70歳雇用へ企業の努力義務

昨年2019年5月、政府は、高齢者が希望する場合、70歳まで働けるようにするための高年齢者雇用雇用安定法改正案の骨子を発表しました。
現在の法律では、希望者の65歳までの雇用を義務化しています。

ただ今回の指針では、70歳まで雇用の義務化ではありませんが、会社側はできるだけ70歳まで雇用できるように努力義務として取り組むことになります。

人口減が予測される中、日本経済にとっては、65歳以降の働く人が増えるのは、所得や消費が増え悪いことではありません。生きがいや認知症予防?含め、社会に参加できる期間が増えることは良いことだと思います。

働く側も、65歳~69歳までの高齢者の約65%が「働きたい」と考えているようです。

ただ政府の発表には、同時に「年金支給開始年齢のさらなる引き上げ」の思惑が読み取れます。

今回の記事では、年金支給開始年齢と住宅ローン返済計画、老後資金への影響についてまとめてみました。

年金支給開始年齢と住宅ローン返済計画

年金支給開始年齢と今後の見通し

現在、公的年金の受給開始年齢は、原則65歳です。

・昭和36年4月2日以降生まれの男性
・昭和41年4月2日以降生まれの女性

は、全額65歳からの支給となっています。

ですので、これから家を購入される多くの方は、早くても年金支給開始は65歳となります。

もともと年金支給開始年齢は60歳でしたが、段階的に引き上げられ現在65歳となっています。

ただ、今回の政府の対応等を踏まえると、将来的には70歳からの支給開始への引き上げを想定しておいた方がよいと思います。

では、年金支給開始年齢が現在より引き上げられると、マイホーム購入にどんな影響があるのでしょうか。

35歳でのマイホーム購入

家を買う多くの方は住宅ローンを利用します。そして、金融機関の多くは、住宅ローンの完済年齢の上限を80歳に設定しています。

実際80歳まで返済を続ける返済計画は現実的ではありませんが、40歳を過ぎて家を買う方も少なくありません。

例えば、35歳で家を購入される方の相談に乗ると、次のような返済計画をイメージされる方が多いです。

借入当初は住宅ローン返済期間を30年あるいは35年に設定(完済予定年齢65歳もしく70歳前後)

→年金支給開始年齢である65歳まで再雇用含め働き、途中繰上げ返済や退職金などで住宅ローンを完済。

→65歳リタイア時点では住宅ローンは完済。

といった返済計画をイメージされる方が多いです。

再雇用後の収入見通しに注意

ただ、会社によって、定年時期や定年後の再雇用の条件等異なりますので一概には言えませんが、仮に60歳で定年を迎え、再雇用で65歳まで働くとしても、収入はそれまでの水準が保証されるわけではありません。

嘱託社員や契約社員、パートと雇用形態も様々ありえますが、収入はそれまでの3分の2や半分といった水準になることも考えられます。

そういったことは見込んでおく必要があります。

住宅購入 老後お客様のキャッシュフロー表を作成し、住宅購入後の家計の状況を確認させて頂く中で、再雇用で働かれる期間と住宅ローン返済が重なる期間の年間収支がマイナスになる(つまり貯蓄を取り崩す)となる方いらっしゃいます。

お子様の年齢によっては、60歳以降も大学進学時の教育資金が重なるケースもあります。

ただ、年間収支がマイナスでも、それまでに十分に貯蓄できている、マイナスの額が少額といった状況にもよりますので、必ずしも返済計画としてよくないというわけではありません。

ただ、、特に住宅ローンの返済期間が定年後も続く見通しの場合、年間収支や貯蓄推移など注意が必要です

あまり楽観的な見通しをもつとのちのち後悔することになります。

では、年金支給開始年齢がさらに伸びて70歳となった場合、どうなるのでしょう。

年金支給開始年齢が70歳になった場合

70歳まで働く場合

2025年4月より高年齢者雇用安定法による65歳定年制は、すべての企業の義務になります。

ですので、65歳定年そこから再雇用で70歳まで働きますという方は、生涯収入がこれまでより増えることが考えられます。
(もちろん企業の業績などに左右はされますが…)

家を買ったあとの収入が増えることは、それまでと比べて住宅ローン返済に対してもプラスに働きます。

70歳まで働きたくない

ただ、1回の人生、70歳まで働くのではなく、違う人生を歩みたいという方もいらっしゃると思います。

リタイア時期が60歳なのか65歳なのか、人それぞれですが、リタイア後の収入がなくなるとすれば、年金支給開始の70歳までの間貯蓄を取り崩す生活になります。

ですので、60歳や65歳でのリタイアを考える方は、住宅ローンを組むにしても、返済計画はより慎重に考える必要があります。

一番重要なのは貯蓄推移

これまで、定年もしくはリタイア後の収入見通しと住宅ローン返済について書いてきましたが、最も重要なことは、リタイア時点で必要な老後資金を確保できているかということです。

年金収入がいくらかは、現役時代の収入や納付期間、夫婦の働き方など1人1人異なります。
ただ、平均的な年金支給金額などを見ていると、年金収入だけで老後をやり過ごすということは難しいです。

ですのでリタイア時点でどれくらいの貯蓄が必要か、そのための貯蓄目標などを知ることも必要です。

そのための1つの方法として、ライフプラン・キャッシュフローを家を買う前に作るという方法があります。

購入予算や住宅ローン借入金額だけでなく、ぶ物件によって維持管理費も異なりますので、将来の老後資金に影響します。

そういった状況を反映させることもできるライフプランやキャッシュフローを活用してみてください。

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