家の「資産価値」が問題になるとき

「自分の家の価値はいくらですか?」と聞かれて、
明確に答えられる人はあまりいないと思います。

また、住んでいる家の資産価値を気にしながら
生活している人も 多くないでしょう。

ただ、「家の資産価値」について嫌でも
考えることになる状況があります。

それは…、今住んでいる自宅を

  • 売るとき
  • 貸すとき
  • 担保に入れるとき

などです。

 

■家を売るとき

自宅を売却するとき「価格」をどうするか?
決めなければなりませんが、その時に、
「自分の家ってどれくらいの価値があるんだろう?」と考えますよね。

不動産会社が査定して、いくらで売るかを決めるのに、よく使われるのが「取引事例法」です。
近隣の似た条件の取引事例を参考に売却価格を決める方法です。
自分の住む地域の不動産がどれくらいの価格で取引されているか、どれくらい物件が流通しているのかなどで判断されます。

家の資産価値が売却価格に影響することは間違いありません。

 

■家を貸すとき

自宅を人に貸すとなれば、「家賃をいくらにするか?」決めなければなりません。

今の住宅ローンの返済額が毎月10万円。
なので、管理費や修繕費用も含め、家賃は13万円にしようと考えても、
その家賃では借り手が見つからない~ということもあるかもしれません。

不動産の資産価値を評価する方法の1つに、「収益還元法」というものがあります。

これはその物件が、評価する時点以降に、家賃などの収益をどれくらい見込めるかを
基準にその不動産の評価額を決定する方法です。

つまり、その物件の収益性から資産価値を判断するものです。

当たり前ですが、毎月の住宅ローン返済額と収益性(設定できる家賃)は、必ずしも一致しません。

ただ、人に貸したい~、
でも…住宅ローンも返済しなければならない~というときに、

一般的には、その物件の資産性が高ければ収益性(家賃)も高くなります

 

■家を担保に入れるとき

自宅を担保に銀行からお金を借りようとするとき、
銀行は担保価値、すなわち家の資産価値を査定した上で貸出する金額を決めます。

万が一、貸したお金の返済が難しくなっても、家を売却して返済してもらうためです。

今では、自宅を担保にして老後資金を借りることができるような商品、(リバースモーゲージなど)も徐々にではありますが、取り扱う
金融機関も増えてきています。

こういった商品を利用する場合も、どれくらいのお金が借りられるかは、家の資産価値によって変わります。

このように、家を

・売るとき
・貸すとき
・担保に入れるとき

こういった場面になったとき、自分が今住んでいる家の資産価値が大きな意味を持ちます。

ただ、当たり前ですが、こういった機会が訪れたときに、資産価値を急に上げることはできません。

その時点の資産価値は既に存在しており、それを受け入れるしかありません。

その資産価値で、

・売却できる金額(交換価値)
・貸せる賃料(収益価値)
・借りられる資金(担保価値)

などが決まります。

 

これからの日本の状況を考えると…ますます資産性は重要

家を買うとき、いろいろ考えることは多いです。

・こんなデザインの家が欲しい…
・この場所に住みたい…
・建坪は何坪くらい、庭はこれくらい欲しい…
・親の近くに住みたい(子どもを預けたい)…
・子供に転校をさせたくない

その中で

「購入する物件の将来の資産性」は、どこまで考えるべきなんでしょうか?

 

日本経済において、高度成長期からバブル経済が崩壊するまで日本の不動産価格は上がり続けました。

なので、購入時点の資産価値より購入後の資産価値が高いというのが当たり前の時代…
住宅も「資産」として考えることができました。

ただ、今はそういった状況とは異なります。

兵庫県の地価推移

兵庫県の地価の推移を見ても、バブル崩壊以降、地価は徐々に下がり続けています。
(バブル崩壊は一般的には1991年~93年の時期と言われます)

 

兵庫県 地価推移

※国土交通省による地価データ

 

少子高齢化・人口減社会

さらに、日本は、本格的な少子高齢化・人口減社会に突入しました。

年齢区分別人口推計

このグラフは、年齢区分別の将来の人口を予測したものです。

2015年から35年後の2050年には、住宅購入層でもある生産年齢人口(15~59歳)が、
約6834万人から4392万人と2442万人、およそ、36%減少予測になっております。

今、住宅を購入して、30年後、住宅ローンの返済を終えた頃には、
住宅を購入する層の人口が大きく減少しているという予測です。

また、日本の住宅政策は、欧米と異なり景気対策としての住宅政策が得意で、新築住宅を優遇しがちです。

そして、日本全体の住宅戸数はどれくらいが適正かといった、いわゆる住宅戸数の総量規制やグランドデザインは、
これまでも今もほとんど考えられていません。

空き家問題

その結果、今でも新築のマンションや新たな住宅は作られ続け、日本全体で7戸に1戸は空家という状態です。

ここ数年、ようやく、

  • 「既存住宅市場活性化」
  • 「中古住宅・リフォーム市場活性化」
  • 「空家対策」

など、中古市場を活性化する政策も出てきましたが、それでも20年後の2035年には空家率は35%になると
予測されています。(野村総合研究所)

このように、住宅を購入する層が減少する一方、日本全体の住宅のストックが積み上がるとなると…

少なくともこれまで以上に、住宅の資産価値の維持が難しくなるということです。

 

将来いくらで売却できるか、それとも…

例えば、3,500万円の住宅を購入し、20年後に売却しようとしたとき、購入する物件によって

・A物件:2,500万円で売却できる
・B物件:800万円で売却できる
・C物件:値段がつかない(価格を下げても買手が見つからない)

という違いが生じうります。

仮に3,000万円の住宅ローン借入をして購入したとすると、
20年後の住宅ローン残高が約1,429万円となります。(固定1.6%で算出)

とすると、A物件であれば、売却したお金で住宅ローンを完済することが可能です。

一方、B物件の場合、ローン残高(1,429万円)が、
その時点の売却価格(800万円)を上回り、
売却するためには、自己資金を投入し、不足分を補てんする必要があります

つまり、売却のための自己資金が必要ということです。

C物件は… いわずもがなです。

確かに10年、20年先のことを予測することは簡単ではありません。

ただ、自分自身の将来設計のなかで、家の資産性を問題とするような状況が考えられるのであれば、
資産価値が維持しやすい物件かどうかということを、物件選びの際によく考える必要があるということです。

 

住宅を「資産」と考えるか・「消費財」と考えるか


購入する住宅の資産性について、

A:住宅を「資産」として考える
B:住宅を「消費財」として考える

という2つの考え方があります。

例えば、

  • 将来的には家を売却して違う場所に移り住みたい
  • 家族構成の変化(お子様の独立や親との同居など)に合わせ、売却する可能性が高い
  • 子供が独立したら夫婦で海外に住みたい、その間家を誰かに貸したい

など、こういった人生設計を考えている、可能性があるのであれば、
住宅の資産性も考えた物件選びをすべきです。

逆に、

  • 子どもが独立してもその家にずっと住み続けるつもり
  • 将来的には、住宅を増築し2世帯住宅にするつもり
  • 資産価値よりも価格重視で早く返済し終わりたい

ということであれば、資産性というより、消費財として考えた物件選びになるのかもしれません。

つまり、購入する住宅の資産性をどこまで考えるか?それは住宅購入後の人生設計に左右されます。

 

将来の家計や万一のリスクヘッジにも関係する資産価値

ただ、資産価値はないより当然あったほうが良いです。

3,500万円で購入した住宅が、20年後…、

  • 2,500万円で売れるか
  • 800万円で売れるか
  • もしくは売れないか

ということは、将来の貯蓄(家計)にも大きく影響します。

また、将来的に自分の住む家が売れたり、貸せたりできるということは、それだけ人生の選択肢が増えるともいえます。

さらに、病気や事故、失業など、想定外の出来事が起こった際のリスクヘッジにもなります。

マイホームを購入するとなると、色々と考えることは多いとは思いますが、

あなたは、購入する家の資産性…どこまで考えますか?

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