変動金利はキャンペーン料金みたいなもの!?

住宅ローン商品を決めるとき、「金利タイプ」をどうするか?一番悩むところです。

住宅ローン金利タイプには、「変動金利」「固定金利」「固定期間選択型」と大きく3つに分けられます。

不動産やハウスメーカーのチラシなどの返済シミュレーションによく使われているのは、変動金利や当初3年固定などの固定期間が短い金利タイプが多いです。

なぜか?

毎月の返済額が安く見えるので、お客さんに買ってもらいやすいく、おすすめしやすい金利タイプだからです。

これら変動金利や当初固定金利タイプは、インターネット回線や携帯電話の料金が、最初の1年間、2年間キャンペーンで通常料金より安くなり、キャンペーン終了後は高くなる料金体系と少し似ています。

インターネットや携帯電話は、キャンペーン終了後の料金が分かっているので、まだいいかもしれません。

住宅ローンの場合、

いつ、どれくらい金利が変動するか分からない以上、先々の返済額がいくらか分かりません。

もちろん、金利が上がらない可能性もありますが…。

変動金利と固定金利、どちらが得なの?

住宅ローン金利タイプを決める場合、まず、変動か固定かで悩まれる方が多いのですが…

「どちらがお得(返済額が少ない)ですか?」という質問には、「完済し終わるまで分からない」というしかありません。

なぜなら、変動金利の返済額を左右する金利が、いつ、どれくらい変わるかは、予測は自由ですが誰にもわからないからです。

  • 金利はこれからも当分上がりそうもないですよ~
  • ここ10数年金利は上がってませんよ~
  • 金利が上がりそうになったら固定金利タイプに変えることもできますよ~

と言いながら、変動金利をすすめたがる人は少なくありません。

そういう方には、真っ向から、

  • 「なぜ、金利は上がらないと思われますか?」
  • 「当分って10年ですか?20年ですか?」
  • 「金利が上がりそうなタイミングは、どうやって判断するんですか?」

と突っ込んでみてください。

明確な答えは返ってこないと思います…。

住宅ローン金利 推移

このグラフは、主要都市銀行の過去の住宅ローン金利の推移を示したものです。

確かに、ここ20年間、変動金利は大きく変化していません。

こういうデータに基づいて、

  • これからも上昇することは考えにくい?
  • 上昇しても、大きくは上昇しない?

というささやきが聞こえてくるかもしれません。(私も聞きました)

ただ、金利が将来的にどういう動きをするか…経済の専門家や金融のプロでも考えは分かれるところです。そこを、我々が予測をしても意味がありません。

変動金利?固定金利?その判断方法

では、変動と固定どちらにするか?どのように判断すべきでしょうか。

その判断基準について、「2,500万円を35年返済で借入れた場合」の変動金利と全期間(35年)固定金利を比較で考えてみたいと思います。

変動金利 固定金利

パターン1:変動金利が35年間変わらなかった場合

【毎月の返済額】

  • 変動金利タイプ →67,980円/月
  • 全期間固定タイプ→77,653円/月

⇒約1万円固定タイプが高くなります。


【総返済額】

  • 変動金利タイプ →28,550,528円
  • 全期間固定タイプ→32,614,001円

⇒固定タイプの総返済額が約410万円高くなります。

但し、これは35年間金利が変動しなかった、という超希望的観測に基づいた比較です。

次に、金利上昇を想定したシミュレーションがパターン2です。

パターン2:金利が借入から6年目に1.1%上昇し1.875%になった場合

6年目から金利が1.1%上昇した場合、

住宅ローンの総返済額は、変動金利と固定金利は、ほぼ同じ総返済額になります。

つまり、逆に考えると、


・金利が5年以内に1.1%以上上昇すると予測
  ⇒固定金利タイプを選んだの方が得

・今後5年くらいは上昇しない、かつ その先も1.1%以上の上昇はないと予測
  ⇒変動金利タイプの方が得(になる可能性大)

となります。

ただ、自分でやっておいて何ですが、これって、

 ・金利が上昇するか否か?
 ・いつ上昇するか?
 ・1.1%以上上昇するか否か?

を予測しているにすぎません。

返済額のお得感と返済に対する安心感、どちらをとるか?

それよりもまず考えるべきは、変動タイプと固定タイプ「どちらが自分に合うか?」ということです。

【固定金利のメリット】

・金利変動のリスクがない
・返済金額が確定するため資金計画が立てやすい
・金利の動向を常にチェックしたり、金利上昇タイミングを気にする必要がない
・金利の上昇にビクビクしなくてよい

【固定金利のデメリット】

・変動金利と比べて金利が高い(借入時点では返済額が多い)
・金利が上昇しなかった場合は返済額が多い

こういったメリット、デメリットを踏まえ、固定金利の方が自分には合っている、金利(返済額)の差以上のメリットを感じることができる、ということであれば固定金利を検討します。

固定金利と変動金利の差が意味するもの

固定金利が変動金利より金利が高いのは、住宅ローン契約者が金利上昇リスクを負う必要がないためです。固定金利の場合、金利上昇リスクは銀行側が負っているということです。

つまり、

固定金利を選択する人は、変動金利より高い金利で借入することにより金利上昇のリスクを回避している

といえます。

先ほどのシミュレーションでいうと、仮に金利が35年間全く変わらなかった場合、固定金利を選ぶと、

・毎月の返済額で1万円
・総返済額で400万円以上

多く返済することになります。ただ、それを

35年間利が上昇するリスクに対し、必要な保険をかけている

と考えることができるかということです。

反対に、

・毎月1万円の返済額の違い
・総返済額で400万円の違い

保険として考えるには大きすぎると考えるのかということです。

ただ注意すべきは、これは現時点で考えられる「差」です。

変動金利が上昇すれば、固定金利との差は少なくなる

当然ですが、金利が上昇すると、変動金利と固定金利の「返済額の差」は少なくなります。
金利の上がり方によっては変動のほうが返済額が高くなりこともあります。

また、金利上昇がなくても、繰り上返済などで返済期間が当初より短くなると、変動金利と固定金利の「返済額の差」は少なくなります。

借入当初は借入期間を35年にしたとしても、実際はボーナスや退職金、贈与や遺産相続または、投資収入などで繰り上げ返済する人は少なくないです。

住宅ローンの完済期間について、正確なデータはありませんが、平均15~20年くらいになると予想されるようです。「民間住宅ローンの貸出動向調査」(住宅金融支援機構)

先ほどのシミュレーションで、

35年ではなく20年で返済した場合で変動型と固定型の総返済額の差を計算すると、約223万円になります。

35年返済の場合の410万円よりだいぶ少なくなりますね。

さらに、現在の金利状況は、これまでにないほど低くなっております。

この低金利時代に固定金利で返済額を確定させてしまう意味は大きいとも言えます。

ただ、だからといって固定金利を選択すべきと言うつもりはありません。


まず、
固定金利のメリット・デメリットをよく理解し、自分に合うかを考える。

その上で、固定金利と変動金利の「金利差」、つまりは「返済額の差」を保険として考えることができるか?

を考えて決めるべきでないかと思います。

注意すべきは、「保険料」に当る毎月の返済額や総返済額の差は、借入時点の金利状況や借入金額、借入期間によっても変わりますので、その時点でシミュレーションをしっかりと行い判断したほうがいいということです。

その上で、場合によっては変動タイプを検討することもあるでしょう。

では、変動タイプを検討する際に考えなければいけないことって何でしょうか?

次回、考えていきたいと思います。

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