投稿日:2020年1月27日 | 最終更新日:2024年11月21日
空き家数・空き家率
5年ごとに実施される総務省「住宅・土地統計調査」で空き家率が公表されています。
(平成30年の住宅・土地統計調査)
全国・兵庫県の空き家数
前回、平成25年の調査時と比較すると、全国で見ると
・空き家数は26万戸増の846万戸
・空き家率は0.1%上昇し13.6%
このうち、兵庫県の空き家数は、約36万戸となっています。
神戸市の空き家数・空き家率
兵庫県の中でも、神戸市の空き家数・空き家率の推移は以下のようになっています。
神戸市の
・空き家数は 109,200 戸
・空き家率は 13.3%
なっており、平成 25 年の同調査から空き家率 0.2 ポイントの上昇となっています。
神戸市の区別の空き家率
さらに下表は神戸市の区別で見た空き家率です。(平成30年)
区 | 空き家率 |
---|---|
東灘区 | 11.1% |
灘区 | 13.7% |
中央区 | 12.9% |
兵庫区 | 16.2% |
長田区 | 18.3% |
須磨区 | 13.7% |
垂水区 | 14.0% |
北区 | 12.7% |
西区 | 10.5% |
神戸市全体 | 13.3% |
全市を上回る空家率は、灘区、兵庫区、長田区、須磨区、垂水区となっています。
空き家が与える影響
空き家数、空き家率は、地域性で差があります。
では、こういった空き家が多い、増えると、これからの住宅購入にどういった影響があるのでしょうか。
資産価値への影響
空き家(空き家率)が高くなると、その地域で不動産物件が流通しにくい、売買が成立しにくくなります。
この点、不動産の資産性は、立地や流通性による影響が大きいです。
不動産の価値を査定する際にも大きな影響を与える要素です。
つまり、空き家数が多い、空き家率が高い地域になると、土地や建物の評価が高くても、資産価値を維持するのが難しくなっていきます。
空き家が増える悪循環
街は人の入れ替わりによって新陳代謝が行われ活性化されます。
空き家が増え、取引が活性化されない地域では、不動産の所有者が変わらず、その人が転居や入院、施設入所、亡くなったりすると、土地建物だけが残され空き家が発生するわけです。
そういった地域では、不動産取引自体が少なくなっていくと、ますます地域が活性化されず、空き家率が上がるという悪循環になりえます。
ですので、これから購入するエリアや地域について、
- 購入する地域の空き家率は?
- 将来の空き家率の見通しは?
をしっかりと確認することが大切です。
生活環境や利便性への影響
空き家が増えると、地域の安全性や防犯性にも影響します。
空き家でも、管理されていない空き家が近隣にあると、台風や大雨などの自然災害や火災などのリスクを抱える可能性があります。
また、空き家率は長期の視点で見ると、自治体の財政にも影響する問題です。
人口が減り、進出する店舗や商業施設が減ることは、生活の利便性だけでなく、自治体の税収にも影響します。
マンションの維持費への影響
例えば、神戸市東灘区や中央区などは、マンションの割合が大きいマンション市場です。
こういったマンション内で空き家が増えてきた場合、どのような影響があるでしょうか。
マンションは、管理組合を組織し、維持管理をし、そのための管理費と修繕積立金を徴収しています。
ただ、マンション内の空き家が増えると管理費や維持管理費の滞納が増えるという状況になりやすくなります。
もちろん、本来マンションの区分所有者は、居住しなくても、管理費や修繕積立金を負担する義務があります。
ただ、空き家の多いマンションは、相続人が分からないなど滞納につながりやすいということです。
重要事項調査報告書
マンション購入の際に、管理状況や長期修繕計画について確認する資料として、重要事項調査報告書というものがあります。
この資料では、管理費や修繕積立金などの徴収、積立状況を確認できます。
・マンション全体で滞納がどれくらいあるのか?
・滞納に対して、どういった対策を講じているか?
しっかりと確認が必要です。
まとめ
日本は残念ながら人口減少社会です。
その中で不動産を購入し、維持していくには、リスクヘッジが必要です。
空き家数や空き家率は、現在もしくは将来の資産性表す1つの指標とも言えます。