投稿日:2022年2月6日 | 最終更新日:2023年10月11日
コロナとマイホーム購入への影響
コロナ感染拡大が始まって2年になろうとしています。
その中で不動産価格は上昇を続けています。
このコロナ禍で住宅需要がどのように変わったか?
各種調査結果なども踏まえながらまとめましたので、今後のマイホーム購入の参考として頂ければと思います。
リモートワークの普及
コロナ感染拡大によりリモートワークが普及しました。
下記は、総務省の民間企業におけるテレワークの実施状況を調査したものです。
●第1回緊急事態宣言時は56.4%
●第2回緊急事態宣言時は38.4%
地域別では首都圏はじめ、大都市圏でのリモートワーク普及率が高くなっています。
そして、今後コロナがいつ終息するかは分かりませんが、リモートワークの流れは、一定程度定着傾向にあるようです。
また、リモートワークに加え、緊急事態や蔓延防止など宣言がでるたびに外出自粛が求められ、在宅時間が増えています。
そんななか、マイホームに求めるニーズにも少し変化があります。
マイホームに求めるニーズの変化
suumoが行った調査によると、在宅時間が増えたことで住宅に対するニーズにも変化があります。
- 部屋数が欲しくなった
- 広いリビングが欲しい
- 仕事専用のスペースが欲しい
- 収納スペースを増やしたい
- 庭が欲しくなった
また、求める住宅性能にも変化があるようです。
- 省エネ性能(冷暖房効率)
- 換気性能
- 耐震性
省エネ性、安全性、快適性を求める傾向が強くなっているようです。
在宅時間の増加によって、光熱費に対する意識も高くなっていることもありそうです。
また、世界的に脱炭素、環境性能が求められる中、ハウスメーカーや工務店、作り手に求められる住宅性能が高まる一方、それによるコスト増をどう消費者に理解してもらうかという課題があります。
この点、2022年改正の住宅ローン減税において、
国は住宅の環境性能によって、
住宅ローン減税額に明確に差をもうけています
リモートワークの普及、外出制限で在宅時間が増える中、消費者の住宅性能に対する意識も高くなり、それに見合うコスト負担も以前より受け入れやすくなっていると考えられます。
不動産価格の上昇
先日、首都圏(1都3県)の新築マンション価格が前年比より2.9%上昇し、6,260万円とバブル期(1990年)に記録した6,123万円を上回り、過去最高を更新しました。
- 低金利政策
- 金融緩和
- 地価上昇
- 建築コストの上昇
などを背景に、年々価格は上昇しています。
これは、関西や中部など地方都市圏でも同様の傾向です。
ただ、こういった不動産価格の上昇に対して、消費者の購買意欲、需要はどうなっているかというと、決して低くなっているわけではなさそうです。
購入する側も、コロナによって、旅行や外出、外食が制限される中、そこにかけていたお金が、住居費つまりマイホーム購入費用に向いている側面もあるようです。
年収に対する住宅価格の上昇
ただ、住宅価格が上昇する一方、会社員の所得は増えていません。
そうすると当然、収入に対する住宅価格は高くなります。
東京カンテイさんのレポートによると、
2021年の新築マンションの年収倍率が、全国平均で8.93倍になり4年連続拡大しています。
新築マンションの年収倍率
(2022年10月31日東京カンテイプレスリリース)
ここでの年収倍率は、
新築マンションの70㎡換算価格が年収の何倍に相当するか
を算出したものです
購入者は、新築と中古のマンション価格を比較して購入判断をしますので、新築マンションの価格が上がれば、中古マンションの価格もそれに見合う形で高くなります。
永住か売却か?
また、suumoさんの調査によると、首都圏のマンションや中古戸建ての購入者の意識として、永住より将来の売却を想定した購入を考えられる方が増えているとのことです。
これは特に資産価値を維持しやすい首都圏ならではの特性もあり、全ての地域に当てはまるものではないと考えられます。
ただ、将来不安を感じる方が増えている中、将来のリセールバリュー(再販価格)を考えた、投資的な目線で住宅購入する人が増えているのは間違いないと思われます。
そして、資産価値を維持しやすい(資産性が高い)物件は、価格もそれだけ高くなります。
まとめ
今は、コロナを背景に住宅に求める価値が少しずつ変わりつつあります。
それにともなって、マイホームにかける予算やコストに対する意識も変わっている状況ではないかと考えられます。
ただ、一方で収入は増えないなか、不動産価格は上昇し続けています。
その中で、これから家を買われる方は、
- 購入後も無理のない予算
- 住宅の求める環境(広さや性能)
- 人生設計や資産性踏まえた物件選び
がより大切だと思います。