予算を決める上で検討頂きたいことが、マンションと戸建てで予算を変えることです。
マンションと一戸建ての予算を変えるわけ
マンションと一戸建ての予算を変える主な理由は次の2つです。。
- 購入後の維持費が違う
- 必要な老後資金が違う
マンションと一戸建ての維持費の違い
家を購入したあとの主な維持費は次の通りです。
- 住宅ローン返済
- 固定資産税
- 火災保険料
- リフォーム・修繕のための積立
- 管理費(マンション)
- 修繕積立金(マンション)
- 駐車場代(マンション)
火災保険料や外壁、屋根などのメンテナンス費用は、マンションより一戸建ての方が高くなります。
ただ、これらを加味しても、長いスパンで見ると、維持費は一戸建てよりマンションが高くなることが多いです。
必要な老後資金が違う
これもリタイア後の維持費の違いからくるものです。
マンションの場合、リタイア時点で住宅ローンを完済しても管理費や修繕積立金等の維持費はかかります。
また、多くの管理組合が修繕積立金の積立方式として「段階積立方式」を採用しており、築年が経過するほど修繕積立金が高くなることを踏まえる必要があります。
段階積立方式
その時の所有者がその時点で必要とされる修繕資金を負担するという考え方のもと、段階的に積立金を増額していく方法。
一方、最初から必要な積立金額を算出し、その後は一定の金額で積み立てていく「均等積立方式」があります。
一般的に、長期修繕計画をもとに修繕積立金の額や増額時期、総額幅を判断していくことになりますが、管理組合の収支の状況はマンションごとに違います。
そのため、ある意味、築年が経過したマンションの修繕積立金がいくらになっているかは分からないともいえます。
リタイア後の家計支出、必要となる老後資金も一戸建てとマンションでは異なることになります。
予算と住宅コストは違う
マンションと一戸建てでは、同じ価格の家を購入しても、維持費が違うので、長期の視点でみた場合予算も変える必要があるということです。
つまり、購入時点の「予算」と維持費含めた「住宅コスト」は違うということです。
マンションと戸建ての予算ってどれくらい違う?
では、マンションと一戸建てではどれくらい予算の違いがでるのでしょうか?
一律にいうことは難しいですが、一例として、同じ4,000万円の新築マンションと一戸建てを購入した場合の40年間の住宅コストを比較してみます。
【前提条件】
●物件価格:4,000万円(諸費用200万円)
●住宅ローン借入金額:3,500万円
●固定資産税(40年間平均)
一戸建て:10万円/年
マンション:12万円/年
●火災保険料
一戸建て:12万円/5年
マンション:6万円/5年
●メンテンンス費用(40年間)
一戸建て:800万円
マンション:500万円
●管理費(40年平均):11,000円/月
●修繕積立金(40年平均):16,000円/月
これら維持費含めた住宅コストの違いは以下のとおりです。
マンション | 一戸建て | |
---|---|---|
物件価格 | 4,000万円 | 4,000万円 |
諸費用 | 200万円 | 200万円 |
住宅ローン(利息) | 552万円 | 552万円 |
固定資産税 | 480万円 | 400万円 |
火災保険料 | 48万円 | 96万円 |
メンテナンス費 | 500万円 | 800万円 |
管理費 | 528万円 | - |
修繕積立金 | 768万円 | - |
住宅コスト合計 | 7,076万円 | 6,048万円 |
マンションと一戸建てで約1,000万円の違いになります。
まとめ
長期の視点で購入後の生活を考えることは簡単ではありません。
そういう意味では、住宅のような長期間維持費がかかる買い物をする場合、ライフプランを作成することで予算や購入後の家計を判断することは有効です。
ライフプランを作成するためのシートは誰でもダウンロードできますし、ファイナンシャルプランナー等へ依頼することもできます。
信頼性の高いライフプランを作ることで、マンション、一戸建てそれぞれの維持費をしっかり踏まえた無理のない予算を把握することができます。