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住宅ローンの金利動向を予測できるの?
年末になると、来年の住宅ローン金利動向を予測する記事が出ます。
2018年末に2019年の住宅ローンの金利動向を予想する記事は少なくありませんでした。
- 変動金利は、今の水準を維持するだろう…
- 固定金利は、〇%程度の上昇の可能性あり…
- アメリカの利上げの状況次第で上昇…
などなど。 変動金利も長期の固定金利も、国債金利や短期プライムレートなどの指標の影響を受ける中、政府の経済政策などから一定の予測は可能です。
では実際どうだったんでしょうか?
2019年変動金利型の住宅ローン金利動向
この表は、過去35年の変動金利型と固定期間選択型(3年と10年)の金利動向を表したものです。
変動金利の基準金利は、前年から変わらず2019年も2.475%で推移しました。
ただ、この流れは、2020年、2021年、そしてそれ以降も続くのでしょうか?
これから高齢化人口減少を迎えるなか、物価上昇もなかなか進まず、大幅な金利上昇は考えにくいという考えかたもあります。 今の低金利の状況が続くと考える方は、変動金利を選択されるでしょう。 実際、半数以上の方が変動金利型を選んでいます。
ただ、来年の金利動向は予測は当たったとしても、長期(将来)の金利動向までは誰にも分かりません。
金利が上昇した場合の対策は考えておいたほうが良いです。
特に、今年オリンピックイヤーですが、安倍さんも何とかオリンピックまでは景気を落とすわけにはいかないということもあり、これまで金融緩和含め、財政支出や金融政策を行ってきました。 この流れは今後も続くのでしょうか?
金利動向の予測の話は、住宅ローンを利用する場合必ず出てきます。
金融機関や住宅会社の担当者、不動産屋さん(私もですが…)の予測は、買う側としては、売ったり仲介するための提案ぐらいに考えておいたほうがよいでしょう。
契約時の金利が低い、つまり返済額が少なく見える方が、それは売りやすいですから… それよりも、
- 金利が上昇した場合に家計はどうなるの?
- 金利上昇が現実化したとき、どういった対策があるの?
ということを考えることが重要です。
変動金利や固定期間の短い期間選択型の住宅ローン商品を選ぶのなら、金利上昇のリスクと家計への影響をしっかりと確認してから決めましょう。
固定金利型の住宅ローン金利動向
一方、全期間固定金利についてフラット35の金利動向ですが、下の表はフラット35の(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合)の金利推移です。(住宅金融支援機構)
ちょっと見にくいので、金融機関によって適用金利に差がありますが、最低金利を表にしてみました。
H31年 1月 | 1.33% |
H31年 2月 | 1.31% |
H31年 3月 | 1.27% |
H31年 4月 | 1.27% |
R1年 5月 | 1.29% |
R1年 6月 | 1.27% |
R1年 7月 | 1.18% |
R1年 8月 | 1.17% |
R1年 9月 | 1.11% |
R1年 10月 | 1.11% |
R1年 11月 | 1.17% |
R1年 12月 | 1.21% |
年初1.33%から始まり、9月10月の最低金利1.11%をつけたあとは、上昇傾向です。
一番高いところで、平成31年1月の1.33%、一番低いところで、1.11%と0.22%のひらきがありました。 多くの金融機関が、融資実行月の金利を適用金利としていますので、昨年9月、10月に融資実行(引き渡し)の方は、低い金利で長期間の金利を固定できたということになります。
仮に3,000万円を返済期間30年で借りたとした場合、適用金利が0.22%違うと、
- 毎月の返済額で3,091円
- 総返済額で111万2,932円
の違いが出ます (※元利均等返済。繰り上げ返済等は考慮しておりません)
大きいですね。
2020年これから固定金利がどのように推移するのか?
全期間固定金利の場合、変動金利などと異なり、将来の金利動向に左右されることはありませんので、その時に一番有利な住宅ローン商品を選びたいものです。
このように住宅ローン金利は、その時々の経済情勢や各金融機関の営業方針も含め毎月変動するもので、それを見通すのは困難です。
ただ、住宅ローンの適用金利が決まる、融資実行月に一番有利な住宅ローン商品を選択できるように準備することはできます。
一番有利な住宅ローン商品を契約するための3ステップ
住宅ローン商品の選択肢は膨大にあります。その中で自分にあった一番有利な住宅ローン商品を契約するための3つのステップがあります。
ステップ1:自分の考えと家計に合う金利タイプをまず決める。
金利タイプは、大きく、変動金利、全期間固定、(当初の一定期間だけ金利を固定する)期間選択型の商品と3つに分けられます。
それぞれの金利タイプごとに、特徴や注意点はありますが、まず、自分の考えや志向に合うと同時に、貯蓄や家族構成、これからのライフイベントなど、家計を踏まえた金利タイプを決めます。
そのためにこちらの記事も参考にしてみてください。
・【住宅ローン金利】変動?固定? ~固定金利を検討してみる~
・【住宅ローン金利】変動?固定?~変動金利を検証してみる~
・当初〇〇年固定、固定期間選択型住宅ローンの注意点
・記事3住宅ローンをどうやって決める?選択肢は少なくありません。
家計の収支や貯蓄の状況は人それぞれですので、簡単でもいいのでライフプランを作成することをおすすめします。
・住宅購入後のライフプラン・キャッシュフロー表を作成する意味
ステップ2:一番条件が良い可能性のある住宅ローン商品を比較検討・審査
金利タイプが決まれば、住まいの地域で契約可能な住宅ローン商品の中から、金利水準や諸費用、団体信用生命保険の特約などを総合的に判断しながら一番有利になりそうな住宅ローン商品をリストアップします。
そして、それらを比較検討し、最終候補となる金融機関の住宅ローン商品をいくつか審査を通します。
ステップ3:融資実行月の金利動向を見て、住宅ローン商品を契約
住宅ローンの審査を通した商品の中から、引き渡し月の金利状況を見て、契約する住宅ローン商品を決め、契約(金銭消費貸借契約)します。
このとき、金融機関により長短はありますが、住宅ローンの契約から決済(引き渡し)まで一定の時間は必要ですので、当月の金利を確認⇒住宅ローン契約⇒引き渡し、ができるように調整する必要があります。
まとめ
家を買うことは、住宅ローンを買う(契約)ことでもあります。
そして、住宅ローン返済は家の維持管理費用の一部です。マンションを購入する場合、『マンションは管理を買え』などと言いますが、維持管理費用の一部である、住宅ローン商品や返済計画は非常に重要です。
物件選びや家づくりだけでなく、住宅ローン商品選びものちのち後悔することのないように、しっかりと準備しましょう。
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