住宅ローン控除を有効活用する

2021年度税制改正で住宅ローン控除について変更がありました。家を買われる方にとって、住宅ローン控除は、経済的メリットが非常に大きい制度です。

今回の記事では、住宅ローン控除を最大限に有効利用できるための抑えておくべき点、物件選びや時期による影響をできるだけ分かりやく解説したいと思います。

住宅ローン控除について

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除を分かりやすくいうと、

個人の方が自己居住用の住宅を新築したり、取得、増改築をしたりした場合に、一定の要件を満たすことで、毎年の住宅ローン残高などを基準として計算された金額が、所得税額等から控除される制度です。

控除期間は、購入する物件によって異なりますが、10年あるいは13年間です。

では、住宅ローン控除を受けることができる一定の要件とはどういったものでしょうか。

住宅ローン控除の主な適用要件※増改築除く

  1. 新築または購入から6か月以内に居住すること
  2. 住宅ローン控除を受ける年の合計所得が3,000万円以下であること
  3. 住宅の床面積が50㎡以上であり、床面積の2分の1以上を住居専用のものであること
  4. 住宅ローンの返済期間が10年以上であること
  5. 住宅ローン控除期間を13年にするためには、2021年3月までに入居すること

住宅ローン控除を受けるためにはこういった要件を満たす必要がありますが、中古住宅を購入する場合は、別に築年数の要件があります。

中古住宅の築年数要件

・耐火建築物…築25年以内
・非耐火建築物…築20年以内

耐火建築物とは、マンションなどの主要構造部が鉄筋コンクリートや鉄骨造などの建物を言います

非耐火建築物は、主要構造部が木造住宅の建物を言います。

但し、中古住宅の築年数がこれらの要件を超えている物件でも、耐震基準適合証明書や既存住宅売買瑕疵保険をつけることで、住宅ローン控除を受けることができる場合もあります。

ただ、こういった耐震基準適合証明書を取得するにしても耐震診断を受けたり、改修工事をする必要があります。

同様に、既存住宅売買瑕疵保険をつけるにしても、そのための検査に合格する必要があります。

ですので、中古住宅を購入し、住宅ローン控除を適用させたいということであれば、基本的には、木造住宅であれば築20年以内、マンションなどの非耐火建築物であれば築25年以内の物件が対象になってきます。

では、住宅ローン控除を受けることでどれくらいのメリットがあるのでしょうか。

住宅ローン控除の経済的メリット

住宅ローン控除を受けることによって、どれくらいの減税効果があるか、下の表は、新築住宅を購入した場合の住宅ローン減税の最大控除額を表した表になります。
(国土交通省HPから引用)

住宅ローン最大控除額

上記の表は、新築住宅を購入した場合ですが、購入する住宅の種類によって、住宅ローンの最大控除額が異なります。

新築住宅を新築、購入した場合

1年間の最大控除額が40万円で10年間続きますので、最大控除額の合計は400万円になります。

長期優良住宅や低炭素住宅といった認定住宅を新築・購入した場合

1年間の最大控除額が50万円で、10年間の最大控除額の合計は500万円となります。

消費税10%適用された住宅を購入した場合

住宅ローン控除期間が10年から13年に3年間延長されます。

但し、11年目から13年目3年間の控除額の上限は、建物の取得価格または最大控除額の2%(4000万円であれば80万円、5000万円であれば100万円)となります。

中古住宅(個人から購入)した場合

1年間の最大控除額が20万円、10年間で合計200万円の最大控除額の合計となります。

ただ、これらの数字は、あくまでも最大控除額です。

実際に控除される税額は、最大控除額以外にも

・住宅ローン契約者の収入、つまり納める所得税、住民税額
・各年の住宅ローン残高の1%

が上限になりますので、購入される方の収入や借入金額によって実際に還付される税額は変わりますので、注意してください。

イメージ的にはこんな感じです。(国土交通省HPから引用)

住宅ローン控除 イメージ
住宅ローン控除額のイメージ

ただ、これらの金額が所得税ならびに住民税(上限あり)から還付されると考えると、その経済的メリットは非常に大きいですよね。

これからの住宅ローン控除はどうなる?

2021年度(令和3年度)の税制改正

1,10%の消費税が適用される住宅を新築、購入した場合の住宅ローン控除期間を13年とする特例が延長されました。

簡潔にいうと、以下のように契約時期、入居時期の条件が延長されたということです。

購入する家の種類契約時期入居時期
新築する場合2021年9月末まで2022年12月31日まで
新築分譲住宅を購入
中古住宅を購入
中古住宅を増改築
2021年11月末まで

上記の表を見てもらえれば分かりますが、特に注意すべきは契約時期です。

・家を新築する場合、入居期限(2022年12月31日)の15か月前まで
・新築分譲住宅を購入する場合等は、入居期限(2022年12月31日)の13か月前まで

に契約を締結する必要があります。

2,また1に該当する場合床面積の条件がそれまでの50㎡から40㎡に緩和されました。但し、この場合の適用をうける年の所得要件がそれまでの3,000万円以下から1,000万円以下となっています

2022年度(令和4年度)以降

2021年(令和3年度)の税制改正では、住宅ローン控除の適用時期の延長がされました。

ただ、同時に2022年(令和4年)度以降の住宅ローン減税の在り方について提言もされています。

簡単にいうと、住宅ローン減税の控除率は1%ですが、現在の変動金利や長期固定金利タイプ以外の金利水準は1%を大きく下回る状況です。

こういった状況では、本来住宅資金があり、住宅ローンを借りる必要のない人も、ローン金利負担以上の住宅ローン減税の還付メリットを享受できるとして借入を行うケースが多くなっていることが問題視されています。

住宅ローン減税の予算は当然国費が使われていますので、本来景気浮揚策としての住宅取得者に対する減税措置という趣旨から外れると考えられているのでしょう。

ですので、現在のコロナによる経済状況の厳しさはあるとはいえ、2022年度以降、住宅ローン減税の控除率の見直し含め、何らかの改正が行われる可能性はあります。

まとめ

  1. 住宅ローン控除の制度、適用要件
  2. 住宅ローン控除の経済的メリット
  3. 20221年度税制改正の変更点
  4. 2022年度以降の住宅ローン減税についての提言

について書いてきましたが、これから住宅を新築、購入される方にとって、住宅ローン控除が使えるか否か、控除額はいくらになるのかは、経済的に非常に大きな違いとなります。

購入する物件による最大控除額の違い、契約時期、入居時期の違いなどしっかりと確認しながらマイホーム購入をすすめて頂ければと思います。