投稿日:2017年7月18日 | 最終更新日:2023年6月14日

はじめに

下のグラフは、『日本とアメリカの住宅に対する価値観』についてのアンケート結果です。

住宅に対する価値

「リクルート住まい研究所消費者調査」から引用

日本とアメリカでは、マイホームに求める価値が大きく異なります。

家を買う理由や求める価値は、人それぞれ違います。

この記事では、日本とアメリカの住宅に対する価値観の違いをまとめました。

これからの住宅購入で求めるもの、優先順位を決める上での参考にして頂ければと思います。

日本とアメリカのマイホームに対する価値の違い

このアンケートで日本とアメリカで大きな違いが出たのが以下です。

  • 家に求める資産価値
  • 住環境として求める価値

家に求める資産価値

家は住環境であると同時に資産でもありますが、日本とアメリカでは、マイホームに求める資産性が大きく異なります。

『家は資産として有利な投資対象である』

日本37.1%
アメリカ87.2%

『家は経済的な財産、資産である』

日本83.5%
アメリカ90.9%

『家は子や孫に残すべき財産である』

日本38.4%
アメリカ45.4%

家の資産性や投資対象、経済的財産として見る目は日米でかなり違います

日本とアメリカで求める資産性が違う背景

これは、アメリカでは住替えが当たり前であるのに対し、日本では、住み替えを前提にマイホーム購入をする発想自体が少なく、永住志向で家を買う方も少なくないことも影響していると考えられます。

同じ調査で、『生涯の持家回数』についても

・日本:1.8回
・アメリカ:2.8回


アメリカの場合、日本より平均で1回住み替えする回数が多くなっています。

新築市場・中古市場の違い

これは中古住宅売買が中心のアメリカ新築住宅が中心の日本というマーケットの違いも影響しています。

全住宅流通量に占める中古住宅の割合を国際的に比較しても大きく違います。

アメリカ83.1%
イギリス87%
フランス68.4%
日本14.7%
既存住宅流通を取り巻く状況と活性化に向けた取り組み(国土交通省)

住み替えが多いことは住宅購入時に売却に対する意識も高くなります。

その結果、家を資産や投資対象として考える意識が高くなると考えられます。

同時に、その背景として、日本とアメリカの不動産取引の違いがあります。

アメリカの方が、中古住宅を評価する制度、中古住宅がより買いやすい(流通しやすい)環境が整っています。

つまり、中古住宅でもしっかり流通し、資産価値を維持しやすい不動産市場になっていると言えます。

住環境として求めるもの

また、日本とアメリカでは、住環境として求める価値にも違いがみえます。

『家は家族が団らんする場所である』

日本95.0
アメリカ54.1

『家は仕事の疲れを癒す休息場所である』

日本95.3
アメリカ55.4

『家は家族の思い出を刻むものである』

日本88.8
アメリカ71.1

マイホームという住環境に求める、やすらぎや居心地の良さ、体を休めるといった意識が、日本とアメリカで違うことが分かります。

日本とアメリカで住環境に求めるものが違う理由

このような違いは、
家の資産や投資対象としての見方の裏返しでもあり、アメリカは日本より住まいに対する価値観がより合理的であることが考えられます。

日本の場合、生涯での住宅購入機会が少なく、「住環境」や「住み心地」に対する価値に重きを置きやすい。

加えて、不動産市場もアメリカと比較すると、新築の割合が大きく、住宅にかける予算も受け入れやすい反面、永住志向になりやすい点もあると思います。

対してアメリカの場合、ファミリー向けの賃貸住宅は日本ほど多くないようで、多くの国民が住宅を購入します。

また、中古住宅の流通量が多く、住み替えを前提とする分、住み心地や住環境に対する価値より資産性に対する価値が大きいように思えます。

資産価値か住環境か?

マイホームに対する価値として、何を重視するかは、これから住宅を購入する人にとって重要です。

  • 少子高齢化・人口減社会
  • 中古住宅の流通促進
  • コンパクトシティの促進…
  • 働き方や生活、生き方の多様化

こういった背景を考えると、

資産性や住み替えのしやすさが、これまで以上に重要な判断要素になるとも考えられます。

住宅のもつ価値は、大きく2つあります。

  • 住環境としての価値
  • 資産としての価値

マイホーム購入時、

将来の人生設計やライフプランなども含め、自分や家族にとって何が重要で優先すべきかを考えることが大切です

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