住宅購入時の保証は?

新しく家電製品を購入すると通常1年間のメーカー保証がつきます。
それと別に、家電量販店で買う場合など販促手段として3年保証や5年保証など保証内容や保証料もさまざまですが、長期保証があったりします。

では…家を購入した場合の保証ってどうなっているんでしょう?

家を買うとき、その住宅に欠陥や不具合がないかということは気にされますが、実際にあとで欠陥が見つかったときに、どういった対応ができるのかということは知らない方も多いです。

そのための法律上の責任として、「瑕疵担保(かしたんぽ)責任」があります。

住宅における「瑕疵」とは、簡単にいうと欠陥(シロアリや雨漏り、給排水間の不具合など)といったことを指しますが、大きくは次4つに分けられます。

・建築基準法などに違反している
・建物が設計と異なっている
・契約内容に違反している
・一般的な性能を欠いている

瑕疵担保責任とは、

住宅を販売業者さんや個人から買う場合に交わす売買契約、注文で住宅を新築する場合に交わす請負契約、これらの契約に基づいて、引き渡された住宅の品質や種類が契約内容と違う場合に売主や工事を請け負った業者が、買主または注文者に負う責任をさします。

買主は、見つかった欠陥(瑕疵)について、補修や損害賠償を求めたり、場合によっては契約解除を行うことができます。

これは民法(570条)で規定されていますが、住宅の売買契約や請負契約については、

・売主が誰か(業者か個人か)?
・新築住宅か中古住宅か?

によって、宅建業法や2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が、民法の特例(民法より優先的される法律)として適用されます。

宅建業者から住宅を購入する場合

宅建業法40条で売主が宅建業者の場合の瑕疵担保責任について規定されています。

宅地建物取引業法40条

第四十条 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵かしを担保すべき責任に関し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百七十条において準用する同法第五百六十六条第三項に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。

2 前項の規定に反する特約は、無効とする。

売主が宅建業者の場合として、新築の分譲マンションや戸建て住宅を購入する場合、また、中古住宅でも、中古住宅を買い取って、リフォームやリノベーションを行い再度販売するというケースなど、宅建業者が売主となっている場合もあります。

この場合の瑕疵担保責任ですが、責任を追及できる期間を引渡しから2年以上にしなければならないとしています。
これに反する特約は無効になり、民法の規定が適用されます。

民法(570条)の規定は、瑕疵を発見した時から1年間責任を追及できるとしていますので、売主にとっては宅建業法より厳しい、ほぼ永年といってよい負担を負うことになります。

個人が売主の場合より、不動産の専門家・プロである宅建業者の売主の責任を重くしているわけです。

宅建業者から新築住宅を購入する場合

また、同じ宅建業者が売主の場合でも、新築住宅を購入する場合は、10年間の瑕疵担保責任が義務づけられます。

これは2000年(平成12年)施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)によって定められた瑕疵担保責任の特例です。

住宅の品質確保の促進等に関する法律95条

第九十五条 新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた について、民法第五百七十条において準用する同法第五百六十六条第一項並びに同法第六百三十四条第一項及び第二項前段に規定する担保の責任を負う。この場合において、同条第一項及び第二項前段中「注文者」とあるのは「買主」と、同条第一項中「請負人」とあるのは「売主」とする。

2 前項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とする。

3 第一項の場合における民法第五百六十六条第三項の規定の適用については、同項中「前二項」とあるのは「住宅の品質確保の促進等に関する法律第九十五条第一項」と、「又は」とあるのは「瑕疵修補又は」とする。

但し、全ての欠陥が対象になるわけではなく責任が及ぶ範囲は、

「構造耐力上主要な部分」および
「雨水の浸入を防止する部分」


に限られます。

対象部分のイメージはこんな感じです。

瑕疵担保責任

ですので、単なる設備の欠陥などは対象となりません。

新築の住宅については、少なくとも建物の主構造部や雨漏れが発生しやすい箇所については、10年間責任を負うことになるから、しっかりとした新築住宅を販売しなさい、作りなさいということです。

また、「新築」にあたるのは、
建設工事完了から1年以内で、かつ、人が住んだことのないものを言います。

ですので、建ててから1年以上売れていない住宅を購入する場合、例え誰も住んだことのない住宅でもこの法律は適用されず、宅建業法の範囲にとどまることになります。

また、宅地建物取引業者が売主の新築住宅について、対象となる範囲について引渡しから10年間の責任期間を設けていますが、対象となる範囲以外の部分については、前述の宅建業法40条に基づく責任を負うことになります。

個人の売主さんから中古住宅を購入する場合

個人同士の住宅の売買契約については、原則自由に取り決めが可能です。

ただ、一般的には、

「瑕疵担保責任の期間を引渡しから3ヶ月」としたり、築年数の経過した住宅では、そもそも瑕疵担保責任を負わないという特約も可能です。

物件情報の備考欄などに「瑕疵担保免責」と記載されている場合ですね。

これは、個人間の売買については、引渡しから長期間、個人の売主が責任を負うとするのは酷であり、中古住宅の売買自体が成立・促進しなくなるという事情があります。

そうすると、個人から購入する場合は、特に建物の状態や欠陥の有無について確認する重要性は増すといえます。

同時に、通常、契約書や重要事項説明を受ける際、売主さんが知っている建物や周辺環境などについて、告知事項書(物件状況報告書等)が作成されます。

告知事項に記載されている内容については、それを了承して契約したことになりますので、「瑕疵」には当りません。

契約前に記載内容をしっかりと確認することも必要です。

まとめ

住宅は大きな買い物である一方、1つ1つ状態が異なります。

新築もそうですが、中古住宅の場合、特に売主さんの使用状況、メンテナンス状況によって、家の状態は大きく異なります。

住宅の場合、他の商品と違い、欠陥があった場合の損害は、他の商品とは比べものにならない大きさになる可能性を含んでいます。

そのため、瑕疵担保の責任を売主に追求する場合も、

補修を求めるか
損害賠償を求めるか
 (売買契約の目的が達成することができない場合に限られますが)
契約解除

といった請求が認められています。

ただ、実際問題として、そういった紛争にならないことがまず重要です。

ですので、契約時どういった範囲がどれくらいの期間保証されているのかを確認しすることも大切です。

可能であればホームインスペクションなども活用し、建物の状態や欠陥の有無をしっかりと確認すること1つの方法です。

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