はじめに

住宅ローン控除は、家を新築した場合、中古住宅を購入した場合、リフォームや増築をした場合に、一定の要件のもと税金の還付が受けられる制度です。

住宅ローン控除は、家を買う人にとって非常に大きな経済的な支援制度です。
住宅ローン控除額によって、物件選びや資金計画も変わる場合があります。

ですので、結果的に住宅ローン控除額はこの金額というより、住宅ローン控除も踏まえた物件選びや資金計画を考えてほしいと思います。

そんな住宅ローン控除について、わかりやすくまとめてみました。

この記事では、新築住宅と中古住宅を購入した場合を取扱い、リフォームや増築についてはこちらの記事では扱いません

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)とは、

個人の方が住宅ローンを利用して、マイホームを取得する際に、一定の要件のもと所得税もしくは住民税の一部が控除される制度です。

納めた税金が直接返ってくる制度(税額控除)なので大きいですよね

住宅ローン控除の要件

では、どういった条件を満たせば住宅ローン控除を利用できるのでしょうか?

新築住宅を新築・購入した場合

  • 新築・取得から6か月以内に自ら住むこと
  • 合計所得金額が3,000万円以下

副業収入がある方はそれも合算されます

  • 床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が居住専用のものであること

2021年度税制改正で床面積の要件が40㎡以上に緩和されました。但し、40㎡以上50㎡未満の場合、所得金額の要件が1,000万円以下になります

床面積は登記簿で判断されます。
店舗や事務所併用住宅の場合、店舗・事務所部分含めた床面積で判断されます

  • 住宅ローンの返済期間が10年以上

借入当初は10年以上の返済期間でも、途中繰上げ返済などで10年未満になると住宅ローン控除が受けられなくなります

  • 居住した年とその前後2年間(合計5年間)で、前の自宅で特定居住用財産の買換え特例や居住用財産3,000万円特別控除を受けていない

マイホームを買い替えたり、売却したりした際の他の税制上の特例と併用はできないということです

中古住宅を購入した場合

中古住宅の場合、新築住宅の要件に加えて、購入する中古住宅に関しての条件があります。

中古物件で住宅ローン控除を受けるために、一定の耐震基準を満たす必要があります。
そのために以下の条件の1つを満たす必要があります。

  • 築年数20年(マンションなど耐火建築物の場合は25年)以内
  • 耐震基準適合証明書を取得している
  • 住宅性能評価書(耐震性能1以上)を取得している
  • 既存住宅売買瑕疵保険に加入している

住宅ローンの控除額・受けられる期間

住宅ローン控除額については、最大控除額と実際に控除される額は違います。
最大控除額は、購入する物件や購入時期、消費税の有無によって変わります。

住宅購入で土地の売買には消費税はかかりません。
また、中古住宅の売買で個人の売主さんからの購入する場合(個人間売買)は、建物についても消費税はかかりません

住宅ローン控除の最大控除額

下表は、最大控除額をまとめたものです。

住まい給付金HPから引用

消費税10%が適用される住宅を購入
【1~10年目の最大控除額】40万円/年※
【11~13年目の最大控除額】80万円/3年※
 ※長期優良住宅・低炭素住宅の場合:50万円/年・100万円/3年
消費税がかからない住宅を購入(個人間売買)
【1~10年目の最大控除額】20万円/年

所得税から控除しきれない分については、住民税から控除されます。
但し、住民税から控除される上限金額が決められています。

住宅ローン控除が受けられる期間

住宅ローン控除の期間は原則10年です。

ただし、2019年10月の消費税増税(8%→10%)に伴い、10%の消費税がかかる住宅購入について、住宅ローン控除の期間が13年間に延長されました。(2019年税制改正)

この拡充措置を受けるための契約期日・入居期日は以下の通りです。

 注文住宅を新築分譲住宅・既存住宅
を取得
契約期日令和2年10月1日

令和3年9月30日
令和2年12月1日

令和3年11月30日
入居期日令和3年1月1日

令和4年12月31日

実際の住宅ローン控除額はいくら?

上記の表は、あくまでも最大控除額です。
実際に控除される額は、以下の3つで決まります。

  1. 1年間の最大控除額
  2. 年末時点の借入残高の1%
  3. 所得税・住民税額

これら3つのうち一番小さな額が毎年の控除額になります。

住宅ローン減税
住宅ローン減税のイメージ

すまい給付金HP

ですので、住宅ローン控除の最大控除額が40万円/年であっても、
年末時点の住宅ローンの残高がそれ以下だとそれが上限になります。
さらに、所得税(ならびに住民税の一部)をそこまで納めてなければ、その金額が控除額の上限になる、というイメージです。

毎年の年末時点の住宅ローン残高は、返済が進むにつれ減少します。また、納める所得税・住民税額は、収入によって変わります。
つまり、住宅ローン控除額は、住宅ローン借入金額や収入によって、変わるため、購入時それを踏まえた資金計画が必要です

住宅ローン控除が変更!?

前述の通り、2021年度税制改正で新型コロナウィルスの影響もあり、住宅ローン控除の要件や入居期限緩和されました。

ただ、同時に住宅ローン控除制度のあり方についても提言がなされています。

その背景として、住宅ローン契約者の7割を超える人が、住宅ローン控除率1%より低い住宅ローンを契約していることが挙げられています。

変動金利など0.4%台の金利の住宅ローン商品がある中、住宅ローン控除額、つまり所得税や住民税の還付額が住宅ローンの利息を上回る現象がでてきています。

一例ですが、年収650万円の人が4,000万円(建物価格1,500万円)の新築住宅を購入し、住宅ローン3,500万円の借入をした場合、おおよそですが、
【住宅ローン控除額(13年間)】325万円
【13年間の利息負担】181万円
といった形になります。
※借入時の金利0.5%が13年間変わらない前提
※返済期間30年(元利均等返済の場合)

その結果、本来住宅ローンの借入をする必要のない金額を借入する動機付けになり、国民の納得できる制度になっているかを検証し直す必要があるというものです。

2022年度(令和4年度)の税制改正に議論は持ち越されましたが、控除率、控除額についての見直しが入る可能性は低くないと思います。

まとめ

ここまでみてきたように、住宅ローン控除は非常に経済的な効果も大きいです。

冒頭にも書きましたが、住宅ローン控除額によって、購入する家や資金計画も変わる可能性があります。

例えば、3,800万円の中古住宅と4,300万円の新築住宅で迷っているとき、年収(支払っている所得税や住民税)や借入金額にもよりますが、受けられる住宅ローン控除額の差も1つの判断材料になる可能性があります。

家を買う前に住宅ローン控除の基本的な知識は押さえておきたいところです。

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