変動金利を検討するのなら…

前回に引き続き、住宅ローンの変動金利と固定金利の選択方法について考えてみたいと思います。

前回は、固定金利を積極的に検討したいときに判断する基準について書きましたが、

今回は、固定金利のメリット・デメリットは了解したが、変動金利は捨てがたい~という場合について考えたいと思います。

また、もし変動金利を選択するのであれば、金利動向と付き合う一定の覚悟は必要かと思います。金利動向など気にしたくない、考えたくないということであれば、固定金利の方があっているかもしれません。

固定金利の場合と同様…、まず、変動金利のメリット・デメリットをよく理解し、それが自分に合うかを考えます。

 

【変動金利のメリット】

  • 金利が低く返済額が少ない
  • 元金の減りが早い

一方、


【変動金利のデメリット】

  • 金利変動の影響を受けるので資金計画が立てにくい
  • 金利上昇の仕方によっては、家計的に苦しくなる(場合によっては返済自体が困難になる)
  • 返済自体はできても、金利の上昇幅によっては、毎月の返済額より利息が多い、いわゆる未払い利息の発生する状態になり、返済を続けても元本が一向に減らないことにもなりえる
  • 返済期間中、特に借入残高が多い間は、金利動向を気にかけておかなければならない

などが挙げられます。

変動金利のメリットとして、金利が低いことと言われますが、これは、あくまでも

借入時点の変動金利」と「借入時点の固定金利」

を比べた場合の話です。

 

金利は変動する以上…

10年後の変動金利」と「借入時点の固定金利」

を比べた場合、メリットがデメリットになっているかもしれません。

変動金利を積極的に考えたい~という方は、前回も少し書きましたが、

  • (過去の金利の推移等から)すぐに大きく金利が上がることは考えにくい
  • (今後の日本の社会状況などを考えると)仮に金利が上がっても大きく上がることは考えにくい
  • 今の状況の中で、変動金利でいけるところまでいく(金利が上がりそうと思ったときに借りかえる)

と考えられる方が多いのではないでしょうか。

また、不動産会社や住宅会社、銀行の担当者の方は、積極的に変動金利を薦める人も多いでしょう。

ただ…金利がどのタイミングで、どのように変わるかを予測をすることは自由ですが、実際のところ誰にもわかりません。

ですので、変動金利を検討するうえで一番必要なことは、

  • 金利が上昇し、返済額増えた場合に家計が耐えられるか?
  • 住宅ローン返済だけでなく、無理なく生活していけるか?

を確認することです。

前回同様、「2,500万円を35年返済で借入れた場合」で考えてみます。

金利が上昇しても耐えられる(リスクを吸収できる)

金利変動を以下3パターンでシミュレーションし、この場合の毎月の返済額と総返済額を表にしました。

 ■パターン1:6年目から1%、11年目から1%上昇
 ■パターン2:6年目から2%、11年目から1%上昇
  ■パターン3:6年目から2%、11年目から2%上昇

変動金利リスク

 

借入当初から5年間の返済額は、全て67,980円/月ですが、その後の金利上昇とともにそれぞれ返済額も増えます。

そして、金利が上昇し返済額が増えても、

  • 家計的に問題なく生活できるか
  • 後々の教育資金や老後資金など必要な資金(貯蓄)が確保できるか

ということを検討します。

そして…返済額が増えても大丈夫ということであれば、変動金利を選ぶこともありだと思います。

こういう方は、収入に対して、借入金額が比較的少ない方が多いかもしれません。

ただ、毎月の返済や資金的に問題なくても、結果的に固定金利より返済額が多くなった、つまり、高い値段で家を買うことになったということはあります。

金利上昇リスクを避けられる

住宅ローン借入後も余裕資金があり、万が一金利が上昇しても、そのタイミングで繰上返済することによって、毎月の返済額も総返済額も抑えられるというような場合です。

先ほどと同じ例で、

5年後の金利上昇時に500万円の繰上げ返済資金がある

とすると、

変動金利 繰上げ返済

5年後の金利が上昇した時、500万円を繰上げ返済することによって、

 

■パターン1(6年目から1%、11年目から1%上昇)の場合

金利上昇後も毎月の返済額は、それ以前より少なくなります。

総返済額は、金利上昇がない場合の総返済額(28,551,528円)と比べて、約440万円増えます。

固定金利の総返済額(32,614,001円)と比べて36万円増えます。

■パターン2(6年目から2%、11年目から1%上昇)の場合

6年から10年目までの毎月の返済額は、金利上昇前と1,000円程度しか変わりません。

ただ、11年目以降は当初より約9,000円増えます。

総返済額は、

金利上昇がない場合の総返済額(28,551,528円)と比べて約770万円増えます。

固定金利の総返済額(32,614,001円)と比べても365万円増えます。

■パターン3(6年目から2%、11年目から2%上昇)の場合

6年から10年目までの毎月の返済額は、それまでと1,000円程度しか変わりません。

11年目以降は当初より約17,000円増えます。

総返済額は、

金利上昇がない場合の総返済額(28,551,528円)と比べて約1,020万円増えます。

固定金利の総返済額(32,614,001円)と比べても615万円増えます。

これらを見ると、500万円の繰上げ返済によって、

パターン1程度の金利上昇リスクは回避できていると言えます
が…パターン2や3のような金利上昇に対しては、リスク回避できているとは言えないと思います。

リスクとして想定する金利上昇幅として何%が妥当なのか、難しいところではあります。

ただ、景気回復による物価上昇など、いわゆる正常な金利上昇であれば、2%くらいの金利上昇を考えていれば、一定のリスク想定として成り立つのではないかと思います。

 

ちなみに、変動金利タイプの場合、

  • 金利変動があっても5年間返済額が変わらない5年ルール
  • 金利上昇しても、返済額が1.25倍以上には増えない1.25倍ルール

があります。

これらを変動金利のリスクヘッジの方法のように説明され、変動タイプを薦められることがあります。

しかし、これらのルールは、金利上昇によって増えた返済額を払わなくてよいということではありませんので注意してください。

金利上昇したからといって、すぐに返済額が増えることはありませんよというだけで、金利が上昇した利息の支払いを先延ばしにしているだけです。

金利上昇以外のリスク…

また、住宅ローン返済にまつわるリスクは、金利上昇だけではありません。

  • 子供の成長に合わせて家計は徐々に変わります
  • 子供の進学に必要な資金が準備できない
  • 返済額が増えることによって老後資金が準備できない
  • 病気や倒産など収入が減る
  • 予定していた退職金が出ない、少ないこともあるかもしれません。

ですので、住宅ローンの返済に対するリスクを考えるとき金利上昇以外のリスクについても考えるべきです。

変動金利か固定金利かのまとめ

固定か変動か悩まれた場合、まず、固定タイプ、変動タイプそれぞれの特徴を良く知り、それが自分にあっているかを考えます。

固定金利が自分には合っているなら…

変動金利との金利差(返済額の差)について、金利上昇に対する保険としてその価値があると判断できるなら固定でいいのではないでしょうか。

反対に、返済額の差を考えると変動金利が捨てがたいと思うなら…

金利上昇リスクを想定したシミュレーションで問題なく返済できる、後々迎えるライフイベントに必要な貯蓄を確保できるということを確認してから決める、と考えるべきだと思います。

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