中古住宅促進のために ~ホームインスペクションの活用~

現在、日本の空き家率13%。7件に1件が空き家という状況ですが、新築のマンションや戸建て住宅は相変わらずつくられ続けています。

私が住む阪神間でも、こんな狭い敷地でもと思うところでも、新築マンションが建てられています。

そんな状況ですが、国もこれ以上住宅戸数を増やすより、今ある中古住宅の流通を促進させようと動いています。

今年1月、国土交通省は、中古住宅を安心して購入できるように、「建物診断」いわゆる「ホームインスペクション」を促進する法改正の実施を発表しました。

宅地建物取引業法を改正し、2018年の施行を目指すとのことです。

ホームインスペクション(建物診断)とは、
建築士などの専門家が、住宅の劣化状況や欠陥の有無、改修すべき箇所などを第3者的な立場から確認を行うことです。

改正案の中身は、

・売買の仲介契約時の契約書などに住宅診断の有無を記載する項目を設けることを不動産業者に義務付ける。

・建物診断する場合は、不動産仲介会社があっせんする業者が実施する。

・診断結果は、契約前に不動産仲介会社が買主に行う重要事項説明に盛込む。

といった内容です。

これをみると、ホームインスペクション自体が、中古住宅の売買契約時に義務化されたわけではありません。

今回の法改正、中古住宅の流通促進という意味で1歩前進とも見えますが、内容、時期ともに不十分というのが個人的な思いです。

買主が希望する場合は、建物診断を義務付けるくらいでも良かったように思います。

不動産取引に占める中古住宅の割合が、60~70%に上るアメリカなどは、ホームインスペクションが、不動産取引のフローに組み込まれています。

ちなみに日本は中古住宅の割合は10%台と新築住宅の取引が多くを占めております。

中古住宅取引で建物診断が普及しない理由

ただ…ホームインスペクションが普及しない理由もいくつか考えられます。

ホームインスペクションの目的は、

・専門家に建物の状態を確認してもらい、売買の判断材料の1つとする

・(中古住宅などの場合)購入後のリフォームや維持費を知る目安とする

・安心して住宅を購入するため

など挙げられますが、これらは主に買主のためのものです。

ホームインスペクションの費用を誰が負担するかは別として、ホームインスペクションがなかなか一般の取引で普及、活用されない要因は、皮肉にもその目的にあります。

不動産取引の現場の現実問題として、中古住宅の売買をする際、売主の立場からすると、建物診断を実施し、何か問題があった場合、

・取引自体が成立しにくくなる
・値引きや価格交渉の材料に使われる
・補修や引渡し後の欠陥に対する責任を求められる

という心配の方が大きく協力的にはなれないと考えられる売主さんが多いでしょう。

中には、安心して買主に購入してもらうため、売買後のトラブルを避けたいという考えの売主さんもいらっしゃると思いますが、よほど売れない物件や売り急ぐ物件は別として、

建物診断を要求してくる買主、または、建物診断の結果、値引き交渉が入るくらいであれば他の買主を探すという売主さんが多いと考えられます。

また、仲介する不動産会社の立場としても、建物診断をすることによって、売買契約が進みやすくなるというより売買契約が成立しにくくなる心配の方が大きいでしょう。

仮に、売買契約が前向きに進むにしても、建物診断の結果、売主と買主の間での調整事項が増え、仲介する立場からすると手間がかかり、あまり有りがたくない制度かもしれません。

このように法施行と普及までにはまだ時間がかかりそうなホームインスペクションですが、これ以外に中古住宅を購入するリスクに対する制度はどういったものがあるのでしょうか。

建物の「瑕疵」や「欠陥」に対する制度

特に中古住宅を購入するときの、買主さんのリスクは、土地建物の欠陥や瑕疵です。こういったリスクに対して考えられる、法律や保険商品があります

・瑕疵担保責任

不動産売買における「瑕疵担保責任」という言葉をご存知の方もいると思います。

「瑕疵担保責任」とは、売買する住宅に隠れた瑕疵があった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。

中古住宅の場合、売主さんが個人のケースが非常に多いです。

個人同士の中古物件の売買契約に関しては、一般的に、売主さんの瑕疵担保責任は、3ヵ月間くらいに制限されることが多いです。

つまり、建物引渡しから3か月間に判明した瑕疵についてのみ売主が責任を負うということです。

さらに築年数が相当経っている建物などそうですが、「瑕疵担保責任」免除という条件で契約されることも珍しくはありません。

ただ、売主の方からすると、古い物件を相場の価格で売却したあと、物件引渡しから長期間に渡り、欠陥が見つかった場合の責任を負担しなければならないとなると、中古住宅の取引自体が困難になるというところもありますので難しいところではあります。

 

・既存住宅売買かし保険

また、中古住宅の瑕疵に対する保険として、「既存住宅売買かし保険」というものがあります。

この保険に入るには、検査機関による建物検査が必要です。

この保険が付いている住宅や検査を受け保険を付けることで、将来的に欠陥が見つかった場合に保険で備えることが可能となります。

ただ、保険の対象となる部分は、

・「構造耐力上主要な部分」
・「雨水の侵入も防止する部分」  に限られます。

※保険法人によっては、給排水設備なども対象とするものもあります。

建物診断だけでなく「お金の診断」も重要

マイホーム購入を成功させるには、物件選びや家づくりといったハードの部分だけでなく、お金の部分でも失敗しないことが必要です。

「建物診断」が建物の部分について、安心して購入するための手段だとすると、マイホーム購入のお金の部分について「お金の診断」も必要です。

そして、マイホーム購入の「お金の診断」で大切な項目は、

第1:予算と資金計画
第2:住宅ローン商品選びと返済計画

です。

1人1人の家族構成や家計の状況は違います。ですので、1人1人予算や資金計画、返済計画があるはずです。

無理のない計画になっているか十分に確認してからマイホーム購入を進めてください。

そして、「建物診断」「お金の診断」を誰かに依頼する場合、両方に共通する大事なことは、売手ではない「第3者」の立場の人に診断してもらうことです。

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