マンション購入後に必要となるお金、増えるかもしれないお金
住宅が余り、空き家が増えている…
というニュースが最近触れられる機会も多くなりました
ただ、住宅の需要と供給のバランスは地域によって異なります。
私の住む神戸市でも、相変わらず新築の分譲マンションがあちこちに建設されています。
駅前や駅近の一等地であれば、マンション分譲地としてかなりの狭小敷地でも、強引に建てられている感があります。
先日、ある新築マンションの販売チラシが入っていたので、何となく見てましたが、販売担当者にいろいろと聞いてみたくなる情報満載でした。
そのマンションの仕様や設備を確認したわけではありませんが…その地域の新築マンションの販売価格としては、かなり安い価格設定になっている印象でした。
ただ、マンションの場合、入居後の負担は毎月の住宅ローンだけではありません。
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
必要であれば、
- 駐車場代
- 駐輪場やバイク置場の使用料
- 専用庭があればその使用料など…
さらに言うと…
・修繕積立金の増額…
修繕積立金の設定額の根拠は?
このチラシを見て気になったもの…
それは修繕積立金の額でした。
修繕積立金とは、
将来のマンション共用部の大規模修繕などに備えるための積立金です。
マンションの場合、専有部分と共用部分に分かれますが、専有部分の修繕費用は各世帯でまかない、共用部分の修繕費用は管理組合全体で積み立てることになります。
このマンションの修繕積立金を見ると、
毎月6,000円~7,700円となっていました。
※総戸数は60戸ほどです。
チラシに記載されている専有面積から計算すると、
専有面積1㎡当り:約90円の設定です。
しっかりとした長期の修繕計画に基づいて算出された金額であればいいんですが…、
修繕積立金の額の1つの目安として、国交省が
「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
という算出基準を示しています。
あくまでもガイドラインですが、
この基準にこのマンションを当てはめると、
202円/㎡の積立金が必要となります。
しかも、このマンションは機械式駐車場を採用してます。
ガイドラインに沿うと、
機械式駐車場の場合、修繕費用の加算が必要です。
機械式駐車場を採用しているマンションは、平面式駐車場のマンションと比べると、駐車場使用料などで賄える場合は別として、修繕積立金がより多くなることを想定しています。
敷地面積があまりとれない駅近くや町中のマンションでは、駐車場を確保するために機械式駐車場が採用される割合は大きくなります。
このように考えると、
このマンションの修繕積立金の設定は低すぎる
ように思いました。
均等積立方式と段階増額積立方式
ただ、修繕積立金については、
・毎年均等に積み立てる「均等積立方式」
・将来的に段階的に増額する「段階増額積立方式」
という2つの方法あります。
国交省のガイドラインは「均等積立方式」によるものです。
このマンションに限らず、新築販売時の管理費や修繕積立金の金額は、販売をしやすくするために低く設定していることが多いです。
※段階積立方式を採用している割合の方が多い
新築マンションに限らず、マンションを購入する場合、修繕積立金の根拠を確認した方が良いです。
・「段階増額積立方式」「均等積立方式」どちらか?
・「段階増額積立方式」であれば、いつどれくらい増額する予定か?
・「均等積立方式」で、修繕積立金がガイドラインよりかなり低いのであれば、大規模修繕の積立がしっかりとできているか?
購入後に修繕積立金が大きく上がる場合、その負担は当然購入者が負います。
また、戸建住宅でも将来のリフォーム費用の積立を、購入時の資金計画としてしっかり考えるべきです。
マイホーム購入後、住宅ローンの返済が始まります。
ただ、それ以外にも維持管理のための負担はあります。そういった費用の見通しも含め、購入予算や返済計画を立てるようにしましよう。