投稿日:2020年4月4日 | 最終更新日:2023年6月10日
新型コロナウィルスが与える影響
新年度を迎えましたが、新型コロナウイルスの感染は世界規模で広がっています。
こから感染がどれくらい、いつまで広がるのか、その影響はどれくらいのものになるのか、現時点で予測できる人はいないでしょう。
今私たちにできることは、1人1人が可能な限り、感染しない生活を送ること、そして、自分自身が感染しているかもしれないという意識で日々を過ごすことだと思います。
言葉で書くのは簡単ですが、なかなか難しいことです。
正直私自身も、不要不急の外出は避ける生活をしていますが、やはりそれ相応のストレスがかかります。
今は自分ができることに集中し、耐えるしかないのかなと思います。
家を買ったり、売ったりといった不動産取引にも大きな影響は出ています。中国からの設備機器が入荷できず、引渡しができないといったことも起きています。
その中で、今日は、コロナウィルスの拡大するこの状況の中で、住宅ローンを既に組まれている方、これから組もうとされている方について書きたいと思います。
住宅ローンを既に組まれている方へ
今回のコロナによって、人の健康や生命だけでなく経済的な打撃は計り知れません。
現在住宅ローンを返済中の方(私もそうですが)で、返済自体が困難になる、その可能性があるという方は、早めに借入をしている金融機関に相談してください。
各金融機関によって対応は異なりますし、借入されている方の状況によっても対応は異なってきます。
返済が厳しくなった時にどういった方法があるのか、住宅ローンのリスケジュールが考えられます。
つまり、返済方法、返済期間の組み直しですね。
住宅ローン返済のリスケジュール
金融機関、借入状況によって対応異なると思いますが、リスケジュールの方法は、
- 返済期間を延長すること
- 返済額を一定期間減額してもらう
- ボーナス返済の変更
などが考えられます。
住宅ローン返済期間の延長
現在組んでいる返済期間を延長することによって、とりあえず毎月の返済額の負担は減ります。
ただ、延長する期間や借入金額、借入残高によって、その効果は変わります。ご自身の返済額可能額を考えながら、金融機関に相談してみてください。
返済期間が長くなった分、総返済額は変更前より増えますが、収入が元に戻った段階で繰上げ返済(期間短縮型)など返済期間を短くすることで対応もできます。
一定期間の返済額減額
収入が減る間の一定期間の返済額を減らすという方法です。収入が元に戻り安定した一定期間経過後の返済額は、当初の返済額より増えますが、住宅ローンの返済を継続するための一時的な措置です。
ボーナス返済の変更
ボーナス返済を併用している方が対象ですが、ボーナス返済の割合を4割から2割、あるいはボーナス返済自体をとりやめ。毎月の返済だけにしてもらうといった対応です。
企業業績の悪化による社員の給与への影響は、まずボーナス(賞与)にきます。ボーナス返済月の返済が厳しくなりそうという方は相談してみてください。
住宅ローンの延滞の影響
住宅ローン返済が厳しいとしても、安易に延滞してはいけません。
住宅ローンを延滞してしまうとどうなるのか。
1度延滞したからといって、すぐに何かあるというわけではありませんが、延滞が続くとなると話は違ってきます。
3か月以上返済ができないとなると、支払いの催告から始まり、住宅ローン残債の一括返済を求められる、、最終的には競売手続きにより強制的に家を手放さなければならないということになります。
競売にかけられる前に任意売却という方法もありますが、債権者(金融機関等)の同意が必要です。
競売となった場合、市場価格よりかなり低い売却価格で家を手放さなければならなくなります。
また、ここまで行かなくても、延滞した結果、返済日の翌日から遅延損害金(利率は住宅ローンを契約した際の金銭消費貸借契約書に記載されています)が発生し、実質返済の負担が増えます。
さらに、延滞が続くと、個人信用情報を管理する信用機関に延滞の記録が登録されることになります。
そうなると、将来の一定期間、新たにローンを組んだり、クレジットカードを作ったりといったことが制限されます。
住宅ローンの借り換えができない
住宅ローンの延滞記録が登録された場合、住宅ローンの借り換えも難しくなります。
今回のコロナウィルスによって、今後の住宅ローン金利動向について心配される方も少なくありません。
フラット35などの全期間固定金利で組まれている方は別としても、変動金利や10年以下の固定期間選択型の住宅ローン商品を組まれている方は、将来の金利上昇を考え、住宅ローンの借り換えも検討される方もいると思います。
住宅ローンの借り換えは、新たに借換え先の金融機関については、新規で借入することと同じです。
新規での住宅ローン申込みとなると、当然審査が必要です。
その際、個人信用情報に延滞記録がある場合、審査が通らず、借り換え自体困難になります。
このように延滞した場合の影響は、さまざまな面で制約が生じます。
ですので、早めに金融機関に相談あるいは一般社団法人全国銀行協会もカウンセリングの窓口を設けていますので相談してみてください。
これから住宅ローンを組まれる方に
コロナウィルスによる影響を踏まえながら、今後の住宅ローン金利動向と返済方法について。
住宅ローンの金利動向について
これからの住宅ローンの金利動向ですが、景気は世界的に悪化することは避けられません。
それによって、日本でも景気低迷、デフレが続き、住宅ローン金利がさらに下がるのではないかという見方があります。
ただ、住宅ローンの金利は、既にこれ以上下がらない水準まで来ています。仮に、下がったとしても大きな変動は考えられません。
それよりも、世界の経済情勢がどのようになるか読めない状況です。我々の住宅ローンの金利についても、日本の経済状況や金融政策だけでなく、世界の経済、金融政策の影響を受けます。
コロナがいつ収束するのか、収束後どのようになっているのか、今とは全く違う経済情勢になっている可能性があります。
通常の住宅ローン金利上昇であれば、景気が良くなり、物価が上昇、それに合わせて金利も上昇といった流れが正常です。
ただ、今回の事態を見ていると、日本の国債の信用性や各国の対応によって、正常でない金利上昇もありうるのではないかと考えます。
それを予測することは困難ですが、いずれにせよ、これから住宅ローンを借りられる上で、金利上昇はない、さらに下がるのではないかといった考えで変動金利や固定期間の短い住宅ローン商品を選択するのは危険ではないかと考えます。
変動金利を選択するのであれば、金利上昇局面になった際のリスクヘッジやリスクを吸収できるといった見通しを持ったうえで選ばれることをお薦めします。
住宅ローンにおけるボーナス返済について
毎月の返済額を少なくしたい、購入前の家賃と同じくらいの返済額にしたいという意識でしようか、ボーナス返済を併用される方がいらっしゃいます。
ボーナス返済を併用してもしなくても、年間の返済額、総返済額は変わりません。ただ、ボーナス返済を併用することで、毎月の返済額が少なくなり、何となく返済の負担が少ないと感じてしまう方もいます。
もっというと、毎月の返済額が多ければ、購入者は住宅ローン返済をしていけるだろうかという不安が出てきます。それを避けるために、住宅会社や不動産仲介会社に担当者の方は、ボーナス返済併用を薦め、毎月の返済額を少なく見せようとするかもしれません。
ボーナスは、毎月の基本給や残業代以上に会社の業績に連動します。
また、毎月の給与と異なり、ボーナスの支給義務についても、労働契約や就業規則によって異なります。
今回の新型コロナウィルスの影響に限らず、住宅購入後の収入の見通しという意味で、私はボーナス返済は基本的にお薦めしません。
もしボーナス返済を利用したいということであれば、その分をボーナス時期に繰上げ返済をすれば同じことになります。
最後に
今回のコロナウィルスは、まだまだ収束の兆しが見えず、生活や収入に対しての不安は尽きないと思います。
ただ、今はできることをするしかありません。
住宅ローンの借入がある方、これから家を購入される方、参考にして頂ければ幸いです。
皆さん、苦しいですが、ご家族やご友人など大切な方を思い、助け合いながら頑張りましょう。
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