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住宅ローンの金利動向を予測できるの?
年末になると、来年の住宅ローン金利動向を予測する記事が出ます。
- 変動金利は、今の水準を維持するだろう…
- 固定金利は、〇%程度の上昇の可能性あり…
- アメリカの利上げの状況次第で上昇…
などなど…。 変動金利も固定金利も、国債金利や短期プライムレートなどの指標の影響を受ける中、政府の経済政策などから一定の予測は可能です。
この記事では、変動、固定金利の動向と一番有利な住宅ローンを契約するための方法についてお伝えします。
住宅ローン金利動向
過去の変動金利・期間選択型の金利動向
下の表は、過去35年の変動金利型と固定期間選択型(3年と10年)の金利動向を表したものです。
変動金利の基準金利は、前年から変わらず2019年も2.475%で推移しました。
ただ、この流れは、2020年、2021年、そしてそれ以降も続くのでしょうか?
これから少子化・人口減少を迎えるなか、物価上昇もなかなか進まず、大幅な金利上昇は考えにくいという見方があります。 そして、今の低金利の状況が続くと考える方は、変動金利を選択されるでしょう。 実際、半数以上の方が変動金利型を選んでいます。
特に、今年オリンピックイヤーですが、安倍さんも何とかオリンピックまでは景気を悪くするわけにはいかないということもあり、これまで金融緩和含め、財政支出や金融政策を行ってきました。
ただ、来年の金利動向は予測できたとしても、長期(将来)の金利動向までは誰にも分かりません。
金利動向よりも金利が上昇した場合の対策
こういった金利動向の予測の話は、住宅ローンを利用する場合必ず出てきます。
金融機関や住宅会社の担当者、不動産屋さんの予測は、買う側としては、売ったり、仲介するための提案ぐらいに考えておいたほうがよいでしょう。
家を買うときの金利が低い、つまり返済額が少なく見える方が、それは売りやすいですから… それよりも、
- 金利が上昇した場合に家計はどうなるの?
- 金利上昇が現実化したとき、どういった対策があるの?
を考えることが重要です。
変動金利や固定期間の短い期間選択型の住宅ローン商品を選ぶのなら、金利上昇のリスクと家計への影響をしっかりと確認する必要があります。
そのためには、ライフプランを作成するのが一番確実な方法です。
固定金利型の住宅ローン金利動向
一方、全期間固定金利についてフラット35の金利動向ですが、下の表はフラット35の(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合)の金利推移です。(住宅金融支援機構)
表では見にくいので、昨年のフラット35の最低金利を表にしてみました。
H31年 1月 | 1.33% |
H31年 2月 | 1.31% |
H31年 3月 | 1.27% |
H31年 4月 | 1.27% |
R1年 5月 | 1.29% |
R1年 6月 | 1.27% |
R1年 7月 | 1.18% |
R1年 8月 | 1.17% |
R1年 9月 | 1.11% |
R1年 10月 | 1.11% |
R1年 11月 | 1.17% |
R1年 12月 | 1.21% |
年初1.33%から始まり、9月10月の最低金利1.11%をつけたあとは、上昇傾向です。
一番高いところで、平成31年1月の1.33%、一番低いところで、1.11%と0.22%のひらきがありました。
多くの金融機関が、融資実行月の金利を適用金利としていますので、昨年9月、10月に融資実行(引き渡し)の方は、低い金利で長期間の金利を固定できたことになります。
仮に3,000万円を返済期間30年で借りたとした場合、適用金利が0.22%違うと、
- 毎月の返済額で3,091円
- 総返済額で111万2,932円
の違いが出ます (※元利均等返済。繰り上げ返済等は考慮しておりません)
大きいですね。
全期間固定金利の場合、変動金利などと異なり全期間の金利が決まりますので、その時に一番有利な住宅ローン商品を選びたいものです。
そこで、私たちにできることとして、住宅ローンの適用金利が決まる、融資実行月に一番有利な住宅ローン商品を選択できるように準備することはできます。
一番有利な住宅ローン商品を決める3ステップ
住宅ローン商品の選択肢は膨大にあります。その中で自分にあった一番有利な住宅ローンを選ぶことで、総返済額を少なくし、将来の貯蓄を増やすことができます。
一番有利な住宅ローンを契約するための3つのステップがあります。
ステップ1:性格や考え方、家計に合う金利タイプを決める
金利タイプは大きく、
・変動金利
・全期間固定
・期間選択型(当初一定期間の金利を固定する)
の3つに分けられます。
それぞれ特徴や注意点はあります。
ですので、まず自分の考えや志向に合うもの、収入や貯蓄、家族構成、購入時の年齢など、1人1人の状況を踏まえた金利タイプを決めます。
そのために前述の通りライフプランを作成することをおすすめします。
・住宅購入で後悔したくない・決断できない人はライフプランを作成!
※金利タイプの選び方については、こちらの記事も参考にしてみてください。
・【住宅ローン金利】変動?固定? ~固定金利を検討してみる~
・【住宅ローン金利】変動?固定?~変動金利を検証してみる~
・当初〇〇年固定、固定期間選択型住宅ローンの注意点
・住宅ローンをどうやって決める?選択肢は少なくありません。
そして、変動金利や固定期間の短い住宅ローン商品を選ぶ場合は、金利上昇リスクについて確認が必要です。
金利が10年後に2%上昇した場合、
・返済額はどれくらい増えるか?
・家計への影響はどの程度か?
・必要な教育資金、老後資金のための貯蓄はできるか?
こういったことをライフプランキャッシュフロー表から貯蓄と住宅ローン残高の推移を見ながら確認してください。
ステップ2:可能性のある住宅ローンを比較検討・審査
殆どの住宅ローン商品は、適用金利が融資実行(引渡し)月の金利で決まります。
ですので、金利タイプが決まれば、契約可能な住宅ローン商品の中から、
・金利水準
・諸費用の違い
・団体信用生命保険の特約
などを総合的に比較しながら、融資実行月の金利水準で一番有利になりそうなをリストアップします。
そして、その中から2~3本、最終候補となる金融機関の住宅ローン商品の本審査を通します。
ステップ3:融資実行月の金利動向を見て、住宅ローン商品を契約
本審査を通した住宅ローンの中から、引き渡し月の金利状況を見て、契約する住宅ローンを決め、契約(金銭消費貸借契約)します。
このとき、金融機関により差はありますが、住宅ローンの契約から決済(引き渡し)まで一定の時間は必要です。
ですので、
当月の金利を確認
⇒住宅ローン契約
⇒引き渡し
ができるように住宅購入時の売買契約までに日程を調整する必要があります。
まとめ
- 1~2年後の金利動向を予測できても、10年後の金利動向は分からない
- 金利動向を予測するよりも金利上昇した場合のリスクを確認
- 金利タイプを決める、金利上昇リスクを確認するために、ライフプラン・キャッシュフロー表を作成する
- 一番有利な住宅ローン商品を決める3ステップ
STEP1:金利タイプを決める
STEP2:一番有利になる可能性のある住宅ローン商品の本審査を通す
STEP3:融資実行月の金利状況を見て、契約する住宅ローンを決める
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