はじめに
住宅ローン選びについて、誰かに相談したい場合、誰に相談しますか?
この記事では、住宅金融支援機構の実施した、
・住宅ローンを選んだ理由
・住宅ローンの相談相手
についての調査結果をもとに、住宅ローン相談する際の注意点をまとめました。
住宅ローンを決めた理由

上図は、住宅金融支援機構が調査した、
住宅ローンを選んだ理由です。
※フラット35以外の住宅ローン利用者についての調査結果です
- 金利が低い
- 団体信用生命保険の充実
- 住宅・販売事業者(営業マン等)の勧め
- 諸費用の低さ
などが上位にありますが、
圧倒的に金利の低さで選んだ方が多い(71.8%)
という結果です。
住宅ローン金利だけで選ばない方が良い!?
ただ、今は低金利時代です。
そして、
全体の6割以上の方は変動金利を選ばれます。
確かに金融機関によって金利差はあるものの、変動金利の水準は0.4%代まで下がっており、金利差はこれまでになく小さくなっているのも事実です。
変動金利の金利差で比較しても…
2021年8月時点の変動金利で、0.41%と0.44%の返済額の違いを比べてみます。
借入金額:3,500万円
返済期間:30年(元利均等返済)
毎月の返済額 | 総返済額 | |
---|---|---|
0.41% | 89,469円 | 37,577,055円 |
0.44% | 89,929円 | 37,770,358円 |
差 | 467円/月 | 193,303円 |
金利変動によって返済額が変わる可能性があるものの、返済額の差はこれくらいになります。
そして、これくらいの返済額の差だと、
諸費用や団信特約の内容を比較すると、
選択すべき商品が変わる可能性があります。
つまり、表面上の金利だけで選ぶと、もっと選ぶべき商品があったという後悔をするかもしれないということです。
住宅ローン相談を誰にするか?
また、調査の中で、誰のすすめで住宅ローンを決めたか以下のようになっています。
- 住宅・販売事業者
- 家族や友人、知人
- ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザーなど専門家
- 金融機関
また、この他に「提携ローンなど利用できる住宅ローンが決まっていた」という回答もあります。
住宅・販売事業者に相談
住宅販売のプロであり、購入手続きをサポートする住宅会社、販売業者、仲介会社の担当者に相談するのは至って自然です。
ただ、注意すべき点もあります。
・提携ローンをすすめられる
・担当者によって知識や経験の差がある
提携ローンをすすめられる
住宅会社や販売会社など、提携ローンをすすめることで手数料が入ることもあります。
また、不動産会社の担当者からすれば、提携ローンでいつもやり取りしている商品、担当者の方が何かとすすめやすいということもあります。
ただ、それはすべて販売側、仲介する側の事情によるところです。
それがベストな選択であればよいですが、必ずしもそうとは限りません。
担当者によって知識や経験の差がある
また、担当者によっては住宅ローンの知識や経験の差がでたり、提携ローン以外の商品知識があまりない、という場合もあります。
住宅ローンの選択肢は多いです。
限られた選択肢の中から判断すると後悔する可能性があります。
提携ローンをすすめられる際、住宅ローン取扱手数料や代行手数料といった名目で数万円から場合によっては10万円を超える費用を請求される場合があります。
これは金融機関に支払う事務手数料ではありません。
住宅会社や販売業者が住宅ローンを取り次ぐ費用として請求されるものですが、これらは当然に支払うべき費用ではない点に注意してください。
家族や友人、知人からのすすめ
家族や友人に相談することは悪くありませんが、購入する家も借入金額も1人1人違い、状況によって住宅ローン選びは変わります。
家族や友人は、あなたのためにアドバイスをくれると思いますが参考程度にした方がよいと思います。
やはり、住宅ローンという金融商品や不動産取引のことを知っている人に相談するほうがよいと思います。
ファイナンシャルプランナー(FP)
住宅ローンアドバイザーに相談
ファイナンシャルプランナーに相談するメリットは、
・ライフプランなども含めて相談できる
・提携商品をすすめられない
といったところでしょうか。
ただ、ファイナンシャルプランナーだから住宅ローンに詳しいとも限りません。
ファイナンシャルプランナー(FP)の業務のカテゴリーの中で住宅相談を訴求しているFPは少なくありません。
ただ、そこは住宅ローンアドバイザーの資格や相談実績など見極めが大切です。
また、数多くのFPは、保険代理店として保険の手数料収入を収入の柱としています。
住宅ローン相談をしにいって、ローン相談以上に保険の切り替えや加入をやたらとすすめられるといった点にも注意です。
金融機関に相談
金融機関は、住宅ローンのプロですので相談するのは良いと思います。
ただ、他の商品との比較や違いなどをどこまで説明してもらえるかという疑問は残ります。
当然自社商品を販売することが最優先とならざるを得ないので、住宅ローン商品を比較するという点では難しさがあるかもしれません。
ここまで誰に相談する人によって注意点をお伝えしてきましたが、相談する側として、住宅ローンで何を比較・検討しなければならないかを知ることが必要です。
以下、住宅ローンで比較検討することについてお伝えします。
住宅ローンで比較・検討すること

以下、住宅ローンで比較検討することをまとめました。
- 資金計画(借入金額・頭金は適正か)
- 住宅ローン減税を有効活用できるか
- 1人の収入で買うか2人で買うか?
- ぺアローンか収入合算か?
- 金利タイプは?
- ミックスローンを利用するか?
- 返済期間を何年にするか
- 繰上げ返済をどうするか
- 元利均等返済か元金均等返済か
- ボーナス返済の有無
- 団信の特約に加入するか否か
- どこまで備えるか
- 民間保険との差は?
- 今の保険と保障がかぶらないか?
- 住宅ローン諸費用は
- 繰上げ返済の手間、手数料は
まとめ
住宅ローンと一言でいっても、検討すべきことは少なくありませんし、選択肢は多くあります。
そのときに誰に相談するかも、注意しながら判断する必要があります。
マイホーム選びと住宅ローン選びは密接に関係していますが、別々のものです。
のちのち、
・選択を間違えた
・そんな選択肢は知らなかった
という後悔のないために参考にしてみてください。