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一戸建て購入で後悔する理由
ヤフー知恵袋などを見ると「家を買って後悔」といった書き込みは数多くあります。
そして、見た感じ圧倒的に一戸建て購入の場合の書き込みが多そうです。

その理由として、
・周辺環境からの影響を直接受ける
・敷地や接する道路の状況
・建物の性能・仕様
・間取り
・売主(業者か個人か)
一戸建ては1軒1軒違い、個々の判断が難しいことが考えられます。
そして一戸建てを購入するときの「後悔」には2種類考えられます。
- 選択を間違えた
- そもそもそういった選択肢を知らなかった
この記事では、一戸建て購入時の項目を9つに絞り、後悔をなくすためのポイントをまとめました。
交通・生活の利便性
職場や都市部へのアクセスのしやすさ、生活のしやすさは、日々の生活にも大きく影響します。
新たに知らない場所に家を購入する場合は特に、後悔する可能性も高くなります。
場所選びについては、慎重な判断が必要です。
交通利便性は、同時に物件の資産性にも直結し価格に反映されます。基本的には利便性が悪くなればなるほど、資産性という意味ではマイナスになります。
最寄り駅までの経路・利便性
いざ生活を始めると、
- 最寄り駅まで時間、日々の通勤や外出が想像以上に負担
- 利用できる電車の種類、駅周辺の施設やお店などが不満
- 少し不便になるくらいに考えていたが、想像以上に不便
などの後悔があります。
都市部の賃貸住宅から郊外の一戸建て等に引っ越す場合などは、十分に検討する必要がありそうです。
生活の利便性
- 子どもの学校区、通学路
- 買い物利便性
- 病院や郵便局、金融機関
- 公園や図書館、その他公共施設など
生活する上で利用する施設はいろいろまります。
その中で、
- 以前より生活が不便になった
- お店や病院の選択肢が少ない
- 子どもを連れていく場所がなくなった
といった後悔があります。
ポイント
1,優先順位を明確にする
一戸建ての場合、土地の価値と建物の価値に明確に分けられます。
利便性の高い場所は当然土地の価格も高くなります。
ですので予算との関係から、
・利便性(土地の価値)を重視するのか
・生活空間(建物)を重視するのか
どちらをより優先するのかしっかりと決める必要があります。
一戸建ての場合、最後に資産として評価されるのは土地になります。
2,最寄り駅を利用し、実際に歩く
最寄り駅のことを調べ、実際に利用する。
また、物件資料は80m/分の計算のもと、駅からの必要時間が掲載されています。
ただ、実際歩くと違う場合もあります。
坂道や歩きやすさ、安全性など確認しながら実際に歩いてみましょう。
周辺環境
一戸建てはマンションと違い、前面道路から生活スペースまで距離がありません。
ですので、周辺環境はより重要になってきます。
前面道路の交通量
- 家の前の道路が実は生活道路や抜け道に利用されており、思った以上に交通量が多い
- 敷地が交差点に位置し、車の飛込みが怖い
- 道路の幅員が狭く、車のすれ違いが難しい
交通量の多い道だと、車庫入れする際に不便ということもあります。
音や振動、声
- 道路の車や電車の音、振動が気になる
- 隣の公園からの声や通学路になっていて騒がしい
- 工場・店舗からの音、声
など内見時には気づかなかったという場合があります。
ポイント
- 時間帯を変えて物件、周辺施設を確認
- 昼間と夜での街の雰囲気や人通り、明るさ、治安などを確認
- 用途地域を確認する
用途地域によって建築できる建物は変わります。周辺の気になる施設がある場所含め、用途地域を確認してみましょう。
近隣関係
住宅密集地域や敷地に建ぺい率目いっぱい建てられている場合は、隣接住戸からの影響は大きくなりがちです。
また、マンションのような管理組合はなくても、自治会やそれぞれの地域独自のコミュニティが形成されている場合もあり、地域の付き合いが必要となります。
近隣住戸との関係
- (窓の位置や大きさなど)視線が気になる、プライバシーの問題
- 隣からの生活音が気になる
- 分譲地を購入した際、ママさんのコミュニティになじめない、付き合いが多い
隣が空き地、近隣に大きな空き地
- 将来隣に家が建った場合の環境の変化
- 老朽化した空き家の場合、台風や火災時の危険性
- 近隣の大きな空き地に、マンションや商業施設など大規模建築物が建ち、日照や環境が変わる可能性
ポイント
新築戸建ての場合、分譲会社や住宅会社は、工事に先だって近隣挨拶を必ず行っています。
隣接住戸にどういう人が住んでいるか情報収集ができます。
また、中古戸建ての場合は居住中の売主さんから、空き家の場合は不動産会社通じて確認しましょう。
日当たり・採光

日当たりは、健康面や光熱費にも影響します。
一戸建てはマンションと異なり、1つ1つ条件が異なる上、周辺施設の影響を受けやすいので、しっかりとチェックが必要です。
時間帯や季節による違い
- 冬場は想像以上に日当たりが悪い、暗い
- 内見した時間帯と日の入り方が全然違った
新築未完成の分譲戸建ては要注意
注文住宅の場合は、日当たりや採光について打合せしながら確認する機会はありますが、新築未完成の分譲戸建ての場合は、図面が決まっていまるので特に注意が必要です。
ポイント
物件を見る時期や時間帯も考慮しながら、日当たりを判断する。
日当たりや採光は、1つの要素だけで判断すると失敗することがあります。
- 開口部(窓)の向きがどちらの方角か
- 敷地周辺に日差しを遮る建物はないか
- 窓や開口部の大きさ、位置(高さ)
- 形状的(特にリビング)に光が届きにくいことはないか
をチェックして判断することをおすすめします。
未完成物件で心配なときは、進捗状況にもよりますが、照明の数や仕様の変更、場合によってはトップライトの設置も検討依頼しましょう。
戸建ての間取り・生活導線

間取りや使い勝手に関する後悔は、特に一戸建てではいくつもあり得ます。
いざ生活をしてみると、無駄なスペースや導線に気づく、使いづらい空間や収納があるということは多くの方が経験されています。
また、ドア同士の開閉に気を遣う、家具や物を置いた際の開閉がしにくいなどの問題もあります。
ポイント
一番問題になりやすいのは家事導線です。
- 食事を作る→運ぶ→食べる→片付ける
- 洗濯ものを集める→洗濯する→干す→たたんで収納する
といった一連の作業を想像しながら図面を見たり、内見することが必要です。
住宅ローン毎月の返済が厳しい

- 住宅ローンの返済が厳しい、できない
- 必要な貯金ができない
- 固定資産税や光熱費の負担が大きい
- 将来のメンテナンス費用が積立できない
ポイント
家を買う前と後では、お子様にかかる費用含め、家計の状況は時間とともに変わります。
ですので、収入や家族構成に見合った予算や借入金額であることが必要です。
それを知る一番確実な方法は、ライフプランを作成し、長期の視点でお金のことも確認することです。
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3階建て一戸建てで後悔
特に都市部では、立地が良ければ土地価格は高くなります。
また、分譲会社も利便性の高い地域であれば、土地が狭くでも売れるという判断をしやすいです。
そこで、予算や立地条件を考えたときに、あまり土地面積が広くはない3階建てを検討することもあります。
3階一戸建てで気をつける点
- 生活導線が悪い
(特に、2階に水回りが集中していない場合) - 冷暖房の効率が悪い ※間取りによる
- 年齢をいった時の階段昇り降りが心配
ポイント
ただ、3階建ての住宅がダメという訳ではありません。
3階建てにもメリットもあり、2階建てより資産性が高い物件もあります。
一般論として3階建てのメリットは次の通りです。
3階建て一戸建てのメリット
- 立地条件が良い場所でも手が届く予算で買える
- 特に、2階、3階は日当たり、風通しが良い
- 2階に水回りが集約されていると比較的楽
- 1階、2階、3階の生活空間が分けられる
こういったメリットと後悔しそうなポイントを踏まえ、物件選びをすすめて下さい。
家の資産価値・オーバーローン
家(不動産)は資産です。
また、資産性を維持するためにも、戸建ての場合、メンテナンスは自分で計画・実施していく必要があります。
- 売却したいが売れない
- 売却価格が低い
- 売却価格で住宅ローンが完済できない
- 住宅ローンの借り換えができない
(担保価値が足りない)
購入時の自己資金が少ない場合など、家の価値より住宅ローン残高の方が多いという状態が続きやすくなります(オーバーローン)
ポイント
一戸建ての場合、築年数に従って最後に資産として残るのは「土地」です。
もし、のちのち家を売却するなど、資産価値が問題になる場面を想定する場合は、
- 購入する地域・最寄り駅
- 利便性含めた立地条件
- 土地の広さや形状
- 道路付けなど
資産価値が維持しやすい物件選びが重要となってきます。
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資金計画・補助金の活用

一戸建てを購入する場合、土地や建築費用、物件価格以外にもさまざまな諸費用が必要となります。
また、中古住宅にはない新築優遇の税制や補助金などもあります。
- 〇〇〇〇万円の中古より●●●●万円の新築を買うべきだった
- 住宅の性能にもっとこだわるべきだった
- 外構工事や追加工事が思った以上にかかった
物件選びや中古か新築かの判断で後悔することがあります。
ポイント
- 新築住宅に含まれる消費税を知る
- 建築費用、物件価格に含まれる費用を知る
- 新築と中古の住宅ローン減税の違いを知る
- 新築の補助金の適用可否、条件を確認する
- 購入物件による住宅ローン金利の違いを知る
こういったことを踏まえた上で、新築、中古の価格差や性能を比較しながら、物件選び、家づくりをすすめることが必要です。
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まとめ
一戸建て購入での後悔しがちな9つの項目とポイントをお伝えしてきました。
- 交通・生活の利便性
- 周辺環境
- 近隣関係
- 日当たり・採光
- 間取り・生活導線
- 住宅ローン返済できない
- 3階建て一戸建てで後悔
- 家の資産価値・オーバーローン
- 資金計画・補助金の活用
家を買う難しさの1つは、失敗が許されないことです。
もちろん買い替えしなおすことができる場合、できる人もいらっしゃると思いますが、基本的には難しいです。
後悔しないために参考にしてみてください。