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マイホームを購入してからの不安
マイホーム購入は大きな買い物です。誰しも多少なりとも不安になるのは当然です。
その不安の一番の要因…それは、住宅ローンを本当に返済していけるかということです。
もっというと…住宅ローン返済をしながら、無理なく生活できるかということだと思います。
200万円を5年ローンで車を購入することと、3,000万円を30年ローンを組むのでは金銭感覚も時間的にも異なります。
こういった不安を解消する1つの方法として、マイホーム購入後の
・収入と支出の状況
・購入後に必要となる資金と時期
・貯蓄の推移(併せて住宅ローン残高の推移)
を確認するという方法があります。
これは、マイホームを購入した後も、必要な時期に必要な貯蓄が確保できるかを確認するということです。
住宅購入後の貯蓄が必要な時期
ライフスタイルやお金の使い方で必要な貯蓄額も変わってきます。
同じ家族構成で同じくらいのお子様をお持ちでも、毎月の生活費はご家庭によって違います。
私も相談者の方のライフプラン表、キャッシュフロー表(マイホーム予算診断)を作成しますが、当然ですが1人1人異なります。
ただ、予算診断をするなかで、皆さんが貯蓄の額として気になる時期は共通するところが多いです。
また、住宅ローン商品を選択し、返済計画を立てるためにも、次の時期の貯蓄額を確認しています。
・教育資金が一番必要となる時期
・お子様が独立する時期
・リタイアする時期
1、子どもの教育費が一番必要となる時期
子供の教育費が一番かかる時期は、やはり大学進学時です。
奨学金などを利用する予定でなければ、必要な教育資金を準備できるかを確認します。
特に、子供の人数によっても必要資金は大きく変わります。
2人、3人いて、大学進学時期が重なる時期は恐ろしいくらいお金は出ていきます。
日本政策金融公庫「平成27年度 教育費負担の実態調査結果」によると、
国公立大学 私立大学(文系) 私立大学(理系) 学習費総額(大学) 4,575,000円 6,755,000円 8,180,000円
また、大学院への進学、自宅外であれば、家賃や仕送りが必要となることもあります。
全国大学生活協同連合組合の学生生活実態調査(2017)によると、仕送額は72,980円/1か月となっています。
こういった時期は、1年間の収入と支出の状況(年間収支)は、マイナスになることは珍しくありません。というよりマイナスになる方が殆どです。
つまり、この期間は貯蓄を取り崩す時期になります。
この時期に、学資保険や貯蓄性の保険含め、必要な教育資金をしっかりと貯蓄できていれば良いのですが、この間の貯蓄推移がかなり少なくなったり、最悪の場合、貯蓄がマイナスになるという赤字家計に転落することもあります。
そして、それはマイホームの購入予算によっても変わってきます。
2、お子様独立時の貯蓄から住宅ローン返済計画を見直してみる
お子様が独立すると家計の状況は変わります。
それまでの教育費がなくなるとともに、お子様の独立によってそれまでかかっていた通信費や生活費(家を出る場合など)、光熱費なども減ることがあります。
そして、ご夫婦2人になると、毎月の生活費含め、家計の収支状況がつかみやすくなります。同時に、退職時期が近くなります。
ですので、お子様が独立した時点の貯蓄額と住宅ローン残高を確認し、それ以降の家計の収支状況や退職金の支給時期を見ながら、
繰上げ返済含め、住宅ローンの返済計画を見直すタイミングでもあります。
また、こういったことをマイホーム購入時に把握できると住宅ローン商品の選択にも影響します。
繰上返済ができるタイミングをある程度把握することで、より条件のよい住宅ローン商品を選択できる場合があります。
3、リタイア時の貯蓄残高
60歳…65歳…70歳…人それぞれリタイアする…したい!年齢は異なります。
それでも会社員や公務員の方であれば65歳までは働くつもりという方が殆どです。
また、リタイア後に、
・旅行がしたい…
・移住したい…
・趣味にお金をかけたい… なかには
・お店を持ちたい…などいろいろな方がいらっしゃいます。
マイホーム購入時にリタイア後の生活も考えながら、リタイア時の貯蓄残高を確認します。
必要な老後資金を算出する1つの方法は、「老後に必要な資金-年金支給額」です。
2015年における日本の平均寿命は、男性が80.79歳、女性が87.05歳です。(厚生労働省)
年々、平均寿命は長くなっていますが、仮に90歳まで生きるとした場合、「25年間の必要資金-年金支給見通し」がリタイア時の必要貯蓄額となります。
老後に必要な生活費も、月23万円で大丈夫という人もいれば、月30万円必要という方もいます。
また、生活費以外に必要な費用も人それぞれです。
- 医療費や介護費用を見込む
- 旅行やレジャー費
- 車を保有すれば維持費、
- 住宅関連であれば、固定資産税や火災保険料、リフォーム費用
- お子様への結婚時などの支援金など
また、有料老人ホームなど、施設に入られる方の約半数は80代で入居されるようです。(HOME’S介護調べ)
80歳時に老人ホームなどの施設に入れる資金は残しておきたいという方もいます。
リタイア以後の収入は、基本的には企業年金や個人年金含め年金収入になります。
現役時代の備えにもよりますが、年金生活になると、年金以外の足りない分を貯蓄から取り崩すという方も少なくありません。
将来の年金の収入見通しは、不確定であることは否定できませんが、リタイア後の収入と支出の状況を確認することができます。
マイホーム購入時に、概算ではありますが、現役世代を終えた時点であまりに貯蓄が少ないという見通しになっていないか確認します。
まとめ
長生きのリスクなどとも言われますが、平均寿命はこれからますます長くなっていくことが予測されます。
だからこそ、家を買うときに、購入後の節目となる時期で貯蓄がどれくらいかを知った上で、購入予算や返済計画を立てることに意味があります。。
マイホーム購入後の貯蓄の推移は、購入予算を決める上で、非常に大きな判断基準となることを知っておいて下さい。
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